でも…飲み過ぎはよくないわよね!
適量ならいいんだけどね!
みなさん、こんにちは!
漢方薬剤師の玄(@gen_kanpo)です。
暑い時期になると水分補給が大事ですね!
どんなもので水分補給してますか?
青さんのように『アイスコーヒーがぶ飲み』だったり『スポーツドリンクをこまめに飲んでいる』など色々な人がいると思います。
でも…それは大丈夫でしょうか?
そこで、今回は水分補給の適不適や性質についてまとめてみようかと思います。
- 飲んでいるのに喉が渇く
- 水分補給はスポーツドリンク
- アイスコーヒーがぶ飲み
水(真水)※全ての水分にも言える概論
必要な量をとる◎
飲み過ぎ×
色々な説がある「水をたくさん飲んだ方が良い説」
私の経験と中医学的観点からすると「必要な量をとる」
不要に入った水分は体内で「機能しない水(痰飲)」になります。
機能しない水(痰飲)が体内にあると
- 頭痛(吐き気を伴う)
- めまい(同上)
- むくみ
- 食欲不振
- 冷え
様々な不具合を生じます。
舌に歯形がついていたり、胃内がチャポチャポ水が溜まっていたら黄色サイン(ほぼ赤)
特にデスクワークが多く運動もしない、汗をかく機会が少ない人は水(水分)との関係性を見直してみましょう。
大切なのは「水分をたくさん飲んで調子が良いのか?」
自身で体調が良いなら飲んでもOKです。
上記のような不具合がある人は注意する。
また、西洋医学的にも真水を飲み過ぎても失った体液の補給にならない場合があります。
後のスポーツドリンク、経口補水液の記事を参考にしてみてくださいね!
緑茶
- 熱タイプ◎
- 冷えタイプ▲
- 胃腸が弱いタイプ▲
緑茶の代表的な栄養成分としては、カテキン、アミノ酸(テアニン)、カフェイン、ビタミンCなどが知られています。
健康成分で有名なカテキンには
- 抗酸化作用
- コレステロールを下げる
- 体脂肪を下げる
この様な効果があるとされています。
最近では特定保健用食品(トクホ)のお茶などが売られていますね。
薬膳的には
- 体の不要な熱を去る
- 体を潤す
- 頭痛を去る
- 気持ちを落ち着かせる
- 不要な水を去る
そして緑茶は立派な生薬で茶葉(ちゃよう)という名前で「清熱瀉火薬」に分類されます。
名前の通り熱を清めて火を瀉する薬です。
有名なものだと川芎茶調散(センキュウチャチョウサン)という頭痛によく効く漢方薬に含まれます。
冷え体質の人は冷たいお茶をガブガブ飲むと一気に冷えます。
解暑作用といって暑さを対しては良い飲み物です。
夏の水分補給には適していると言えます!
ただ、飲み過ぎると胃腸が冷えて下痢をしてしまうのでメインの水分補給源にするには必要ですね。
ちなみに…
紅茶、ウーロン茶、緑茶は同じ茶。
発酵度合いによって、緑茶、ウーロン茶、紅茶などで名前が変わります。
- 不発酵→緑茶(カテキンが多い)
- 半発酵→ウーロン茶
- 完全発酵→紅茶
カテキンが酸化すると赤くなっていきます。
お茶の種類によってカフェイン濃度や成分が多少変わってきます。
紅茶の場合はペットボトルで売られているものは加糖されているものも多いので注意しましょう。
麦茶
- 熱タイプ〇
- 冷えタイプ▲(ホットなら〇)
- 妊婦さん、子供〇
あまり体質を選ばず飲めるのは「麦茶」です。
ノンカフェインということもあり夜に飲んでも安眠を妨げることはないです。
(飲み過ぎるとカフェインじゃなくほかの問題で不眠になることも)
赤ちゃんやお年寄りにも安心な飲み物としても有名ですね。
麦茶にはカリウムやナトリウムといったミネラルが含まれています。
汗で失ったミネラルも摂取できるため真水を飲むよりも熱中症の予防に効果的です。
麦茶の原料は主に大麦。
大麦は薬膳では涼性で、
- 胃腸を元気にする
- 消化を助ける
- 口の乾きを去る
- 尿をしっかり出す
実際は焙煎してるので上記通りの作用は期待するのは難しいですが胃腸に優しいお茶なのが分かります。
夏は胃腸に負担のかかりやすい季節なので『麦茶』は上手に使っていきたい飲料です。
また性質が涼性なので夏の暑さにも有効。
冷え体質の人は常温や温めて飲むようにしましょうね!
