私は寒いの嫌い!
でも、油断すると風邪引いちゃうから注意も必要だね。
みなさん、こんちには!
漢方薬剤師の玄@gen_kanpoです。
「冷えは万病の元」
こんな事言われますよね?
冷えが気になる「冬」は漢方薬局が賑わう季節でもあります。
冬に養生しとかないと次の四季である春になって不具合が出ることもありますよ。
しっかり養生して寒い冬を乗り切りましょう。
今回はそんな冬の養生法について解説していきます。
- 冬が苦手
- 冬の養生を知りたい
- 体が冷える
冬(寒い時期)の特徴
冬は「閉蔵(へいぞう)」と呼ばれる季節です。
【閉蔵(へいぞう)】
身体から陽気(≒エネルギー+温め)が逃がさないように「戸を閉ざして守る」
また外邪として寒さの邪気「寒邪(かんじゃ)」が活発になる季節です。
悪化しやすい症状
冬は五行説では「水」に属します。
主気は「寒」で対応する臓腑は「腎」と「膀胱」です。
そのため冬には…
- 冷え性
- 生理が遅れる
- 生理痛
- 頻尿
- 夜間尿
- 関節痛(腰痛、膝痛み)
このような症状が悪くなりやすいです。
「腎」の裏は「膀胱」のため頻尿、夜間尿が悪化しやすい時期です。
前述の通り外邪である「寒邪」が強くなるため「冷え」によって悪化する症状は注意が必要です。
恐則気下
過度な感情は「気」悪影響を及ぼします。
冬の感情①「恐」
冬の臓器「腎」は「精」という体の根幹を主る物質を貯える「蔵精作用」があります。
過度な恐怖は腎のエネルギー(気)を下げてしまい「精」が漏れ出してしまう。
具体的な症状としては
失禁・早漏・脱毛・歯が抜ける、流産など
驚則気乱
冬の感情②「驚」
「驚いて気が動転する」というように。
過度な驚きは腎と心が乱します。
腎が乱れると記憶力減退、集中力低下
心が乱れると動悸、不眠、パニック
という症状がおこりやすいです。
- 「驚」は予測できないことが突然発生した時の感情
- 「恐」は予測している物事に対しての感情
冬の邪気「寒邪」の特徴
何度も言ってる通り冬の邪気は「寒邪(かんじゃ)」です。
しっかり対策して寒い冬を乗り切りましょう。
特徴①体を冷す
これには2つの意味があり…
- 全身、局所を冷やす→患部を冷やす
- 陽気も傷つける→温める元を傷つける
ダブルで冷えに関係します。
長期で寒邪におかされると温める力(陽気)が減少し慢性的な冷えにつながります。
冷房が完備されている現代日本では夏場でも「寒邪(≒過冷房)」が現れやすいです。
邪気に対しては「入れない」「すぐに追っ払う」が原則。
衣服や暖房などで対応するようにしましょう。(…それでダメなら漢方薬)
ちなみに‥
水分で暖をとるのは要注意!
