
みなさん、こんにちは!
漢方薬剤師の玄(@gen_kanpo)です。
最近、「なんとなく疲れが取れない」「気力が湧かない」と感じていませんか?
特に40代・50代の男性からは、加齢や仕事のストレスで「スタミナが落ちた」「夜がしんどい」「寝ても疲れが取れない」といった声をよく聞きます。
そんなとき、ドラッグストアやCMなどで目にすることが多いのが「養命酒(ようめいしゅ)」。
「女性向けじゃないの?」「アルコール入ってるけど大丈夫?」という疑問をお持ちの方もいるかもしれませんが、実はこの養命酒、“なんとなく不調”に悩む方にも、長年選ばれてきた製品なんです。
本記事では、養命酒の効果・成分・飲み方や、中医学的な考え方まで、漢方薬剤師の視点でやさしく解説していきます。
「自分にも合うかも?」と感じた方は、ぜひ参考にしてみてください。
- 疲れやすい
- 血行不良が気になる
- 忙しくて漢方専門店に行けない
養命酒とは?中医学的に見るとどんな薬?


養命酒は、14種類の生薬をアルコールで抽出した第2類医薬品の薬用酒です。
「滋養強壮」や「冷え性」「虚弱体質」などに対して、体の中から整えることを目的として作られています。
中医学的に見ると、養命酒は「気(エネルギー)」や「血」を補い、「巡らせて温める」働きをもつ生薬がバランスよく含まれています。
とくに“陽虚”と呼ばれるタイプに有効と考えることが出来ます。
つまり、冷えや疲れ、活力不足が気になる方に適した構成です。
男性にも嬉しい?“巡り”と“活力”を支える処方


養命酒は「女性向け」のイメージがあるようですが、実は40代・50代の男性が抱える“なんとなくの不調”にもマッチします。
たとえば、以下のような症状に心当たりはありませんか?
- 体が冷える・手足が冷たい
- 疲れが抜けない
- 活力が落ちた気がする
- 食欲がない
- 朝がつらい、夜にぐったり
これらは中医学では「腎(陽)の弱り」や「気虚・血虚」「血の滞り」などと関係していると考えられます。
養命酒に含まれるニンジン・ウコン・ケイヒ・シャクヤク・トチュウなどの生薬は、こうした虚弱や巡りの悪さをサポートする目的で配合されています。
効果はある?いつから実感できる?


メーカーによると
養命酒の効果を感じるまでには継続が大切とされます。
体質などにより個人差がありますが、継続して飲むことで体の変化を感じる方が多いようです。
(メーカー公式のよくある質問では毎日飲み続けて2ヶ月が目安としています。)
即効性というよりは、毎日少しずつとして取り入れるのがポイントです。
構成される生薬
養命酒に含まれる生薬は、どれも中医学の観点で「補い」「巡らせ」「温める」目的があります。
【代表的な生薬とそのはたらき(※中医学の理論に基づく説明です)】
| ケイヒ(桂皮) | 体を内側から温め、血行を促進する生薬。冷えが気になる方に。 |
|---|---|
| シャクヤク(芍薬) | 肝のバランスを整え、筋肉の緊張を緩める。慢性ストレスによる血の不調によいとされる。 |
| トチュウ(杜仲) | 中医学では“腎”の働きを助けるとされ、加齢にともなう体力の低下によいとされる |
| インヨウカク(淫羊藿) | 活力を補い、男性の元気不足にも活用される補腎陽薬。 |
| ニンジン(人参) | 疲労や倦怠感に。気を補って元気を底上げする基本の生薬。 |
| ウコン(鬱金) | 肝の働きを助ける。気血を強烈に巡らせる |
| コウカ(紅花) | 血の巡りを良くし、冷えやしびれの緩和に。 |
| ボウフウ(防風) | 外からの邪気を防ぎ、軽い発汗作用。 |
| ジオウ(地黄) | 血を養い、体を潤す基本薬。 |
| チョウジ(丁子) | 胃腸を温め、冷えからくる不調を和らげる。 |
| ハンピ(反鼻:マムシ) | 陽気を高める補陽薬で、中医学では“活力を支える”働きがあるとされ、体力が気になる方に使われる |
| ニクジュヨウ(肉蓯蓉) | 腎陽を補い、滋養強壮と便通サポートの両方に役立つ。 |
| ヤクモソウ(益母草) | 血のめぐりを優しく改善、水分代謝にも影響する。 |
| 烏樟(ウショウ) | 芳香性の調和薬。全体のバランスを整える脇役的な生薬。 |
① 体を温める生薬
冷えが気になる方にぴったり生薬グループ。
ケイヒ(桂皮)、チョウジ(丁子)、ボウフウ(防風)などが該当します。
これらは体を内側から温め、寒さによる不調や、冷えによるだるさをサポートしてくれます。
アルコールの働きによって血管が拡張し、血液が体のすみずみまですみやかに行きわたるようになります
② 血の巡りをサポートする生薬
手足の末端が冷える、血色が悪い人は検討する価値あり。
コウカ(紅花)やウコン(鬱金)は、滞った“血の流れ”を促し、巡りを良くする方向に働きます。
また、シャクヤク(芍薬)は筋肉の緊張を緩めることで、間接的に血流をサポートしてくれます。
加えて、ヤクモソウ(益母草)も不要な水をさばき、やさしく血流の調整します。
この作用はアルコールの働きも加わり、血管が拡張し、血液が体のすみずみまですみやかに行きわたるようになります。
③ 血を作る・補う生薬
なんとなく元気が出ない、顔色が悪い、ふらつきやすい!そんな方に。
ジオウ(地黄)は、血を補う代表的な生薬です。
加えて、ニンジン(人参)やニクジュヨウ(肉蓯蓉)は体のエネルギー源である“気”や“腎”を補うはたらきを持ちます。
ハンピ(反鼻)は古来より“精”を補うともされており、滋養強壮や活力サポートに役立ちます。
これらの生薬が、アルコールによって効率よく抽出されています。
単なる“栄養ドリンク”とは違い、体質に根差したケアができるのが特徴です。
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注意点


