漢方飲んでるけど効かないの!
多分青さんにはこの漢方効かないよ!
だって効能効果に生理痛って書いてあるわよ!
青さんはイライラして生理中とか話しかけれないから・・・
生理痛に効く漢方薬はたくさんあります。
ですがきちんとあったものを服用しないと効果がありません。
そこで今回のテーマは「生理痛」。
悩んでいる人は自分がどのタイプかよく学んでくださいね。
生理痛について
生理痛は中医学では痛みのある月経という意味で「痛経」と呼びます。
東洋医学で痛みの大原則に
【不通則通(ふつうそうくつう)】
不通(滞り)があると痛みがおこる
【不栄則通(ふえいそくつう)】
不栄(栄養不足)だと痛みがおこる
生理痛もこの大原則に従います!
そして大前提として生理痛は無いのが当たり前です。
痛みがあるということは何らかの不具合があるという証拠です。
生理痛にも実証、虚証があり見極めが肝心です。
生理痛は大きい病気の前触れの可能性もあります。
次の様な生理痛は一度病院に行くことをオススメします。
- 急に痛みが強くなった
- 生理以外でも痛みがある
- 鎮痛剤が効かない
それではタイプ別に治療法、養生法を診ていきましょう。
気滞血瘀(生理前に激痛タイプ)
生理痛では一番多いタイプ。
実証の生理痛。
ストレスや怒りで生理を調節する臓器「肝」の気が滞ることが原因でおこる生理痛です。
【特徴】
- 生理前のイライラ
- 生理前胸が張る
- 生理前・生理1~2日に激痛
- 刺すような痛み
- ピークを越えると全く痛くない
- 経血が暗色、血の塊が出てくる
- 腹部を触ると嫌な感じがする
代表処方
血府逐瘀丸(けっぷちくおがん)
本来は高血圧や頭痛、肩こりの処方ですが。
生理痛に応用できます。
ベースは「桃紅四物湯」という血流改善の代表処方。
そこに気の流れを改善する「四逆散」という処方が合わさったような処方。
気・血の滞り(気滞血瘀)を改善してくれます。
特にイライラが強く、胸が張る、生理痛が激痛の人にはオススメ。
生理前の頭痛にも良く効きます。
折衝飲(せっしょういん)
気の滞りがなく(イライラ、胸の張り)がないタイプにはバツグンの効果がある漢方薬。
ポイントは血流改善+鎮痛作用の「延胡索」を含む点。
血流が悪い(血瘀タイプ)人の代表処方「桂枝茯苓丸」に似ている構成ですが「折衝飲」の方が鎮痛作用が強いです。
覚えといて損は無いよ!
【養生法】
- 体を冷やさない
- たまに体を動かす(同じ姿勢でいない)
- ストレスをためない
- 夜更かししない
- 芳香性のある食べ物をを食べる
このタイプは心がけようね!
寒凝(冷えが原因の痛み)
冬の時期多くなる生理痛のタイプです。実証の生理痛。
原因となるのは「寒邪」や「湿邪」
寒い日や冷たい雨に当たると悪化します。
また最近ではどこに行っても氷水が出てくるなど、冷たい飲食物も原因になることが多いです。
【特徴】
- 下腹部が冷えて痛む
- 経血が少ない
- 経血の色が暗色
- 生理周期が伸びる
- 手足が冷える
代表処方
当帰四逆加呉茱萸生姜湯
処方名の「四逆」とは「四肢」の「逆冷」
四肢の末端から冷える事です。
散寒薬の「呉茱萸」が特徴的。
「呉茱萸」は生理を調節している臓器「肝」の冷えを取り除くことができます。
そのため手足の冷えや多くの婦人病に使われる処方です。
補血の生薬も含むので血虚タイプの冷え症にももってこいです。
https://gen-kanpo.com/hie
【養生法】
- 温かい食事をする(特に生理中)
- 下半身を冷やさない(特に生理中)
- お風呂にゆっくりはいる
- 産後に冷えるようなことをしない
気血虚弱(エネルギー不足による痛み)
不栄則痛でおこる痛み。
虚証の痛み。
生理で大量の「血」を失った後、滋養することができなくておこる弱い痛みです。
【特徴】
- 生理の後半、生理後に痛む
- 経血の色がうすい
- 痛みは強くない
- 疲れやすい
代表処方
温経湯(うんけいとう)
「補気」「補血」「活血止痛」「散寒」がバランスよく入った処方で名前の通り経絡を温める漢方薬です。
特に生理、妊娠を主る「衝脈」と「任脈」を温め治療する処方なので体の弱い女性にぴったりです。
基本は虚証の処方ですが実証(気滞血瘀、寒凝)でも使えると思っています。
生理中に浮腫むタイプは当帰芍薬散も有効です。
【養生法】
- 疲れをためない
- 睡眠を多くとる(早く寝る)
- 消化の良い食べ物を心がける
- 動物性たんぱく質を多めにとる
睡眠時間も大事だけど就寝時間が大事!
なるべく早く寝るように心がけようね。
肝腎虚(弱い痛み、腰が重だるい)
臨床であまり多くはないタイプ。虚証の生理痛。
東洋医学で「肝腎」は生理をおこすエネルギーをためておく臓器。
そこのエネルギーが足りなくなっておこる痛み。
長く血虚、気虚の期間あるとこのタイプになってしまいます。
また閉経が近い方にもこのタイプが多いです。
【特徴】
- 生理後半に痛む
- 生理周期が伸びる
- 激痛ではなくしくしく痛む
- 腰が重だるい
- 痛みの幹部を触ると気持ちが良い
- 耳鳴り
- めまい
代表処方
杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
肝腎を補う代表処方。
腎を補う「六味丸」+肝の生薬「菊花」「枸杞子」 という構成。
目の疲れや頻尿、浮腫みなどを改善する漢方薬です。
鎮痛効果が弱いので痛みが改善されない場合は少量の「血府逐瘀丸」「折衝飲」と併用すると良いと思います。
【養生法】
- 黒い食べ物を摂る
- 睡眠をしっかりとる
- 運動をする(過度は逆効果)
生理痛の漢方はどのタイミングで服用するの?
実証タイプ、虚証タイプともに常に飲んでおくことをオススメします。
どうしても飲めない場合は
実証タイプ(気滞血瘀、寒凝)は生理が始まる1週間前より服用。
虚証タイプ(気血虚弱、肝腎虚)は生理後から次回の生理が始まるまで服用。
漢方薬局で治療する場合は
普段の漢方薬と生理期間の漢方薬をわけて調合することもあります。
まとめ
つらい生理痛。
人によっては寝込んでしまう人もいます。
ただ「生理痛は無いのが当たり前」
適切な治療をすれば必ず痛みを和らげることができます。
タイプ別にまとめると
- 生理前or1、2日目痛みが激痛
→気滞血瘀タイプ - 冷えをともなう、冷えると悪化
→寒凝タイプ - 生理後半にしくしく痛い
→気血虚弱タイプ - 腰が重だるい、閉経が近い
→肝腎虚弱タイプ - 生理期間でなくても服用するのがオススメ!
ルンルン♪