温かい飲み物も体内で溜まれば「冷えた水分」になります。
水分の代謝が悪くなり浮腫んで冷える人も多いです。
冬場は特に「冷え⇔浮腫む」この悪循環にならないようにしましょう。
また、寒邪におかされると鼻水、下痢、痰、尿のなどの排泄物を薄く透明になります。
特徴②凝滞性、収斂性
水が氷になるように寒邪には凝滞性(滞らせる)、収斂性(ひきつる、こわばる)の性質があります。
体内に侵入すると気血を滞らせます。
不通則痛(滞る=痛む)の原則により痛みやコリの症状が出やすいです。
筋肉のひきつり、こわばりなど症状も起こりやすくなります。
養生法
中医学の基礎となっている古典「黄帝内経・素問」には冬の養生について
- 夜は早く寝て、朝はおそくおきる
- 日が昇ってからおきる
- 意思を隠す。気持をそっとしておく
- 過労して汗をかき陽気を逃さないように
- 体を冷やさない
意訳するとこんなことが書いてあります。
「太陽のが出たら起き、太陽が沈んだら寝る!」
自然に従って生活をしましょうというメッセージが感じられます。
これらの教えは「古典に書いてあること」ということも意識しなくてはいけません。
生活環境の違う現代では必ずしもイコールとは限りません。
古典の知識を活かし現代に応用していきましょう。
現代人に関しては特に早寝早起きは心がけたいところですね。
特に「早寝」は大事なポイントです。
寒い冬は体温維持で多くの熱を産生するため「基礎代謝が一番上がる季節」と言われています。
「基礎代謝が上がる=何もしなくてもエネルギー使っている=疲れやすい」
この様に解釈することも出来ます。
疲れやすい人は「早寝」を心がけて体を休めてあげるようにしましょう。
汗をかかなないというところに関しては…
「汗をかかない→汗をかいたら拭き取る→冷やさない」
こういうイメージで良いと思います。
現代人は運動不足です。
そして、昔と比べ衣服、住居も進歩しているので気をつければ運動後の冷えを防ぐことが出来ます。
運動後に冷やさない様に注意するなら軽い汗をかく程度の運動はよいと考えています。
ただ、過剰な運動は要注意!
汗で陽気を失い過ぎると「冷え」と「疲労」が悪化する可能性があります。
あくまで「適度な運動」にしておきましょう。
何よりも冷やさない!
わかっていると思いますが「冷やさない」が冬の養生のキーポイントです。
特に大事なのが「下半身を冷さない」
空気と同じで熱は上に寒は下に向かいやすいです。
よく「三首を冷やさない!」と言われます。
その中でも足首は冷やさないようにしましょう。(特に女性は)
足首には婦人科系で大事なツボがたくさんあります。
上半身はモコモコで下半身はスカスカの防寒をしている人をよく見かけます!(特に女性)
タイツや長いソックスを履いて足首&下半身を守ってあげましょう。
また、防寒対策は大事ですが冬は「防風」対策も大事です。
「風は百病の長」
風邪(ふうじゃ)は他の邪を連れてくる厄介な邪。
北風が強いときは風もしっかり防御しないと寒さの邪気が体に侵入しやすくなってしまいます。
寒邪は風邪(ふうじゃ)と共に「風寒」として体に侵入してくる。
このとき「風寒」が侵入してくるツボが「風門(ふうもん)」
カゼのひきはじめにゾクゾクするのがこの辺りです。
風邪(カゼ)初期及び予防の場合は風門にカイロを貼ったりして冷やさないようしましょう。
首元を冷やさないことも大事ですよ。
五行説で冬の味は「鹹(かん)」
鹹(かん)は塩辛いという意味です。
適度な塩辛い味は「腎」に力をつけます。
しかし、過食は「血を傷つける」とされ、「血」がネバつき顔色が悪くなるとも言われています。
「塩分の取り過ぎで血圧が高くなる」
に近いのかも知れません。
黒い食材がオススメ
冬の色は「黒」
黒い食べ物は「腎」に栄養を与えます。
黒キクラゲ、シイタケ、昆布、黒酢、黒豆など積極的に食べていきましょう。
冬の食べ物で特にオススメが【黒ゴマ】
【黒ゴマ】
【帰経】 脾 肺 肝 腎
【性味】 甘 平
- 肝腎のエネルギーを補う
- 脱毛、白髪の治療に
- 腸を潤す
腎のエネルギーを補い体を潤すため冬にもってこいです!
まとめ
冬は春になって行動をおこすまでの準備期間。
じっとしている季節といわれています。
また「寒邪」が強くなるためカゼや冷え、頻尿、夜間尿などは悪化しやすいです。
「燥邪」も混在するので継続で乾燥対策はしましょう。
冬の養生をまとめると
- 早寝遅起きをする(できる範囲で)
- 過剰に運動をしない(運動したら汗を拭く)※適度ならOK
- 黒い食べ物を食べる
- 適量の塩辛い食事を取り入れる
- 体を冷やさない(最重要)
・・・へっくしょい
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