もしかしたら、秋バテかもね!
秋バテなんかあるの??
みなさん、こんにちは!
漢方薬剤師の玄(@gen_kanpo)です。
秋になり気温が落ち着いてくると、漢方薬局には体調不良で駆け込んでくる人が急増します。
その症状の一つが「秋バテ」です。
御存知ですか??
その名の通り秋に起こる体調不良です。
思い出してみて下さい!
秋になるとなんだか体調不良になっていませんか?
「そういえば、体が重い」
『あれ?メンタルが落ち気味』
こう感じた人は「秋バテ」かもしれませんよ!
気になる人は、今回の記事を確認していってくださいね。
意外と当てはまる人が多いですよ!
- 秋になんだかダルイ
- 季節の変わり目に調子が悪い
- 気持ちが不安定
秋バテとは
夏から秋への季節の移り変わりに伴って、体調不良や倦怠感などの症状が生じることを意味する語。「夏バテ」が長引いて秋まで続いたものを指すこともある。
Weblio辞書より引用
簡単にいうと秋に起こる体調不良の総称です。
具体的には、明確な原因が無くても起こる以下の症状
「なんだか体調が悪い」
「やる気が出ない」
「体がだるい」
この様な症状のことを指します。
また、秋バテの症状は身体的なものだけでなく、精神的な症状も現れるの注意が必要です。
一緒に確認していこう!
秋バテの原因①気温差
体温を調節するのは「自律神経」です。
寒暖差が大きかったり、暑い・寒いを短時間で繰り返すと、自律神経のスイッチをガチャガチャ押すことになり、自律神経は乱れます。
暑い夏から秋になり急に涼しくなると、この自律神経が対応できなくなり乱れやすくなります。
一般的に温度差が5度以上あると、体は疲労をおぼえ自律神経も負担がかかるといわれています。
自律神経は体の様々な働きをしており、乱れると
- 食欲不振
- 精神不安
- 動悸
- めまい
- 頭痛
体の様々なところに不具合が生じます。
気温差が大きい秋口は、カバンに羽織るものを一枚入れておくなど寒暖差対策を取りましょう。
この気温差の疲れは冷房、暖房を使う夏や冬でも起こるから気をつけましょうね。
秋バテの原因②生活の乱れ
「夏は日が長く夜まで遊んでしまい、寝る時間が遅くなる!」
「夏休みだから毎日昼間で寝る!」
こんなことってありますよね?(特に学生さん)
たまにならよいですが、このような生活が続くと秋に体調が悪くなります。
月曜日にやる気がなくなる「ブルーマンデー症候群」は日曜日と月曜日の生活の差が大きいと悪化するといわれています。
夏休み明けや秋口はそれ以上に精神的な負担が大きくなります。
ブルーマンデー症候群への対策は休日と平日の生活リズムを大きく変えないこと!
夏でも規則正しい生活を心掛けるましょう。
たまにはハメを外して遊ぶのはOK!
秋バテの原因③秋は悲しみの季節
日照時間も低下する秋は中医学では「悲」の季節。
「悲則気消」
といい、秋は悲しみの感情が現れやすく(元)気を失いやすい季節になります。
気は体を機能させるエネルギーのような働きをするので失うと心身が疲れを感じます。
秋に心が疲れやすい人は
- つらいニュース
- ショッキングな映像
- 心が重くなるような本
この様なものを極力避け、気を失わないように注意しましょう。
インターネットやSNSの発達で意図しないストレスにさらされる機会が多くなっています。
心がしんどいときは、スマホやテレビから離れ自身が明るく、楽しくなるような娯楽をしましょうね。
秋バテの原因④(冷たい)水分の摂りすぎ
毎年、漢方薬局で秋に多い相談は以下の通り
- 頭痛
- めまい
- むくみ
- 胃腸の不具合
これらの症状が現れる人は、そこそこな確率で「夏に水分を取り過ぎた」人達です。
近年は夏の暑さが猛烈なので水分補給は必須。
ですが、必要以上に摂取してしまうと排泄されず体内で悪さをしてしまいます。
特にデスクワークが多く冷え体質の女性は要注意です。
室内でも熱中症は起きるので水分補給は大事ですが、運動量が少なく冷房が効いた室内では、「排出量<摂取量」になる人が多いように感じます。
不要にたまった水分で血流が悪くなり秋~冬にかけて冷えが悪化する原因になりかねません。
また、水の取りすぎると胃腸の不要な水分がたまり消化吸収が低下。
エネルギーである気を作れなくなり、ダルさやヤル気の低下を引き起こします。
水分摂取は少しずつ、こまめにが基本です。
秋バテにおすすめな食養生
基本的にはいつも通り胃腸に優しい食事がオススメです!
