白くん風邪かい??
黄色い痰でて呼吸が苦しいよ~
麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)が良いかもね!
みなさん、こんにちは!
漢方薬剤師の玄(@gen_kanpo)です。
咳ってツライですよね!!
漢方薬局には咳でお悩みのお客さんが多く来店されます。
もちろん咳といっても色々タイプがあります。
タイプによって対応する漢方薬が違うのですが、その中でもよく使われる漢方薬の1つが…
『麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)』
シンプル・イズ・ベスト!
構成生薬が少なくシャープに効いてくれる咳の漢方薬です。
市販でも手に入りやすいので、知っておくととっても便利ですよ☆
そこで今回はこの『麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)』について解説していこうかと思います。
- 効き目が早い咳の薬が欲しい
- 風邪の後、咳が残る
- 咳の常備薬が欲しい
麻杏甘石湯ってどんな漢方薬?
簡単に説明すると
急性期の熱性の強い咳や気管支炎に有効な漢方薬です。
特に構成生薬が少ないため急性期の咳にとても有効な漢方薬です。
多い→マイルド
少ない→シャープ
と言われているよ。
出典は葛根湯などと同じ傷寒論。
矢数道明先生の『臨床応用漢方処方解説』には
発汗して風邪症状は改善したが、体の不要な水が余った熱とともに胸に入り、
- 汗がでる
- 呼吸困難
- 咳
- 口が乾く
この様な時は麻杏甘石湯が適する。
※超意訳
この様に書いてあります。
葛根湯などの風邪薬を服用した後に咳が残ったときなどに有効とされています。
構成生薬
生薬名 | 効能 |
---|---|
麻黄 | 咳を止める |
杏仁 | 肺の気を鎮める→咳止め作用アップ |
石膏 | 肺熱を去る→咳止め作用アップ |
甘草 | 麻黄、石膏の強い作用を緩和 |
麻黄・杏仁・甘草・石膏の頭文字をとって『麻杏甘石湯』です。
4種類の生薬しか含まないシンプルな処方で咳に特化した漢方薬です。
だから他の漢方薬とも合わせやすいんだよ~
ちなみに咳で有名な『五虎湯』は麻杏甘石湯に桑白皮という咳の生薬を加えた薬で、
- 少し長引いている
- 痰が黄色く粘る
麻杏甘石湯がよく効く症状
体力中等度以上で,せきが出て,ときにのどが渇くものの次の諸症:せき,
小児ぜんそく,気管支ぜんそく,気管支炎,感冒,痔の痛み
厚生労働省 薬局製剤指針より引用
強い咳(気管支炎など)
特にお布団に入って体が温まると咳が強く出る人にオススメです。
これは『肺熱』といって五臓の肺に熱がこもっている状態です。
症状としては
- 黄色い痰
- 強めの咳
- 口は喝く
強力な清熱薬『石膏』を含む麻杏甘石湯は肺熱が原因の咳にとても有効です。
小児ぜんそく
特に急性の発作期に有効。
こちらも夜に咳が強くなるタイプに有効です。
矢数道明先生の『臨床応用漢方処方解説』には
小児喘息には
麻杏甘石湯+二陳湯(半夏、茯苓、陳皮)+桑白皮
という組み合わせが良く効くとも記載があります。
注意すべき点
冷えて水っぽい痰の咳
上記の通り麻杏甘石湯は肺の熱を去る漢方薬です。
- 水っぽい痰
- 寒いところで出る咳
- 悪寒が強い
このような症状にはむいていません。
空咳(乾いた咳)
石膏が少し潤す作用をもっているので効かないわけではないですが、単独だと効きにくいです。
顕著に空咳が出る人には麦門冬や天門冬を含んだ漢方薬が有効です。
体が弱い人の咳
麻杏甘石湯の構成生薬には体を元気にする生薬が甘草しかありません。
(甘草も麻杏甘石湯では元気にする目的ではない)
その為、
- 虚弱な人の咳
- 慢性的な咳
には注意が必要です。
よく効くからと言ってこれだけをダラダラ飲み続けるのは注意が必要です。
慢性的に喘息や咳が出るひとの発作時ならOKです。
麻黄に敏感
名前の通り麻杏甘石湯には麻黄が入っています。
交感神経が優勢になるタイプや心臓に持病がある人は注意しましょう。
まとめ
咳に有効な『麻杏甘石湯』
ツライ咳の時にあると安心な漢方薬です。
簡単にまとめると
【有効な症状】
- 黄色い痰の咳
- 強い咳
- 気管支炎
- 喘息(小児も)
【注意すべき点】
- 冷えて水っぽい痰の咳
- 空咳(乾いた咳)
- 体が弱い人の咳
- 麻黄に敏感
麻杏甘石湯を飲んだら咳が止まったよ!!
麻杏甘石湯は効き目が早いのも特徴だからね!