血液なの?
同じ部分もあるんだけどイコールではないんだよ!
また噛み砕いて解説よろしくです~☆
みなさん、こんにちは!
漢方薬剤師の玄(@gen_kanpo)です。
『血(けつ)』は漢方の話をしていると出てくる単語ですね。
気とは違いなんとなくイメージがわきやすいのではないでしょうか?
ただ、西洋医学の『血液』とはちょっと違います。
そこで今回は【中医学基礎】血ってなんだろう?というテーマで解説していきます。
- 中医学を勉強している
- 女性(影響を受けることが多い)
- 不安感が強い
血(けつ)とは?
『ち』ではなく『けつ』と呼びます。
血とは栄養物質で脈内を流れる赤い液体。
脈内を通じて全身の器官に栄養を与えるものです。
当然、同じ部分もあるんだよ!
中医学で『血』は陰陽の『陰』に属し
- 栄養・潤す
- 神を養う(精神活動の栄養気源)
この様な性質をもちます。
動と静なら『静』。
血は単独で動くことはできないので気の作用をかりて全身を巡って作用しています。
だから気が滞ると血も滞ってしまうんだよ!
これを気滞血瘀(きたいけつお)というよ。
栄養・潤す
血は各器官・臓器を栄養し潤す作用があります。
そのため血が足りなくなると
- 目の乾燥
- 皮膚の乾燥
- 筋力低下
この様な原因になります。
神を養う(精神活動の栄養源)
血は精神活動の基本物質です。
そのため血が足りなくなると不安感や不眠の症状が出やすくなります。
血はどうやって作られるの?
血は主に水穀の精微(すいこくのせいび)という飲食物から得られた栄養からつくられます。
この水穀の精微から栄養豊富な気『営気』が作られ、津液と結びつき脈内に入り血になります。
気を作るのも脾胃(胃腸)。
だから脾胃は『気血生化の源』と言われています。
また血は精(気)という腎に蓄えられたエネルギーとの間でも養いあいます。
精(気)は人体の構成と生命活動を維持するためのエネルギーです。
腎に蓄えられるため腎精とも言われます。
腎に精気が充足にあれば血を補えるし、肝に血がたくさんあれば精に変わることができます。
これを精血同源とも言われます。
血の病理反応
血虚(けっきょ)
字の通り血が足りない状態です。
血が足りなくなり栄養、潤す、精神活動が低下するので
- 栄養⇒疲れやすい、顔色が悪い、貧血症状、生理が遅れる、経血が少ない
- 潤す作用⇒皮膚の乾燥、髪のパサつき、便秘
- 精神活動⇒不眠、不安感、夢が多い
この様な症状が出ます。
原因は飲食物の不摂生や睡眠不足が多いです。
睡眠>食事で気を付けよう!
血を生み出す食事や漢方薬もあります。
上記の様な症状がある人は頼っても良いです。
ただし血を生む食事や漢方薬は胃腸に重いことがあります!
瘀血(おけつ)
瘀血(おけつ)とは血行不良によってできる病理産物です。
様々な原因で瘀血はできてしまいます。
- ストレス
- 疲れ
- 運動不足
- 冷え
- 外傷
症状としては顔色や見た目が黒っぽい、青っぽい、皮膚がざらざら、傷跡が治りにくい、シミなどです。
そして瘀血で起こる症状の代表は『痛み』です。
- 夜間に悪くなる
- 触ると不快
- 刺すような痛み
- 固定痛
これらは瘀血による痛みの特徴です。
生理痛がひどくて経血に血の塊が出てくるのが人はほぼ間違いなく瘀血が絡んでいます。
片頭痛なども瘀血が原因の場合があります。
血寒
血に寒邪が侵入しておこる症状です。
血寒は『血の停滞』『強い冷え症状』を同時に起こすので固定痛や激しいし痛みを伴うことがあります。
瘀血ができる原因の1つです。
出血
血が脈から漏れ出てしまった状態です。
『脾(胃腸)の統血作用の低下』『気の固摂作用の低下』『血に熱をもつ血熱(けつねつ)』主な原因です。
そういう人は帰脾湯がオススメだよ!
血熱
血に熱邪が侵入しておこる症状です。
出血の原因の1つ。
その他にも
- 発疹や痒みの強い皮膚炎
- 赤々としたニキビ
- 生理が早く来る
こんな症状の原因になります。
もちろん強い熱症状を伴います。
血熱は一般的に熱の邪がかなり奥に入り込んでしまっている状態なので治療に時間がかかります。
またしっかりとした清熱剤が必要になってきます。
ただ、この状態は非常に難しいので専門家に相談した方が良いよ。
まとめ
生命を維持する基本物質である『血』は色々な作用をしています。
そして血の不具合は体にも悪い影響をもたらします。
今回の血についての解説を簡単にまとめると
【血の作用】
- 栄養する
- 潤す
- 神を養う
【血の生成】
- 胃腸で作られる
- 精から転化される
【血の病理反応】
- 足りなくなると栄養・潤いが低下、精神不安に
- 滞ると瘀血ができる
よくわかったわ!!
いっぱい勉強したから今日はお菓子食べながら徹夜で遊ぶぞ~☆