夏バテもそうですが秋バテも「胃腸の疲れ」が大きく影響してきます。
そのため、精がつきそうな焼肉やとんかつなどの油っこい食事は逆効果になる場合があります。
オススメは旬の食材
「食欲の秋」と呼ばれるくらいなので美味しいものが沢山ある秋。
旬のものは栄養が豊富でしかも安価で手に入るというメリットがあります。
食事にうまく取り入れて秋バテを乗り切りましょう。
オススメ①サツマイモ
薬膳でサツマイモの体を元気にし、胃腸を整える働きがあります。
五行説では胃腸を統括する「脾」の色は黄色。
そのため、胃腸が疲れた時は黄色の食材がおすすめです。
具体的にはイモ類、かぼちゃ、栗などが黄色い食材です。
特にサツマイモは手に入りやすく、調理もしやすいのでおすすめ!。
天ぷらや大学芋なども美味しいですが、秋バテには胃腸の負担を減らす意味でも、シンプルにふかし芋や焼き芋で食べたいですね。
オススメ②シイタケ
秋といえばキノコ!
旬のため栄養価も高く、値段もお手頃☆
その中でも体に元気を与える代表はシイタケです。
水分代謝を促す成分カリウムを多く含むため、夏に水分を取りすぎて浮腫(むく)む人にもオススメです。
また、干しシイタケにすると薬膳で「老化の予防」に使う食材になります。
実際、栄養学的にも乾燥したほうがカルシウムの吸収を助けるビタミンDが生の10倍ほど増えるとされています。
っと思うほど優秀な食材です。
キノコ類は食物繊維が豊富なので胃腸が疲れきった人には要注意。
細かく切ったり、よく噛む工夫をしましょうね。
シメジやマイタケなど、他のキノコも補気(元気をつける)作用があるのでオススメです!
秋バテに使える漢方薬
養生や食養生でも改善できない体調不良があれば漢方薬を使いましょう!
もちろん、「秋バテ=この漢方」というのはないので自分の体調に合ったものを選びましょうね。
一部の例を紹介☆
詳しくは漢方薬局、薬店で専門家に自分にあった漢方薬を出してもらおう!
補中益気湯
ダルさや倦怠感などの「気虚」の症状が続くようなら補中益気湯を検討してみましょう。
胃腸を整え元気をつけてくれますよ。
帰脾湯
不安感や考え事が多いならが帰脾湯も選択肢に上がります。
胃腸にも優しい漢方薬なのでとても使いやすいです。
清暑益気湯
疲れ、ダルさなど気虚の症状の他に「体がほてる」「口が乾く」などの熱症状がある場合は、夏バテ対策でも使う清暑益気湯も検討します。
特に近年は秋でも暑い日が多いので、夏バテを持ち越す人が多いです。
初秋で夏の余気が残っているとき(温燥という)には検討しても良いと思います。
まとめ
秋の体調不良「秋バテ」について解説していきました。
思い当たる人いたんじゃないでしょうか?
秋の体調不良は冬にもつながります!
しっかり対策して冬に備えましょう。
今回の内容を簡単にまとめると
【原因】
- 気温差
- 夏の生活の乱れ
- 秋は悲しみの季節
- (冷たい)水分の摂りすぎ
【対策】
- 衣服を気を付ける
- 体を温める食事
- 規則正しい生活
- 悲しいニュースを見ない
- 水分補給は少量をこまめに
- 適度な運動
- 旬の食材での食養生
- それでもダメなら漢方薬
夏の不養生は秋の体調不良につながるから気をつけようね。