もちろん食欲があるってことはいい事なんだけど「過食」は良くない事だよ。
何となくわかっていたけど一応聞いてみたわ。
じゃあ。原因と対策を考えてみよう!
みなさん、こんにちは!
漢方薬剤師の玄(@gen_kanpo)です。
「食欲がある!」
これは素晴らしい事です!
食欲があることはとても良いことですね。
「食欲がない!」と言われると心配になってしまいます。
では…
「過食気味」「食べ過ぎてしまう」これではどうでしょう?
あまり健康そうには聞こえませんね。
中医学は「中庸(ちゅうよう)」バランスがとれているという状態を良しとします。
だから「正常な食欲」なら良いですが「過食になる」は異常。
調整すべき点です。
そこで今回はダイエットの天敵のとなる「過食(食べ過ぎる)」について例や対策を交えて解説していこうかと思います。
- 食欲が止まらない
- ダイエットしている
- 胃の調子が悪い
食欲とは?
食欲はに関係するのは主に脾胃(≒消化器官)。
この脾胃の気が何らかの原因で過剰or不足になると「過食」「食欲不振」になることが多いです。
「ある」⇒正常
「ない」「過剰」⇒異常
漢方相談でよく聞く「朝に食欲がない」これも異常と1つです。
何らかの原因で胃腸に負担がかかっています。
食事時間、脾胃の疲れなど改善できるようにしましょう。
脾胃(≒胃腸)は「後天の本」食事からエネルギーを作る大事場所です!
過食も食欲不振も長く放置すると良くないです。
中医学ではこの食欲を表すときに「胃気」と表現することがあります。
色々な説がありますが一般的には「脾胃の気=消化器官の元気」です。
「胃気あればすなわち生き、胃気なくばすなわち死す」
この様な言葉あるように中医学では胃気をとても大事にします。
過食(食べ過ぎる)
過食とは臓器が必要とする以上のエネルギー量よりも多く食べてしまうことです。
では、どんな時に過食(食べ過ぎ)が起きてしまうのでしょうか?
実際よく起こるパターンを見ていきたいと思います。
胃実熱(胃の火事)
何らかの原因で胃に熱がこもっている状態です。
よく使う表現では「胃の火事」
入ってきた食べ物をどんどん燃やしてしまう⇒胃の機能が異常に更新してしまった状態です。
原因としてはあげられるのは「ストレス」「(辛い食べ物の)食べ過ぎ」などが多いと思います。
ストレス
「ストレスで食べ過ぎちゃう!」って人多いですよね?
ストレスがかかると五臓の「肝」が敏感になり、過剰になれば暴走します。
肝は消化器官の働きを助ける役目もあるので暴走すると…
- 胃腸が強いタイプは食欲亢進
- 胃腸が弱いタイプは食欲不振
この様になることが多いです。
生理前に過食になってしまう人もこのタイプが多いです。
もしかしたら「肝」の働きが過剰になっている可能性があるかも?
(辛い物の)食べ過ぎ
「食べ過ぎる事で食べ過ぎてしまう」という悪いサイクルがこれ。
筋トレで筋肉がつくように食べ過ぎると胃の機能が亢進して「食べれるように」なってしまう人もいます。
食べ物でも注意したいのが「辛い物」
「辛い物で食欲増進!」よく言いますよね?