飲酒運転との関係
養命酒は医薬品ですが、アルコール度数は14%と、一般的な日本酒と同程度のアルコールを含みます。
そのため、服用後すぐの運転は避ける必要があります。
とくに朝食前や昼食前に服用する場合は要注意。
運転の予定があるときに服用すると、飲酒扱いとなる可能性があり、法律違反にあたることもあります。
「運転前にどれくらい空ければ?」
一般的には、飲んでから4〜5時間ほど空ければアルコールは抜けるとされています。
ただし、アルコールの代謝には個人差があるため、体質や体調によってはもっと時間がかかる場合もあります。
少しでも運転の可能性がある日は、服用を控えるのがもっとも安全です。
なお、養命酒の用法・用量は以下のように定められています:
- 1回20ml、1日3回、食前または就寝前に服用
- アルコール度数は14%
アルコールに弱い方や、お酒に慣れていない方も、服用のタイミングや体調に合わせて無理のないように服用しましょう。
普段から熱がこもる人も注意
また、体質によっては、養命酒の温め・巡らせる作用が合わない場合もあります。
- のぼせやすい・顔が赤くなりやすい方: 温める作用が強く出てしまうことがあるため、体の反応を見ながら少量から始めるのが安心です。
- 著しく体力が落ちている方(重度の「気血の虚」): 巡らせる生薬が多く含まれているため、かえってだるさや疲労感が強くなることがあります。
この場合はシンプルに補う漢方薬などを活用しよう。
養命酒は男性にも効果あり? 40代・50代の“なんとなく不調”に合う理由


本記事のタイトルにもある「養命酒は男性にも向いている?」という疑問。
結論から言えば、YES。
ただし“冷えて血行が悪いタイプの疲れ”向いているという表現が正しいです。
特に40代・50代は、以下のような不調が出やすい年代:
- 疲れやすくなった
- 寝ても疲れが取れない
- 活力が続かない
- 頭は元気でも体がついてこない
- 寒がり・冷え性気味になってきた
こうした症状に、中医学では「腎虚」や「気虚・血虚」「血の滞り」が関係しているとされ、養命酒のように“補い・巡らせ・温める”生薬構成がマッチしやすいと考えられます。
まとめ


養命酒は、女性だけのものではありません。
「気力が出ない」「疲れがとれない」
養命酒はそんな“中年男性のあるある不調”に対して毎日の健康習慣として取り入れている方も多い製品です。
ただし即効性は期待せず、「生活に組み込んで、体のベースを整える」という意識が大切です。
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