皆さんこんにちは!
漢方薬剤師の玄(@gen_kanpo)です!
漢方の話でよく登場する『気』
きちんと理解しているでしょうか??
なんとなく理解していてる人は多いと思います。
ただどうやってできるのか?どんな働きをしているのか?
まで理解している人は少ないと思います。
そこで今回は【中医学の基礎】『気』とはなんだろう??っというテーマで解説していきます。
気とは??
簡単に言うとエネルギーです。
人間の体は『気・血・津液(水)』でできていると考えらえれています。
その中でも『気』は『陽』に属し
- 動かす(推動)
- 温める(温煦)
- 防御する(防御)
- 漏れるのを防ぐ(固摂)
- 変化させる(気化)
- 栄養する(栄養)
という性質を持ちます。
動と静なら『動』を担当しています。
これらの作用は独自に働いている訳ではなくお互いを助け合いながら作用しています。
推動(すいどう)作用
『動かす』作用です。
推動作用は『血』『津液』を全身に巡らす作用です。
この作用が低下すると
- むくみ
- 血行不良
- 消化不良
- 便秘
等の症状がおこります。
体のいたるところで『動かない』という不具合が生じます。
またこの『推動作用』は成長にも深く関わっており、子供の成長には支える作用となっています。
子供に『気』が少なくなるような生活、食事には気をつけよう!
温煦(おんく)作用
身体を『温める』作用です。
臓腑や経絡は気によって温められ正常に生理活動をおこなうことができるのです。
また血液や津液(水)の運行を守る作用もあります。
防御(ぼうぎょ)作用
外邪(がいじゃ)から体を守る作用です。
体表面を保護することで外からの邪気の侵入を防ぐ作用です。
外邪とは
- 風邪(ふうじゃ)
- 寒邪(かんじゃ)
- 暑邪(しょじゃ)
- 湿邪(しつじゃ)
- 燥邪(そうじゃ)
- 火邪(かじゃ)
各種の季節に対応しています。(例:冬→寒邪)
そのため『気』が低下すると病気にかかりやすくなります。
固摂(こせつ)作用
体にとって大切な物質が漏れるのを防ぐ作用です。
体にとって大切なものとは
- 汗
- 血
- 尿
- 便
- 内蔵
この様な物を指します。
この中で特に注目すべきは『内臓』
具体的には
- 胃下垂
- 脱腸
- 脱肛
これらは『固摂作用』の低下とされています。
『固摂作用』には漏れを防ぐ意味と『支える』という意味があります!
気化(きか)作用
気・血・津液・精お互いにを変化させる作用です。
気化の「化」という文字は変化を意味します。
中医学では他にも化痰や化湿(痰や湿を排出しやすいようにする)、化熱(病が長引き熱に化ける)という様に使います。
気化作用は具体的に、
このような作用をおこなっています。
栄養(えいよう)作用
名前の通り体を栄養のする作用です!
後述する気の1つ『栄気(えいき)』はたくさん栄養を含んだ気です!
この『栄気(えいき)』が同じく栄養作用のある『血』と共に全身を巡り、栄養を届けます!
・疲れる
・やせる
っとなるんだ!
気はどうやってつくられるの?
『気』の生成には3つのルートがあります。
- 父母から受け継ぐ
- 飲食物から
- 新鮮な空気から
①父母から受け継ぐ
これを「先天の気」と呼びます。
人間は出産の際、両親から精(せい)という物質を受け継ぎます。
精は人体を構成する基本物質の最小単位で普段は腎(じん)に蓄えられています。
この精から作られた気が『先天の気』と呼ばれています。
腎(精)虚であるとされるんだよ!!
②飲食物から
飲食物を消化吸収しても気は作られます。
この時重要なのが五臓の脾(胃腸)です。
そのため胃腸が丈夫でないと気を作ることはできません。
そして作られた気を『水穀(すいこく)の気』と呼びます。
推動(すいどう)作用の成長の観点からもこの『水穀の気』はとても大事です。
③新鮮な空気から
新鮮な空気を呼吸によって取り込むことからも気を作ることはできます。
作るのはもちろん五臓の肺。
この気を『清気(せいき)』または『天空の気』と呼びます。
『気』ってどんな種類があるの?
『気』には存在する場所や作用によって個別に名前がつけれられています。
- 元気(げんき)
- 宗気(そうき)
- 営気(えいき)
- 衛気(えき)
これについて解説していきます。
元気(げんき)
皆さんがいつも使ってる通りの意味です!
- 元気だね
- 元気が無いね
- 元気玉
ただ中医学では『元気』にはより細かい提議もあります!
中医学で『元気』は『真気』とも呼ばれ
生命のもっとも基本的なエネルギーとされています。
生きていく上で常に消耗され補充して行かなければなりません!
体に最初から蓄えられているのが『先天の気』
補充するのが『後天の気』です!
宗気(そうき)
呼吸で取り入れた新鮮な空気と食べ物から作られるきです。
胸の中に存在すると言われていて
主に呼吸や血を全身に巡らす働きの気です。
発声なども宗気がおこなうと言われています!
営気(えいき)
栄養の気です。
営気は体を栄養する作用があります。
血にも同じような作用があるため
営気+血であわせて営血(えいけつ)とも呼ばれています。
衛気(えき)
防御の気です!
- 外邪の侵入を防ぐ
- 汗を調節して体温を維持する
気の作用の『防御作用』『温煦作用』『固摂作用』にも深く関わっています!
・風邪
・花粉症
・多汗症 など
になりやすいと考えられているよ。
まとめ
今回は中医学の基礎『気』についてまとめてきました!
なるべく専門用語を使わないようにしましたが少し難しかったかも知れません。
『種類』よりも『気の働き』からおぼえるとわかりやすいと思います!
簡単にまとめると
気はエネルギー
【気の生成】
- 父母から受け継ぐ
- 飲食物より
- 新鮮な空気より
【気の作用】
- 動かす(推動)
- 温める(温煦)
- 防御する(防御)
- 漏れるのを防ぐ(固摂)
- 変化させる(気化)
- 栄養する(栄養)
【気の種類】
- 元気
- 宗気
- 栄気
- 衛気
成長、生命活動の根幹だよ!!
だから質の良い食事で常に補っていかないといけないんだよ!!
お菓子ばっかり食べてちゃ『気』は補えないよ!
・・・気をつけます~☆