でも過剰になったら辛い物は熱の邪。
外から熱の邪を取り入れてしまうことになり、胃の機能が異常に亢進⇒食欲過多になる原因になってしまいます。
また、辛い物だけを避ければ良いわけではありません。
- 脂っこい物
- 味の濃い物
- 甘い物
これらも習慣的に食べる量が多いと、体に不要なベタベタ(痰湿)が生まれてしまいます。
この不要なベタベタは体に残りやすく熱を生みやすいので注意しましょう。
特に湿気が強い時期は外からの湿気もあるのでさらに要注意です。
胃陰虚(胃の火事が慢性化)
胃の火が慢性化して陰(冷やす・潤す)が失われた状態です。
この状態になると…
- 口の乾き
- 食べるけど痩せる
- 便秘
いつも過食の食習慣をすることで、胃が潤いが失われ熱を持ちやすくなります。
対策
現代においては食べ過ぎ・過食が原因の「肥満」は社会問題のテーマとしてもあげられます。
気になる人は早めの対策を取るべきです。
このパートでは中医学的な観点と日常生活の観点から私が実際に漢方相談で伝えている対策を解説します。
対策①早く寝る(生活リズムを調える)
寝不足は過食の原因になりやすいです。
睡眠が足りないと陰血が不足。
生い茂った木は燃えにくいですが、乾燥した木材は非常に燃えやすいです。
陰血(潤い)が足りないと火の暴走を抑えることができなくなるの体に火が付きやすくなってしまいます。
この火が胃腸に入れば過食になりやすいです。
最近の研究でも睡眠不足になると、
- 食欲を抑えるホルモン(レプチン)が低下
- 食欲を高めるホルモン(グレリン)が増加
このため食欲が増大することがわかっています。
ただ、「寝すぎる」「昼まで寝ちゃう」というのも考えもの。
生活リズムの乱れは陰陽のバランスが乱れる原因です。
理想は23時までに寝て6~7時くらいに起きる。
生活リズムを整える事を考えましょうね。
また、寝る時間が遅いと「食べる機会が増える」という点も注意しましょう。
対策②ストレスを溜めない、発散する
こちらは気を滞らせたいための対策。
気が滞ると「肝」が暴走しやすくなり過食の原因になりやすいです。
特に気の巡りを良くするには運動がオススメです。
運動といってもランニングしたり高強度の筋トレをする必要はなく。
ゆったり公園を散歩でOKです。
理想は音楽を聴かずに自然の音、川のせせらぎや鳥のさえずりなんかを聞けると更にOKです。
好きな音楽でも良いですが交感神経を刺激しないようなリラックスできる曲の方がオススメです。
運動が苦手な人はハーブティーを飲んだり、好きな音楽を聴いてもよいですね。
対策③空腹時にコンビニやスーパーに行かない(物理的に遠ざける)
これは実践向けの対策。
ダイエット相談でもよく話す内容です。
人間の意志とは非常に弱いものです。(私も自覚アリ)
お腹が空いた状態で…
- 味の濃い高カロリーなお弁当
- すぐに食べれるホットスナック
- 血糖値を爆上げしてくれそうなお菓子
我慢できますか?
特に仕事帰りで「疲労+空腹」の状態で我慢できますか?
大体の人は「本能>理性」こうなります。
動線を変えることも大事です。
- 食料品は余裕のある休日にまとめ買い(なるべく簡単に食べれる物は買わない)
- 駅からの帰り道を変更(コンビニ・スーパーがない道)
この様な工夫はとても大事なります。
これは家の中でも同じ。
見える場所に置いておかないというのもテクニックです。
対策④ゆっくり食べる
これも実践的なテクニックなのですが…
食べ過ぎてしまう人は「満腹感には時間差がある」ということを覚えておきましょう。
早食いの人が太りやすいのもこれが原因の一つ。
特にストレス発散方法が「食べる」事になる人は要注意。
ストレス開放⇒一気に食べる⇒キャパ以上に食べる
対策⑤薬膳の力を借りる
胃熱に対しては薬膳の知識を借りて「体の熱を去る食材」というのを食事に取り入れてもいいかもしれません。
代表的なのはトマトやナスなどの夏野菜。
上手に取り入れれは強力な武器になるかもしれません。
しっかりやりたい人は専門家に相談したり本で勉強してもいいかもしれませんね。
対策⑥漢方薬を検討する
体質に合った漢方薬を飲むことで「異常な食欲」を抑えることが出来ることがあります。
上記で説明した通り原因は人それぞれなので専門家に相談するのをオススメします。
まとめ
今回は過食の代表的な原因と対策につていまとめてみました。
ダイエットを考えていたり、過食が止まらない人などは参考にしてみてください。
今回の内容を簡単にまとめると
過食原因は胃熱かも?
【胃熱の原因】
ストレス
(辛い物)食べ過ぎ
【対策】
- 早く寝る
- ストレスをためない
- 物理的に遠ざける
- ゆっくり食べる
- 薬膳の力をかりる
- 漢方薬を検討する
睡眠はどんな養生でも「基本のき」だから乱れれてる人は、まず睡眠かもね。