みなさん、こんにちは!
漢方薬剤師の玄(@gen_kanpo)
「命の母ホワイト」って知っていますか?
実は「命の母」にはシリーズがあり、対象にしている人や内容が少しずつ違います。
※名前の通り女性をターゲットにしているのは間違いない!
以前の記事では【命の母A】について解説しましたが、今回はシリーズもうひとつの主力商品【命の母ホワイト】を解説します。
「命の母っていくつか種類があるけど、自分にはどっちが合うの?」
そんな疑問を持つ方のために、この記事では【命の母ホワイト】の特徴を中心に、【命の母A】との違いも中医学の視点を交えながら、わかりやすくご紹介できればと思います。
- 生理に対して悩みがある
- 命の母ホワイトについて知りたい
- 命の母Aとの違いを知りたい
命の母ホワイトとは?

公式サイトによると、命の母ホワイトは以下のような方に向けて設計された製品です。
- 生理、妊娠、出産などで女性ホルモンや自律神経のアンバランスによって起こる症状を改善するお薬です
- 11種類の生薬が血行を促し体を温めることで生理時の痛み(生理痛)や頭痛、腰痛やイライラなどの心身不調や生理不順、冷え症などを改善していきます
このことから、10代後半〜30代を中心とした女性が主なターゲットであると考えられます。
命の母ホワイトよりも、やや上の年代向けという印象です。
命の母ホワイトは15才未満は服用できません!
命の母ホワイトの成分と特徴
命の母ホワイトには、以下の11種類の生薬が含まれています。
〈配合生薬〉
大黄・人参・桂皮・川芎・蒼朮・芍薬・茯苓・当帰・沢瀉・牡丹皮・桃仁
この構成は、漢方処方でいうと以下のような処方をベースにしている印象です
- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) … 血の巡りをよくする(活血)
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) … 血を補い、水分代謝も整える(補血・利水)
- 大黄 … 便通の改善と便と共に瘀血、不要な熱を去る
- 人参 … 気を補う(補気)
補う力は控えめながら、「血行を促す」「血流が悪いため起こる冷えを緩和する※ここは後述」といった働きに重きを置いてある印象です。
PMS(月経前症候群)や生理痛、生理不順、冷え性など、月経に関連した心身の不調に悩む方に合いやすい構成といえるでしょう。

生理中に飲んでも大丈夫?
「生理中に飲んでもいいの?」
命の母ホワイトは、生理中も飲んでOKな処方です。
東洋医学では、「巡りが悪くなると痛みが出やすくなる」といった考え方があります。
これを「不通則痛(ふつうそくつう)」と言い、血や水分の流れが滞ることで、不快感や痛みが出るとされています。
命の母ホワイトは、そうした“滞りやすいタイプ”の方に向けた処方なので、生理中も無理のない範囲で続けておくと、次の生理がラクに感じられることもあるかもしれません。
ただし、体質やその時の体調によっては合わないこともあるので、「なんだかいつもと違うな」と感じたら、いったんお休みするのも大事です。
気になる症状があるときは、医師や薬剤師に相談してみてくださいね。
その場合は体質にあった漢方薬を専門家と相談して服用するようにしましょう。
命の母ホワイトの注意点

大黄が含まれているため、お腹がゆるくなりやすい方や、胃腸が弱い方には合わない可能性があります。
桃仁・牡丹皮などは妊娠中の使用に配慮が必要とされる生薬です。
妊娠の可能性がある方や妊娠中の方は、使用前に医療機関への相談をおすすめします。
また、強い「補」の作用は少なめなので、疲れやすい(気虚)タイプの方は体調に注意しながら取り入れるとよいでしょう。
命の母Aとの違いとは?
命の母Aとホワイトには、以下のような使い分けがあります。
主な対象 | 命の母A:30~40代以降の更年期世代の方に向けた設計。 命の母ホワイト:10〜30代の月経トラブルが気になる方に向けて作られています。 |
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向いているお悩み | 命の母A:イライラ、のぼせ、倦怠感、肩こりなど、年齢による変化に伴う心身の不調に。 命の母ホワイト:冷えや生理痛、PMS(生理前のイライラ・気分の浮き沈み)、生理不順など、月経に伴いやすい不調に配慮された構成です。 |
配合成分 | 命の母A:13種類の生薬に加え、ビタミン類やカルシウムも含まれています。 命の母ホワイト:11種類の生薬を配合。補助成分は含まれていません。 |
特徴 | 命の母A:気血の巡りを整える生薬を中心に構成され、更年期障害、自律神経の乱れによる不調に配慮した内容です。 命の母ホワイト:血行と水分代謝を整える構成で、月経周期に伴う不快感に寄り添う処方です。 |
選ぶ目安 | 日常的なイライラや疲労感が中心なら命の母A。 生理前後の気分の乱れや冷え、生理痛が主な悩みなら命の母ホワイトがおすすめです。 |
命の母Aは、香附子や川芎、紅花など「気血の巡り」に関わる生薬が中心で、冷えのぼせや情緒不安、倦怠感など、更年期に起こりやすい心身の乱れに対応。
さらにビタミン類やカルシウムなどの栄養成分も含まれています。
一方、命の母ホワイトは、桃仁や牡丹皮、沢瀉など「血」「水」の巡りに関わる生薬が多く、冷えや生理痛、おりもの、月経に伴う不調に配慮された構成です。
【補足:命の母ホワイトの「冷え」について】
命の母ホワイトは、冷えや月経にともなう不調に悩む方に選ばれることの多い商品です。
配合されている生薬には、たとえば
- 桂皮(けいひ):体をあたためるとされる
- 大黄・牡丹皮・桃仁:血の巡りを整える方向で用いられる(冷やす生薬)
- 沢瀉(たくしゃ):余分な水分の巡りを助けるとされる(冷やす生薬)
など、命の母ホワイトは「巡りの悪さ」が背景にある冷えに着目した構成が見られます。
そのため、血や水の巡りが滞って冷えを感じるタイプの方には比較的合いやすい一方で、「温めてもすぐに冷えてしまう」「じっとしていても冷える」といった、体の内側の力(陽気)が足りない【陽虚タイプ】の冷えには合わないこともあるかもしれません。

慢性的な冷えが気になる方は、自己判断せずに漢方に詳しい薬剤師や医療機関へご相談してみましょう。
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中医学の視点で見ると…
中医学的に整理すると、以下のように分類できます。
- 命の母A:やや気滞タイプ向け
- 命の母ホワイト:瘀血・水滞タイプ向け
→ 香附子や川芎が「気の巡り」に働きかけ、イライラやのぼせに対応
→ 桃仁・牡丹皮・沢瀉などが「血の滞り」「水の滞り」に着目し、PMSや月経痛、おりものをサポート
どちらを選べばいいの?選び方の目安
選ぶときは、「今の悩みの中心がどこにあるか」を基準にしてみましょう。
- 更年期障害の情緒不安やイライラ、のぼせ、肩こりがつらい → 命の母A
- 生理前のヒステリー、冷え、おりもの、生理痛、月経不順 → 命の母ホワイト
栄養素も補いたい方や、イライラ、冷えのぼせには命の母Aの方が合うことも。
ホワイトは、「生理前になると便秘やメンタルが不安定」「水と血の巡りが悪く感じ冷える」という方には検討の余地があるでしょう。
最後に|自分の体質やライフステージにあわせて
どちらの製品も、薬局やドラッグストアで購入できる市販薬として便利な存在です。
ただし、自分の体質や体調と合っていないと、効果を感じにくいこともあるため、気になる症状が続くときは、医療機関や漢方が得意な薬剤師への相談も大切です。
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