季節の漢方薬

葛根湯よりも温める?虚弱者の風邪に!【麻黄附子細辛湯】

黄老師
黄老師
寒気がするぞい!
玄先生
玄先生
そりゃ酔った勢いで裸で寝てれば風邪ひくでしょ。
お年を考えてください!
黄老師
黄老師
う、うむ。
それはそうと、寒気とダルさがきついの~。
何か作ってくれ!
玄先生
玄先生
(あっ!誤魔化した。)なら、麻黄附子細辛湯ですね。
黄老師
黄老師
おぉ!
ぴったりの処方じゃな!

みなさん、こんんちは!
漢方薬剤師の玄(@gen_kanpo)です。

寒気が強い風邪の代表といえば『葛根湯(かっこんとう)』ですね。

ところがこの葛根湯は高齢者や体力虚弱者には使いにくい漢方薬です。

そこで大活躍するのが
『麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)』

冬から春にかけてのとても便利な漢方薬です。

おぼえておくと風邪の治療の幅が広がります!

そこで今回は冬に大活躍『麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)』について解説していきます。

玄先生
玄先生
この記事がオススメな人!
  • 冷え性・体が虚弱・高齢者
  • 風邪をひくと寒気がつらい人
  • 花粉症がつらい人

麻黄附子細辛湯ってどんな漢方薬?

どういう漢方?

簡単に言うと

体が弱った人、高齢者(冷え性体質)に対する風邪の漢方薬です。

病院などでよくインフルエンザの時に処方されますが、本来はこの様な使い方をする漢方薬なのです。

出典の傷寒論には

少陰病というかなり病邪が深く入り込んで体が弱っているときに発熱して脈も弱いときは麻黄附子細辛湯を飲みましょう。
※超意訳

っと書いてあります。

玄先生
玄先生
ちなみに葛根湯は太陽病という病邪が浅い時の漢方薬だよ!

構成生薬

生薬名効能
麻黄体を温め寒さの邪気を去る
附子体の温める機能を強化&寒さの邪気を去る。鎮痛作用
細辛麻黄と附子の作用を強める。鎮痛作用

名前の通り麻黄・附子・細辛の三味からなるシンプルな処方になっています。

『麻黄』で外から冷え(表寒)
『附子』で内からの冷え(裏寒)

この両方にアプローチできる漢方薬です。

そのため、『もともと冷え性(陽虚)の人が冷えが原因の風邪を引いてしまった』
っというのが一番効く症状になります。

黄老師
黄老師
附子(ぶし)が入っている漢方薬をみたら『内側から温める』と覚えておくのじゃ!

葛根湯との違い

風邪の漢方薬で有名な『葛根湯』
共に体を温める漢方薬です。

ですが、少し使い方が違うので見ていきましょう。

少し専門的になるので簡単に知りたい人は

麻黄附子細辛湯は

  • 老人・虚弱者にも使える
  • もともと冷えがある人に有効

葛根湯は

  • 老人・虚弱者には注意が必要
  • 体力が充実している人の寒気の強い風邪に有効

ここだけおぼえて飛ばしてもOKです。

葛根湯はもともと体力がある人が風寒の邪におかされた時の漢方薬、虚実で言うと『実』の処方です。
そのため、麻黄と桂枝(桂皮)の組み合わせで強く発汗させて病邪を追い払う処方になっています。

黄老師
黄老師
体力がある人には良いが、虚弱体質には向かない処方になるの。
玄先生
玄先生
汗をかく治療は体からエネルギーが抜けてしまうからもともと体力がある実証の人向きの治療なんだよ。

その一方で麻黄附子細辛湯はもともと冷え性の人がさらに風邪をひいてしまった時の漢方薬。
冷えがあれば体が弱い(虚証)の人でも使える処方になっています。

汗をかかせる作用は葛根湯より弱いので少し長めに服用しても体力を失うことが少ないです。

疲労感が強く出ている時の風邪には葛根湯よりも麻黄附子細辛湯のほうが向いていると言えます。

玄先生
玄先生
ただ、実際の現場では体の強い人へでもインフルエンザの様な強い病邪が入り込んだときはいきなり麻黄附子細辛湯を使うときもあります。
風邪といえばこの漢方薬!コンビニでも買える葛根湯 みなさん、こんにちは! 漢方薬剤師の玄(@gen_kanpo)です。 ...

