またですか??
今、人参湯(にんじんとう)持ってきます。
(# ゚Д゚)プンプン
みなさん、こんにちは!
漢方薬剤師の玄(@gen_kanpo)です。
お腹が弱い人の漢方薬は数多くあります。
今回はそんな人にオススメの『人参湯(にんじんとう)』をご紹介していきます。
特に冬時期におなかの調子が悪くなる人はオススメの処方です。
…ちなみに人参湯の人参は野菜の人参『キャロット』ではないですからね(笑)
※サムネイルは冗談です!
- お腹を壊しやすい
- 胃が痛くなりやすい
- 冷たい食べ物が好き
人参湯ってどんな漢方薬?
簡単に説明すると
体力が虚している人の冷えによる胃腸障害を改善する漢方薬です。
名前の通り補気の代表薬『人参』が入っているので体が疲れている人に向く処方です。
そしてもう一つの特徴が体を温めるという点です。
そのため冷えて
- 下痢する
- 食欲不振
- 胃痛・腹痛
こんな時にとても良く効きます。
人参湯は丸薬としては「理中丸」という名前もあります。
この『中』とは中焦=胃腸のことをいいます。
冷えと虚を去ることで胃腸(中焦)を立て直すために『理中』と名付けられたそうです。
人参湯の出典は傷寒論及び金匱要略で代表的な条文には
(夏場に多い)嘔吐下痢、頭痛、発熱、体の痛みがあり水を飲みたがる人には五苓散、体が冷えていて水を欲しがらない人には理中丸(人参湯の丸剤)が適応ですよ。
※超意訳
っと書いてあります。
五苓散は利水作用の漢方薬なのでおしっこの出が悪いのも特徴。
いっぽう人参湯はおしっこの出はあまり関係なく使うことができます。
人参湯を考える場合は重要なポイントになるよ。
構成生薬
≪生薬名≫ | ≪効能・効果≫ |
---|---|
乾姜 | 胃腸を温め冷えと湿を去る |
人参 | 脾(胃腸)を元気にすることで虚を去る |
甘草 | 薬の調和 人参を助ける |
白朮 | 胃腸に不要な湿をたまるのを防ぐ |
名前は人参湯なのですが君薬(メインの生薬)は乾姜とされている本もあります。
そして、構成生薬の中に甘草+乾姜の組み合わせがあります。
この組み合わせは甘草乾姜湯という処方で胃腸の陽(温める)を補うとされています。
【辛甘化陽(しんかんかよう)】
甘味+辛味=陽を生む
【甘味→甘草 辛味→乾姜】で陽を補うとされます。
そのため疲れやすいという状態も大事なのですが『胃腸が冷える』というのが大前提の漢方薬になります。
よく使う症状
体力虚弱で,疲れやすくて手足などが冷えやすいものの次の諸症:胃腸虚
弱,下痢,嘔吐,胃痛,腹痛,急・慢性胃炎厚生労働省 薬局製剤指針より
下痢
特徴としては下してもすっきりしないタイプ。
「冷え+胃腸の弱さ=虚寒」
人参で脾胃の力を回復させ乾姜で温める。
慢性的な下痢にも有効ですが、
- 冷たい飲食物の食べ過ぎ
- 外気で胃腸が冷えた
このような一過性の下痢にも使うことがあります。
こんな人でもOKだね。
胃痛・腹痛
これも冷えると悪化するタイプに有効です。
冷たい飲食物の過食で起こる症状などはぴったりです。
食欲不振
人参、白朮、甘草が含まれるので脾虚(胃腸の疲れ)の症状に使うことができます。
胃腸が冷えて食欲不振などにはとても良く効きます。
冷えやすい
冷え性の漢方薬はたくさんありますが当帰や地黄などが重い人は人参湯がオススメ。
特に婦人科領域の漢方薬は上記の補血の生薬が含まれていることが多いです。
いくら温めて体質に合っている漢方薬でも胃腸を壊しては逆効果です。
婦人の漢方薬が胃腸に重い人は人参湯を試してみる価値があります。。
色々な不具合につながっているよ。
胃腸からゆっくり治していくのじゃ。
注意すべき点
寒さと湿を去る
人参湯は胃腸を温め水分代謝を上げる漢方薬なので
- 全身が火照る
- 黄色い苔がべったり
- 舌が赤い
- 体が乾燥する
- 皮膚炎
こんな時は逆効果になる危険があります。
もし服用したい場合は単独での使用は注意しましょう。
まとめ
慢性の下痢や胃痛・腹痛に使うことが多い【人参湯】
胃腸が弱く下痢しやすい人は覚えておくととても便利な処方です。
簡単にまとめると
胃腸を温める虚と寒を去る漢方薬
【よく使う症状】
- 下痢
- 食欲不振
- 胃痛・腹痛
- 冷えやすい
【注意すべき点】
- 体を温める処方ということを理解する
痛みの止まったぞい!
当分冷たいお酒禁止です!
ついでに禁酒もしましょう!!
ええぇ~~??