「かけ算」も大事なんじゃないかと思ってきたぞ!
みなさん、こんにちは!
漢方薬剤師の玄(@gen_kanpo)です。
養生では「足し算と引き算」があるとブログに書きました。
ですが‥
「かけ算も大事なんじゃないか?」と思ってきました!
え?かけ算?
と思う人も多いが多いと思います。
これが意外と成り立つんですよね。
そこで今回は私が考える「養生のかけ算」という内容でお話していきます。
- 養生をしているのに体調良くない
- 食事は気にしてる
- 睡眠は気にしている
- 運動はしている
養生のかけ算
養生は足し算と引き算の面があると思っています。
私はその中で現代人は「引き算」の養生が重要だと感じています。
詳しくはこちら
ただメインの養生に関しては「かけ算(相乗効果)」が成り立つと思っています。
かけ算する3つの養生
私がTwitterや漢方相談でいつも伝えているメインの養生は、
「胃腸を大事に」「早く寝ろ」「軽く動け」
この3つです。
この3つは1つだけが特化していてもダメ。
1つでも弱いものがあると他にも悪影響が及ぼしてしまいます。
睡眠、胃腸、運動を強化していくことが「養生のかけ算」を伸ばしていく重要なポイントになっていきます。
睡眠
睡眠は養生の基本の「き」です。
「睡眠に勝る漢方薬はない!」←持論
どんなに良い漢方薬も睡眠不足だと効果は半減します。
特に現代人は睡眠が足りていないように感じます。
「睡眠負債」という言葉も流行りましたよね?
体調不良の人は何よりも睡眠の質を向上させることが優先です。
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具体的なポイントとしては
- 寝つきが良い
- 中途覚醒がない
- 時間が確保できている
- 23時に寝ている
- 朝スッキリ起きれる
上記のような状態だとポイントが高いです。
トータルの睡眠時間を気ににする人が多いですが「何時に寝るか?」も大事です。
東洋医学では23時(子の刻)から解毒、新陳代謝が上がる時間とされます。
「10分でも早く寝る」
みなさん忙しいとは思いますが心がけてみましょう。
回復には睡眠が一番ですよ!
食事(胃腸の調子)
睡眠の次に大事なのが食事です。(私の考えでは)
現代人にとって食事は栄養補給と娯楽(趣味)の両面があります。
娯楽の要素があるため「暴飲暴食」や「食欲がないのに食べてしまう」という現象が起きやすいです。
過食は脾胃(≒胃腸)に負担が大きくなります。
飲食物からエネルギーを作るのは脾胃(≒胃腸)
東洋医学では、
- 親から受け継いだエネルギー:先天の精
- 飲食物から作ったエネルギー:後天の精
このように分類します。
先天的なエネルギーが少なくても食養生をしっかりおこなえば補えるともされます。
体調に合わせて何を食べるか?
脾胃が良い状態か?
これらは養生の基本になってきます。
具体的なポイントとしては
- 食欲があって食べている
- 暴飲暴食してない
- 体重が適正値
- 胃もたれがない
- 下痢便秘がない
上記が脾胃(≒胃腸)の良い状態です。
食べるものも大事ですが脾胃の状態が正常なのかを注視すると良いです。
運動
現代人にとって運動は「したほうが良い」ではなく「すべき」養生だと思っています。
特に最近ではデスクワークや在宅の仕事が増え出勤すらしなくなった人も多いと思います。
ハードなトレーニングは必要ないですが軽い筋トレや有酸素運動は体力を維持する上でも大事になってきます。
「体が重だるい」という相談でも実はエネルギー不足ではなく、運動不足などが原因の場合が多いです。
具体的なポイントとしては
- 一日8000歩以上を歩いている
- 週2回は運動をしている
- 筋トレしている
上記をすべてしなくてもOK!
歩くことが基本になると思います。
まずは8000歩を目指してみると良いと思います。
かけ算(相乗効果)の例
睡眠と食事(胃腸の調子)
睡眠が不足し陰陽のバランスが乱れる(陽に傾く)と過食になったり胃腸の不具合が起きやすくなります。
睡眠不足になると食欲を抑えるホルモン「レプチン」の分泌量が低下し、食欲を高めるホルモン「グレリン」の分泌が亢進するとも言われています。
食生活が乱れると消化吸収に時間がかかり睡眠の質が低下します。
特に寝る前に食事をする人は消化にエネルギーを使ってしまうので睡眠の質が低下します。
東洋医学的にも「心脾両虚(しんぴりょうきょ)」「痰熱(たんねつ)」という状態が不眠につながります。
心脾両虚は脾胃(≒胃腸)が弱いため、気血が十分に満たされず心血の不足しがちになり不眠の症状がでてきます。
痰熱は暴飲暴食や過度な飲酒で体に「ネバネバ(痰)+熱」ができた状態です。
痰熱がたまると興奮状態になり精神の中枢「心」の神明を主る機能を乱され不眠や睡眠の質が低下します。
痰熱の原因にもなるのでホドホドにね。
運動と睡眠
日中の適度な運動は自律神経の調子を整え睡眠の質が向上できます。
※寝る前の過度な運動は睡眠の質が低下させます。
陰陽で考えても陽(活動)がしっかりしていると陰(休息)もしっかりしていきます。
【陰陽互根】
陰と陽はどちらか単独で存在することはできない。
互い二依存しあっている
- 陰の根は陽
- 陽の根は陰
現代人は運動不足の人が多いですよ。
睡眠の質が悪い人は軽い運動をしてみると良いかもしれません。
睡眠不足だと運動する活力が生まれませんよね?