よく使う症状

【適応症】
体力虚弱で、手足に冷えがあり、ときに悪寒があるものの次の諸症:
感冒、アレルギー性鼻炎、気管支炎、気管支ぜんそく、神経痛

三和生薬株式会社ホームページより引用

玄先生
玄先生
今回は薬局製剤指針に麻黄附子細辛湯がないので三和の麻黄附子細辛湯の効能効果に基づいて解説していきます。

冷えが強い風邪

今までの説明通り冷えの強い風邪にはとてもよく効きます。

原典には虚弱体質の風邪とかいてありますが、実際の現場では体力がある人でも使えます。
とくにインフルエンザなどの寒気が強い風邪にはとても良く効きます。

黄老師
黄老師
逆に体力がない人は葛根湯(麻黄湯)などは使えないので注意じゃよ。

この寒気(悪寒)が大事ですので必ず確認しましょう!。

玄先生
玄先生
逆に悪寒のない人には使いにくい処方だから要注意だよ。

アレルギー性鼻炎

冷え体質のアレルギー性鼻炎には本当の良く効きます。

症状としては

  • 薄い鼻水がダラダラ
  • くしゃみ
  • 鼻づまり
  • 冷え性

この様な症状に有効です。
同じ冷えタイプ花粉症には『小青竜湯』も有効ですが、発散力が強いため虚弱者には麻黄附子細辛湯の方が有効です。

黄老師
黄老師
体を温める細辛は鼻づまりにも効くため花粉症の時期などには大活躍じゃな。

ドロドロの黄色い鼻水が出る人は向いていないので荊芥連翹湯や辛夷清肺湯などを選びましょう。

玄先生
玄先生
この症状でもポイントは冷えがあるか?です。
必ずチェックしましょう。

神経痛

麻黄附子細辛湯は冷えが原因の神経痛など痛みに使用する場合があります。

これは附子と細辛には散寒止痛という作用があり多くの痛みの漢方薬に含まれます。

このため

  • 四肢の痛み
  • 帯状疱疹後神経痛
  • 冷えが原因の頭痛

この様な症状に有効です。

黄老師
黄老師
インフルエンザなどで関節痛が起きる時などは最適じゃぞ!

注意すべき点

麻黄に敏感な人

麻黄には交感神経刺激薬のエフェドリンを含みます。
そのため

  • 高血圧
  • 心臓病
  • 脳卒中を経験

上記のような循環器系に病気のある人は慎重に用いる必要があります。

また、エフェドリンやテオフィリンなど交感神経刺激作用のある薬との併用にも注意しましょう。

玄先生
玄先生
服用して動悸がするようなら一旦中止しましょう。
危険?安全?ドーピングは? 麻黄の効能効果&副作用 葛根湯の発汗作用の要薬『麻黄』 効き目が良く、強い発汗作用で表証の代表生薬です。 ですが、使...

虚弱すぎる【陰虚(ほてる)の人】

何度も書きますが麻黄附子細辛湯は体を強烈に温める漢方薬。
ほてる人や口の中が渇く人などには不向きになります。

虚証の人でも飲める漢方薬ですが、体の潤いが足りない『陰虚』が進んでいる人は注意が必要です。

麻黄、附子、細辛はすべて温性の生薬で体の乾燥させます。

普段から

  • 体がほてる
  • 乾燥傾向(口、目、鼻など)
  • 不眠気味
黄老師
黄老師
この様なタイプは注意じゃよ。

まとめ


虚弱体質の人の風邪に有効な麻黄附子細辛湯。

覚えておくと風邪の治療の幅が広がります。

簡単にまとめると

  • 虚弱体質の人に使える風邪薬
  • 葛根湯、麻黄湯と上手く使い分ける
  • 体をしっかり温める漢方薬
  • アレルギー性鼻炎にも使える
  • 冷えが原因の痛みにも有効
  • 麻黄に敏感な人は注意
  • 陰虚(ほてる)タイプは注意
黄老師
黄老師
おぉ~。
麻黄附子細辛湯を飲んだら体がポカポカしてきて元気になったぞい!
玄先生
玄先生
それは、よかったですね!
黄老師
黄老師
よし!
じゃあ、酒でもっと体を温・・・。
玄先生
玄先生
ダメです!!
病み上がりです!!
今すぐゴートゥーベッド!!
黄老師
黄老師
すいませんでした(涙)

https://gen-kanpo.com/kazekusuri

ABOUT ME
漢方薬剤師 玄
✅資格:国際中医師 | 薬剤師 |健康運動実践指導者 ✅漢方相談歴10年以上✅胃腸を中心とした漢方相談が特徴。✅健康や中医学の情報を『楽しく面白く』発信中。 お気に入りにするとあなたの生活の質がちょっぴり向上するかも!