スポーツドリンク
- スポーツ中の人◎
- 汗をかいた〇~▲
- ダイエット×
汗をかいたら飲むイメージのスポーツドリンク。
浸透圧を調整してあるので汗で失われたに水分、電解質(ミネラルなど体液に必要な物質)をすぐに補給することができます。
当然ながら水分補給には適しています。
ただ、「血糖値の急上昇」には注意です。
運動、特に無酸素運動など強度が高い運動に使われるエネルギーは糖分です!
これを短期間で補うことができるのがスポーツドリンク。
※心拍数が低めの有酸素運動は脂肪がエネルギーとして使われます。
某有名スポーツドリンクの500mlの糖分は約25~30g角砂糖だと6~8個くらい。
(WHOの基準によると砂糖の摂取目安は約25g)
スポーツドリンク500ml1本でこれに達してしまいます。
一気に水分、ミネラル、糖分を補給したい人にとっては適している飲料です。
一般の人がこの状態になるのあまり無いと思います。
はほぼスポーツ中の人限定です。
そのため普段から飲むのは注意した方が良いです。
特にダイエットしてる人は過エネルギーになりかねないので注意しましょう。
また砂糖の代わりに人工甘味料が使われているものもありますが、代謝の問題、強烈な甘みによる依存など問題も多いです。
ダイエットのために運動してスポーツドリンクで糖分を過剰に摂取したら本末転倒になってしまうので注意しましょう。
経口補水液
- 汗をかいた〇
- 発熱、嘔吐の後の水分補給〇
糖分を抑え電解質濃度を高め水分、電解質を吸収されやすくたのが経口補水液です。
- 下痢・嘔吐・発熱の脱水
- 高齢者の脱水症
- 脱水を伴う熱中症
既に脱水症状が出ている場合は真水やスポーツドリンクよりも経口補水液を選択するようにしましょう。
失った電解質と水分を素早く吸収してくれます!
糖質が抑えられているのでスポーツドリンクよりも普段使いしやすいのも○
(2024/11/21 18:32:19時点 楽天市場調べ-詳細)
牛乳
- 火照りやすい、潤い不足〇
- 下痢しやすい人×
小学生が給食で飲むイメージが強い牛乳。
カルシウム、タンパク質が豊富で成長期には必要な栄養を摂ることができます。
糖質は100g辺り約4.7g カロリーは約61kcal
乳脂肪も含むのでこまめな水分補給のためには向いていないですね。
あくまで食事の補助として飲むと良いです。
牛乳にはカルシウム、ビタミンB12、トリプトファンの効果で安眠作用があるとも言われています。
なんて言うわね!
『牛乳を飲むと下痢をしてしまう!』という人も少なくないです。
これは『乳糖不耐症』といいます。
乳糖不耐症は、牛乳中に含まれる乳糖(ラクトース)の消化不良が原因です。
特に日本人は乳糖を分解する消化酵素が少ないとされ下痢する人が多いとされています。
牛乳は薬膳では微寒性
- 気と陰を補う
- 体を潤す
- 便通をつける
補う作用が強い反面、取り過ぎると痰飲になってしまうので注意が必要です。
炭酸水
- イライラしやすい〇
- 胃痛・下痢しやすい人×
炭酸のシュワシュワは気の流れを改善すると考えられています。
ストレスがたまると炭酸水が飲みたくなるのはシュワシュワで気の滞り(気滞)を去りたいという体の反応とも考えられていますね。
ただし飲むなら絶対的に無糖なもの!