睡眠不足だとの血(けつ)の生成が減ります。
筋肉を動かすには十分な血の量が大事になります。
特にハードにトレーニングする人ほど睡眠で血を補うの大事です。
運動と食事(胃腸の調子)
胃腸の調子が悪いと運動のパフォーマンスは下がります。
エネルギー(気血)を作るのは脾胃(≒胃腸)
気血が虚すると疲れやすくなり元気も出ません。
気血が足りない状況で運動すると体はさらに虚してしまいます。
運動をしたいけど動けない人は脾胃の調子を上げるような漢方薬を飲んでも良いです。
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネット 快眠と生活習慣より
また、運動でエネルギーを消費すれば食事での栄養補給は必須になります。
運動した後に栄養を取らないと筋肉は痩せ細っていきます。
運動と栄養補給はワンセットです。(休息も)
逆に言えばある程度は「食べても良い」状態になります。
※暴飲暴食はダメですよ。
食べるのが趣味の人は運動習慣もつけておくと「補給と消費」のバランスが取れますよ。
プロテインを飲んだだけじゃ筋肉は増えません。
かけ算を考える上で大事な点
「養生のかけ算」を考える上で大事な点は、
- 弱い点を強化(原点を減らす)
- 少しずつ上げる
この点が挙げられると思います。
少しずつ数値を上げる
睡眠、食事、運動の質を一気に上げることは難しいです。
その時は全体を少しずつ上げていく。
3つの数値を少しずつ上げていくと合計数値は倍増していきます。
例えばかけ算は
1×1×1=1
1→1.2にすると
1.2×1.2×1.2=1.728
1つずつ数値を少し上げるとかけ算の合計値が2倍近く上がります。
養生でも同じように成り立つと思います。
10分早く寝る×もうちょっと食べたいを我慢×通勤時1駅歩く=すごい効果!
これを継続できれば今より健康になれると思いませんか?
「小さいことをコツコツと!」
少しずつ強化していきましょうね。
弱い所を強化した方が労力は少ない
「養生のかけ算」は1つの質が倍になっても弱いところがあると結果値は少ないです。
強い部分を強化するより弱い部分を強化した方が労力は少なくなります。
例えば
1×2×0.5=1
1×1×1=1
0.5を1にするのは0.5必要。
1を2にするには1必要です。
優先すべきは自分の弱いところを正常に持っていく。
- 仕事や趣味などは強いところを伸ばす!
- 養生は弱いところを伸ばす!
この戦術でいきましょう!
ベクトルが違うから間違えなようにね!
ゼロやマイナスを作らない
算数のかけ算は、
- 1つでも0があると答えが0になってしまう
- マイナスがあると答えがマイナスになる
養生のかけ算でも似たような事が考えられます。
いくら食養生を頑張っても圧倒的に睡眠が足りなければ体は疲弊していきます。
マイナス、ゼロがある場合はプラスに持っていくことが先決です!
例外(普通のかけ算と違う点)
養生のかけ算ではマイナスとマイナスをかけてプラスになることはありません!
逆にマイナスにマイナスをかけると「大マイナス(造語)」さらにマイナスがかかると「超マイナス(造語)」になるので注意しましょう。
まとめ
養生のかけ算について解説してきました。
どうですか?
結構当てはまる点が多いと思いませんか?
今回の内容(玄先生流:養生のかけ算)をまとめると
主要な養生(睡眠、胃腸、運動)は互いに相乗効果が期待できる!
- 弱いところを改善する方がコスパが良い
- 1つずつは少しずつでも効果は倍増
- 1つでも0(ゼロ)やマイナスがあると効果は激減
【注意すべき点】
- マイナス×マイナス=大マイナス
養生は1箇所が尖っているよりも全体を少しずつ上げたほうが良いんだよね!
昨日は寝ないでオールでお酒飲んじゃったよ〜♪