漢方薬

肝臓は大丈夫?酒好きな人、二日酔いに茵蔯五苓散(いんちんごれいさん)

黄老師
黄老師
飲み過ぎた~
玄先生
玄先生
え~??
またですか??
黄老師
黄老師
玄!
なにか作ってくれ!
頭が回らん~
玄先生
玄先生
まったく・・・
何を飲んだんですか??
黄老師
黄老師
昨日はひたすらビールとレモンサワーじゃ!!
玄先生
玄先生
じゃあ、茵蔯五苓散(いんちんごれいさん)ですね!

みなさん、こんにちは!
漢方薬剤師の玄(@gen_kanpo)です。

茵蔯五苓散という漢方薬を知っていますか?

漢方を少しかじった人なら『五苓散』は知ってるよ~っていう人は多いと思います。
ですが、この茵蔯五苓散はあまり知られていない漢方薬です。

みなさん、お酒を飲んだ後に

『お酒を飲み過ぎて体がむくむ』
『吐き気がする下痢する』

こんなとことありませんか??
実はこんな症状にとっても使いやすい漢方薬で効き目もばっちりなんです!

酒飲みは気になりますよね~

そこで今回は湿熱を除去する漢方薬『茵蔯五苓散』について解説していきます。

玄先生
玄先生
この記事はこんな人にオススメ!

  • お酒が好きな人
  • 二日酔いになりやすい人
  • 五苓散で効き目を実感できなかった人

茵蔯五苓散ってどんな漢方薬?

どういう漢方?

体力中等度以上をめやすとして,のどが渇いて,尿量が少ないものの次の
諸症:嘔吐,じんましん,二日酔,むくみ

厚生労働省 薬局製剤指針より引用

上記は薬局製剤の茵蔯五苓散の効能効果です。
これだとちょっとわかりにくいですね!

中医学的には体の湿気と熱を去る漢方薬です。

玄先生
玄先生
そのためお酒飲み過ぎや飲食物に食べ過ぎで体に不要な熱や湿気がたまったタイプに有効な漢方薬だよ。

出典は金匱要略(きんきようりゃく)

「黄疸病は茵蔯五苓散これをつかさどる」
と記載されています。

ただ、どんな黄疸でもよいわけでないとされており、体に不要な水がたまった人(五苓散の証)で黄疸が出る人に適しています。

同じ黄疸の漢方薬で『茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)』という似た漢方薬があります。

この茵蔯蒿湯は黄疸の聖薬ともいわれ利胆作用が優れています。

使い分けとしては

【茵蔯蒿湯】

  • 便秘傾向
  • 熱>湿
  • 炎症症状

【茵蔯五苓散】

  • 下痢気味
  • 熱<湿
  • 浮腫み
  • 腹部がぽちゃぽちゃ水っぽい
玄先生
玄先生
黄疸は2種類あり専門用語でいうと

  • 茵蔯蒿湯タイプは陽黄
  • 茵蔯五苓散タイプは陰黄

構成生薬

生薬名効能
茵蔯蒿清熱利湿・退黄→体の不要な熱と湿を去り黄疸を去る
沢瀉利水→不要な水を去る
猪苓利水→不要な水を去る
白朮・茯苓健脾・利水→胃腸を調え不要な水を去る
桂皮通陽→陽気を巡らせることで利水を助ける
玄先生
玄先生
五苓散は本来
桂皮→桂枝
なんだけど、この場合はそんなに気にしなくても良いと思ってます。
黄老師
黄老師
またメーカーによって白朮↔蒼朮で違うんじゃが。
次のように区別するとよいぞ!

  • 蒼朮→水抜きを強化したい
  • 白朮→胃腸が弱い

茵蔯五苓散を簡単に説明すると

五苓散(ごれいさん)+茵蔯蒿(いんちんこう)

五苓散との違いはこの茵蔯蒿の有無です。

この五苓散に清熱利湿の茵蔯蒿を組み合わせて強化したものになります。

なんといってもこの処方は茵蔯蒿が入っているのが特徴

茵蔯蒿(いんちんこう)

キク科のカワラヨモギの幼苗。
【性味】苦 微寒
【帰経】脾・胃・肝・胆

清熱利水、利胆などの作用があり、黄疸に対しての要薬です。
黄疸、尿量減少、湿疹などに用いられています。

茵蔯蒿を加えることで五苓散が苦手だった熱症状の改善ができるようになった処方です。

よく効くタイプ

玄先生
玄先生
具体的にどのような症状に使うか解説していきます!

お酒が好き・二日酔い

茵蔯五苓散は体の湿気と熱を去る漢方薬。

この2つはお酒を好む人によくたまります。

黄老師
黄老師
ギクッ!!!!