甘い炭酸飲料には糖分や甘味料がたっぷり入っており飲み過ぎると痰飲(機能しない水)がたまります。
物足りない人はレモン果汁をいれたりハーブを入れたりすると美味しいですし、気を動かす作用がアップします。
また炭酸水には腸を刺激し、蠕動運動を促進する作用があると言われています。
軽い便秘の人は試しても良いかもしれませんが下痢しやすい人は気をつけましょう。
また胃を刺激して動きをよくするとも言われている反面、取り過ぎると刺激が強すぎ胃痛や胃酸の分泌を促しすぎるので注意。
アルコール
- 水分補給×
- 睡眠の質が悪い人×
- 嗜好品として〇
暑い夏に我慢してビール。
サウナを我慢してビール。
こんなフレーズを良く聞きますが、コレ最悪「救急車で運ばれます。」
アルコールは体内で分解するのに水分が必要です。
かつアルコールには利尿効果があり体の水分をさらに奪っていってしまいます。
汗をかいてただでさえ体液を失っているのにアルコール飲むと体液をさらに失い脱水が進みます。
アルコールはあくまで嗜好品として考えておきましょう。
コーヒー(アイスコーヒー)
- やる気を出したい〇
- 運動する前〇~△
- 胃腸の調子が悪い△
- 水分補給としては☓
薬膳ではコーヒーは平~温性。
心を養い鎮静効果があるとされています。
ホッとしたい時、リラックスしたい時にオススメです。
利水作用と解酒作用があるので二日酔いにも良いとされています。
ただ利尿作用は脱水症状には適さないのので慎重に飲むようにしましょう。
同じ意味で水分補給には不向きと言えます。
あくまで嗜好品として楽しむと良いと思います。
コーヒーの栄養と言えばポリフェノールとカフェイン。
コーヒーに含まれるポリフェノールはクロロゲン酸といって抗酸化作用、ダイエット効果があるという研究結果もあるそうです。
カフェインは眠気覚ましとのイメージが強いかもしれません。
その他にも交感神経を刺激するため筋トレや運動の前に摂取する【ファットバーナー】としても有名です。
カフェインは医薬品として薬価収載されおり…
【カフェイン】強心剤
効能効果
ねむけ、倦怠感、血管拡張性及び脳圧亢進性頭痛(片頭痛、高血圧性頭痛、カフェイン禁断性頭痛など)
用法用量
カフェイン水和物として、通常成人1回0.1〜0.3gを1日2〜3回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
≪使用上の注意≫
慎重投与
胃潰瘍又はその既往歴のある患者[胃液分泌を促進するため、悪影響を及ぼすおそれがある。]
心疾患のある患者[徐脈又は頻脈を起こすことがある。]
緑内障の患者[症状が悪化するおそれがある。]
一般的にコーヒー1杯(150mL)のカフェイン量は60~90mg程度と言われていますので飲み過ぎは注意が必要です!
カフェイン、クロロゲン酸には胃腸を荒らすともいわれているので胃腸が弱い人は少しにしておきましょう!
また胃腸の機能は副交感神経でコントロールされいます。
睡眠の質が低下したり、胃腸の動きを考えると夜に飲むのは避けた方が良いかもしれませんね!
糖分にも注意!
缶コーヒーなどに含まれる糖分はかなり多めです!
スポーツドリンクと同じように血糖値が一気に上がってしまいます!
まとめ
『水分補給』と一言で言っても色々なものがあります。
今回の内容を簡単にまとめると…
【水分補給は取りすぎても取らな過ぎてもダメ】
- 緑茶⇒熱タイプに適する
- 麦茶⇒万能タイプ(冷える人はホットで)
- スポーツドリンク⇒糖分にきをつける。スポーツ中の人に!
- 経口補水液⇒夏はお守り代わりあると安心
- 炭酸水⇒イライラしたときに!飲み過ぎは注意!
- 牛乳⇒潤す作用や強い!こまめな水分補給には△
- アルコール⇒水分補給には適さない×
- コーヒー⇒やる気を出したい時に!水分補給には×
同じ様な理由でエナジードリンクも注意だよ!
注意するわ!