胃腸が強くないのに。
みなさん、こんにちは!
漢方薬剤師の玄@gen_kanpoです。
二日酔いって辛いですよね(切実)
あの苦しみはなった人じゃないと解らないと思います。
今回はあの辛い苦しみを和らげる東洋医学的対処法、予防法を解説していきます。
- 二日酔いになりやすい
- 現在二日酔い
- 周りに二日酔いの人がいる
二日酔いとは?
もちろん原因はお酒の飲みすぎ!
ただ、詳しいメカニズムは解明されていません。
有力なのはアセトアルデヒド説
アルコールは肝臓で次の順に分解され、代謝されます。
- アルコール(エタノール)
- アセトアルデヒド
- 酢酸
二日酔い、悪酔いの原因とされるのがこのアセトアルデヒド
アセトアルデヒドは毒性が高く。
- 吐き気
- めまい
- 頭痛
- 動悸
- その他胃腸障害
の原因となります。
日本人は欧米人に比べ、アセトアルデヒド→酢酸にする能力が低いといわれています。
そのため悪酔い、二日酔いが多いともいわれています。
体格差、性別、年齢など個人差が大きく左右する。
日本人でもお酒に強い人はいます。
東洋医学ではどうとらえるか?
では東洋医学では二日酔いはどうとらえるのでしょうか?
二日酔いは「不内外因」といって「内因」「外因」でもない病因に分類されます。
【内因】
感情(内側)による病因
喜・怒・思・憂・悲(哀)・恐・驚
の七つの感情の変化によって起こる病因
【外因】
季節に対応した外からの邪気。
風・暑・寒・燥・湿・火
の六つの外邪の侵入による病因
【不内外因】
飲食の不摂生(食べ過ぎ、過度なダイエットなど)
性生活の乱れ、疲労、外傷など
【外因】【内因】以外の病因
対処法はお酒の種類、症状によって変わってきますが、「水湿と熱」が大いに関与します。
湿タイプ
ビールやサワーなどアルコール度数の低いお酒を大量に飲んだときに起こりやすいタイプ
症状としては
- 吐き気
- 頭痛
- 下痢
- 浮腫
- 胃内停水(胃の中がちゃぽちゃぽ)
このタイプは利尿作用のある漢方薬て水(湿)を抜いてやる事が大事!
代表的な漢方薬は
胃苓湯
平胃散(健胃薬)+五苓散(利水作用)
胃腸の働きを助け、水(湿)も抜きます。
飲み過ぎだけでなく、食べ過ぎでも対応できる便利な処方。
健胃作用があるので五苓散よりもオススメ。
手に入らない場合は【五苓散】でも可。
熱タイプ
ウイスキー、ジン、ウォッカなどのアルコール度数が高いお酒を飲んだ時に起こりやすいタイプ
症状としては
- 胸焼け
- 胃痛
- 頭痛
- 吐き気
- 便秘(個人差あり)
- 口渇
- 火照り
このタイプは体で燃え盛る「火」を消してやることが先決!
代表的な漢方薬は
黄連解毒湯
清熱解毒薬の代表的存在。
シンプルな処方故に応用範囲がとても広い漢方薬です!
とても苦い漢方薬です。苦手な人は丸剤がオススメ。
湿熱タイプ
上記2つの混ざったタイプ。
おそらくこのタイプが1番多いと思ってます。
症状としては上記の2つのに
- 便がベタベタする
- 舌に黄色く汚い苔がびっしり
などが追加されます。
代表的な漢方薬は
茵蔯五苓散(いんちんごれいさん)
五苓散(利尿作用)+茵蔯蒿(利胆作用)
胃腸の湿熱にとてもよく効きます。
肝臓への利胆作用があるため肝機能障害や黄疸に応用されることがあります。
寒タイプ
このタイプは「二日酔い」というよりも、「冷たい水分で胃腸を壊した」タイプ。
寒い時期に冷たいビールをがぶ飲みすると起こります。
症状としては、
- 下痢
- 胃痛
- 吐き気
どれも温めると緩和するという特徴があります。
代表的は漢方薬は
安中散
胃腸を温め、痛みを取る生薬を含む漢方薬です。
生食、冷たい飲食物が多かったときはオススメです。
ただ、温める漢方薬なので胃がムカムカ、舌の苔が黄色くべったりみたいなときは逆効果です。
まとめ
そもそも2日酔いはお酒の飲み過ぎで引き起こされる症状!
自分の適正量を守るのが大前提。
それでも飲み過ぎてしまったら
- 湿タイプ(ビールがぶ飲み)
→胃苓湯 - 熱タイプ(テキーラ〜!)
→黄連解毒湯 - 湿熱タイプ(チャンポン〜♪)
→茵蔯五苓散(いんちんごれいさん) - 寒タイプ(冷えたー)
→安中散
酒は飲まん…うっぷ…
みんなは適正量を守ろうね☆