周期も乱れ気味なのよね。
実は気になっていたのよ。
そしたら温経湯(うんけいとう)が良いかもね!
みなさん、こんにちは!
漢方薬剤師の玄(@gen_kanpo)です。
「月経不順」女性なら経験したことが多いと思います。
月経不順にたいして有効な漢方薬が数多くあります。
その中で冷えタイプや虚弱タイプの人にオススメが『温経湯(うんけいとう)』です。
月経不順以外でも婦人の様々な不調を改善できる便利な漢方薬です。
今回はこの婦人の便利薬『温経湯』について解説していこうかと思います。
- 月経不順
- 月経痛が重い
- 冷えるのに手がほてる
温経湯ってどんな漢方?
簡単に言うと
気血を補い経絡を温め冷えと血行不良とりさる漢方薬です。
すごい便利じゃん。
でも簡単じゃない(笑)
ちょっと複雑に見えるけど、とても使いやすい漢方薬なんだよ。
所説はありますが『月経』『経絡』を温めることからこの名前がついたのではないかと考えられています。
出典の金匱要略には
※超意訳
- 50歳くらいの婦人で子宮出血が止まらない有方になると発熱。下腹部が張り、手のひらが熱っぽく、唇が乾燥する人は流産などで瘀血が下腹部に残っているから温経湯を使おう。
- 婦人が下腹が冷えて長い間妊娠できない人、不正出血、月経過多、無月経などを治す
とされています。
上記のような条文があるため婦人病の治療に用いられることが多い漢方薬です。
ただ、どんなタイプにも良いわけではないので注意が必要です。
構成生薬
生薬名 | 効能 |
---|---|
呉茱萸(メイン生薬) | 体を温めることで血行を上げる |
桂枝(皮) | 体を温めることで血行を上げる |
生姜 | 体を温める |
阿膠 | 血を補う 止血作用 |
川芎 | 瘀血を去る(血流を上げる) |
牡丹皮 | 瘀血を去る(血流を上げる) 不要な熱を去る |
当帰・芍薬 | 血を補い生理を調える |
人参・甘草 | 胃腸を元気にし気を補う |
半夏 | 胃腸を整え消化吸収を助ける おりものを治す |
麦門冬 | 体を潤し、余分な熱を去る |
いっぱい入ってるのね。
漢方薬は一般的に
構成生薬が少ない⇒効き目がシャープ
構成生薬が多い⇒効き目がマイルド
だから慢性病や薬負けしてしまう人に向いてるよ。
色々な生薬が入っているので温経湯は私の周りで
- 体を温めるのがメインだ!
- いやいや補血がメインだ!
- 活血がメインでしょ?
- 何言ってんだ補陰の薬だよ!
こんな議論がされています。
もちろんどれも正解だとは思うのですが個人的には君薬(メインの生薬)が呉茱萸と桂皮なので体の冷えを去る効能がメインだと思っています。
口唇の乾燥や手のほてりがとても重要な目標とされている
ただ、これらの症状があると温経湯が効く確率がグッと上がるんだ!
一見、あまり遭遇しない症状に見えますが女性には意外と多い症状です。
特に更年期近い女性に多い症状だと思ってます。
唇の乾燥は血や体液不足による乾燥でおこります。
そして冷えと瘀血により上熱下寒(上がほてって下が冷える)が起きているためと考えられます。
子宮辺りは血の重要な通り道、冷えると血行が悪くなり瘀血ができてしまいます。
すると冷えとのぼせが分離してしまいます。
熱は炎上の性質があるので上へ下半身は冷えるという症状が起きてしまいます。
温経湯はこれをかき混ぜる役割をしてくれるんだ。
そのためこの様な症状に血や体液を補い温め瘀血を去る温経湯が有効なのです。
よく使う症状
体力中等度以下で,手足がほてり,唇がかわくものの次の諸症:月経不順,
月経困難,こしけ(おりもの),更年期障害,不眠,神経症,湿疹・皮膚
炎,足腰の冷え,しもやけ,手あれ(手の湿疹・皮膚炎)厚生労働省 薬局製剤指針より引用
足腰の冷え
これが大前提です。(個人的には)
これから紹介する下記の症状でも冷え『足腰に冷えがあるタイプ』に対してが大前提だと思ってよいです。
前述の通り
『上が火照って下が冷えるタイプ』に良く効きます。
そのため冷えるのが下腹部、下半身なら温経湯がよく効きます。
そして、気血を補いながら温めるので
- 慢性的
- 虚弱者
にも使いやすい漢方薬になっています。
月経不順
冷えを去り、瘀血を去る処方なので月経不順、月経痛にとても良く効きます。
ただ、どんな症状にも良いわけでなく
個人的にはこんな時に使っています。
- 生理前、中に腰回り内ももが冷える
- 痛みが激痛でない
- 生理後半に痛む(血虚)
- 無月経
- 不正出血
冷え+月経不順という組み合わせは非常に多いのでとっても活躍してくれる漢方薬です。
更年期障害
先に言っておきますが
『どんな更年期障害にも使えるわけではありません』
体質によります。
ただ、実際の現場では使用する頻度は高い処方に感じます。
冷え+血不足+血行不良は女性にとってあまり好ましくありません。
肌の症状
体液、血を補い上部の熱を去る温経湯は皮膚の症状に応用することがあります。
特に
- 手湿疹
- 頭皮の乾燥
- 皮膚の乾燥
こんな時に使われます。
ただ、全体的には温める傾向なので
- 油っぽい皮膚
- 化膿傾向
- 温めると痒みが激
このタイプには清熱や解毒作用がある漢方薬を選ぶようにしましょう。
注意点
瘀血の症状が強い場合
温経湯は活血作用を有する漢方薬なのですが、その作用は強力ではありません。
これは、メリットでもあるのですが明らかに瘀血がある場合は桂枝茯苓丸や桃核承気湯などの方がよいです。
逆に胃腸が弱かったり強い活血剤に負けてしまうタイプには温経湯がとても適しています。
体を冷ます漢方ではない
口の乾燥、手のほてりを去るの漢方薬なのですが、基本は温める漢方薬です。
この大前提を忘れてしまい『手のほてり、口の乾燥』があるから温経湯!
っとやってしまうと失敗する恐れがあります。
まとめ
一見、複雑そうに見える『温経湯(うんけいとう)』
ポイントを押さえると婦人の症状の強い味方になります。
簡単にまとめると
温経湯は気血を補い体を温め瘀血を去る処方
【よく使う症状】
- 下半身が冷えて手がほてり、口が乾く
- 月経不順
- 月経痛
- 更年期障害
- 皮膚症状
【注意すべき点】
- 瘀血を去る作用は強くない
- 上部の熱を去るが体を冷やす漢方薬ではない
特に女性は下腹部お腹が冷えるのはよくないよ。
可愛いでしょ~☆
今!へそ出しが流行ってるのよ~☆