お酒を飲んだ後に

  • 体が浮腫む
  • 苔に黄色い苔がべったり
  • 便がべたべた
  • 黄色い小便が多い

このような湿と熱が混在し湿>熱の時に適しています。

黄老師
黄老師
症状としては体が浮腫んで重く、吐き気、下痢などにとても有効じゃな。

ビール等のアルコール度数の低いお酒を大量に飲んだ後などにとても適しています!!

玄先生
玄先生
逆にアルコール度数の高いお酒などを飲み熱>湿のタイプは黄連解毒湯などが適するよ!

皮膚炎

メインの生薬、茵蔯蒿に痒みを止める作用があるとされています。
そのため

  • 蕁麻疹(じんましん)
  • 皮膚搔痒感

この様な症状に有効とされています。

玄先生
玄先生
とはいえ正直、私は皮膚でこの処方をあまり使いません!
他の漢方の方が効くと思っています。

多汗症

多汗症によく効く処方です。
ただどんな多汗症にでも効くわけではないです。

  • ぽっちゃい体系
  • 暑がり
  • 多飲多食

この傾向の多汗症のタイプは体に湿熱をこもらせていることが多いです。

逆に

  • 暑くないのに汗をかく
  • 細身
  • 疲れやすい

こんなタイプは体を覆う衛気不足の多汗症。
気を補う漢方薬が有効です。

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肝機能障害

昔から黄疸の治療をした漢方薬です。
メイン茵蔯蒿(いんちんこう)は胆汁分泌を促進します(利胆作用)

胆汁の分泌と排泄を正常にすることで肝機能の改善を期待することもできます。

矢数道明先生の臨床応用漢方処方解説にも肝臓がんが疑わしい患者さんに対して茵蔯五苓散を使った治験の話が載っています。
その患者は服用後、20日で黄疸、肝肥大、浮腫、腹水がほとんど消え食欲がでて回復したとされています。

玄先生
玄先生
私もお酒を飲みすぎて肝機能が悪くなった人に対して

田七人参+茵蔯五苓散

という組み合わせをよく使います。

※効能効果には記載されていないのであくまで応用です。

注意すべきタイプ

玄先生
玄先生
体質的に注意すべきタイプを紹介していきます。

乾燥傾向の皮膚疾患に注意

全ての生薬が乾燥傾向です。
そのため乾燥肌やドライアイ、ドライマウスのタイプは注意しましょう。

一時的に服用することは問題ないです。
ただ長期服用する場合は注意しましょう。

茵蔯五苓散は蕁麻疹や皮膚のかゆみに有効な漢方薬ですがどんな皮膚疾患にも有効なわけではありません。

  • ジュクジュクタイプの皮膚湿疹
  • 熱をもち赤みの強い蕁麻疹
  • 内部に水疱がある皮膚炎

このような時に有効な漢方薬です。

寒冷蕁麻疹や乾燥タイプの皮膚炎への使用は気を付けましょう。

オススメの茵蔯五苓散

玄先生
玄先生
ここからは私がオススメの茵蔯五苓散を紹介していきます。

ウチダの茵蔯五苓散(煎じ薬)

飲める方は煎じ薬がオススメです。
特に慢性病で使用する場合は煎じ薬が効き目のばっちりです。

玄先生
玄先生
肝機能の改善などに服用する場合は煎じがオススメ!

コタローの茵蔯五苓散

二日酔いなどですぐに飲みたい人などは粉薬がオススメ。

常備薬として持っておくのにも便利です。

玄先生
玄先生
コタローは漢方薬の最大手メーカー質もばっちりです。

まとめ

体に不要な湿気と熱がたまった時に有効な漢方薬『茵蔯五苓散(いんちんごれいさん』

おぼえておくと便利な処方です。

使い方を簡単にまとめると

【よく効く症状】

  • お酒が好き・二日酔い
  • 多汗症
  • 皮膚炎
  • 肝機能障害

【注意すべき症状】

  • 乾燥傾向の皮膚疾患に注意
黄老師
黄老師
あぁ~かなり楽になってきたぞ~
玄先生
玄先生
それはよかったですね。
やっぱり茵蔯五苓散はよく効くな!
黄老師
黄老師
そうじゃな~助かったわい!
まぁ当分、酒は飲まないぞい~
玄先生
玄先生
それ毎回言ってません??
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漢方薬剤師 玄
漢方薬剤師 玄
✅資格:国際中医師 | 薬剤師 | ✅漢方相談歴10年以上✅胃腸重視の診断が特徴。✅健康や中医学の情報を『楽しく面白く』発信中。 お気に入りにするとあなたの生活の質がちょっぴり向上するかも!