みなさん、こんにちは!
漢方薬剤師の玄(@gen_kanpo)です。

梅雨時期になると、

  • 頭が重い
  • ぼーっとする
  • 眠気が強い
  • 集中できない
  • やる気が出ない
  • めまいっぽい

こんな不調を感じることありませんか?

実はこれ、中医学では「湿邪(しつじゃ)」「脾胃(ひい)」の弱りが関係していると考えます。

特に梅雨は湿度が高く、体内の水分代謝が乱れやすい季節。

その結果、頭の働きにも影響が出やすくなります。

玄先生
玄先生
今回は、東洋医学で考える「梅雨の頭重感」について、虚実の違いも含めながらわかりやすく解説していきます。

梅雨に頭が重くなる理由

東洋医学では、梅雨時期の不調に「湿邪」が深く関係すると考えます。

湿邪には、

  • 重い
  • 停滞しやすい
  • ベタつく

という特徴があります。

そのため、梅雨のように湿度が高い時期は、

  • 頭が重い
  • 体がだるい
  • 眠い
  • スッキリしない

といった症状が起こりやすくなります。

特に中医学で胃腸(≒脾胃)は、水分代謝の入り口を担う重要な臓と考えます。

ここが弱ることで、余分な水分や老廃物が停滞し、さまざまな不調につながります。

頭重感には「虚」と「実」がある

東洋医学では、「頭が重い」といっても原因は一つではありません。

特に梅雨時期は、

  • エネルギー不足(虚)
  • 湿や痰濁の停滞(実)

この両方が関係していることがあります。

玄先生
玄先生
同じ頭が「ぼーっとする」「重だるい」でも、中身は違うことがあるのです。

清陽不昇タイプ

東洋医学では、脾胃で作られた清らかなエネルギーを「清陽(せいよう)」と呼びます。

本来、この清陽は上へ昇り、頭や感覚器を栄養すると考えます。

しかし、疲労・虚弱・加齢・慢性病などで脾胃が弱ると、この「持ち上げる力」が低下。

すると、清陽が頭まで届きにくくなります。

これを「清陽不昇(せいようふしょう)」と呼びます。

  • 疲れやすい
  • 元気がない
  • 立ちくらみ
  • ぼーっとする
  • 横になると楽
  • 慢性的な疲労感

などは、清陽不昇タイプで見られやすい症状です。

脾胃気虚

運化能力低下でエネルギー不足

清陽不昇

頭目を滋養できない

このような流れで考えることがあります。

このタイプに有効な代表的な処方としては、

  • 補中益気湯
  • 黄耆建中湯

など、黄耆などの「補う」方向の生薬が用いられることがあります。

Instagramでも解説中

玄先生
玄先生
このタイプは梅雨時期も多いですが、疲れやすい春先や年末などでも起こりやすいです。

痰濁(痰湿)タイプ

水液の代謝が失調して体にたまる病理物質「痰湿」に関して中医学的な解説をした画像

一方で、梅雨時期に多いのが「痰濁(たんだく)・痰湿(たんしつ)」による頭重感です。

これは、余分な水分や老廃物が停滞し、頭部へ影響している状態。

  • 頭が重い
  • 眠気が強い
  • 吐き気
  • めまい
  • 胃もたれ
  • ベタつく感じ

などは、痰濁(痰湿)タイプで見られやすい症状です。

特に梅雨は湿邪によって水分代謝が乱れやすく、痰湿・痰濁が停滞しやすい季節です。

例えば、

  • もともとの脾虚(胃腸虚弱)から痰湿が生まれるタイプ
  • 胃腸は比較的強いが、暴飲暴食によって痰湿が生じるタイプ

などがあります。

玄先生
玄先生
どちらのタイプでも、梅雨時期の暴飲暴食や冷たい物の摂りすぎは、痰湿を悪化させやすいため注意したいですね。

混合タイプ(虚実夾雑)

実際の梅雨時期の不調では、「虚」と「実」が同時に存在するケースも少なくありません。

東洋医学では、このような状態を「虚実夾雑」と呼びます。

例えば、

脾胃気虚

水分代謝低下

痰湿・痰濁が生まれる

頭部へ影響する

このように、もともとのエネルギー不足(虚)が原因となって、湿や痰濁(実)が生まれることがあります。

  • 疲れやすい
  • 頭が重い
  • ぼーっとする
  • 胃腸が弱い
  • 雨の日に悪化しやすい
  • 眠気が強い

など、この状態では「気虚っぽさ」と「湿っぽさ」が混在するのが特徴です。

そのため、このタイプには

  • ただ補うだけ
  • ただ湿を取るだけ

では改善しにくいこともあります。

玄先生
玄先生
梅雨時期は特に、胃腸を守りながら、水分代謝を整えることが大切になります。

頭重感にも漢方的な違いがある

五苓散タイプ

「水が停滞している」タイプ。

  • 雨の日に悪化
  • 気圧変化に弱い
  • むくみやすい
  • 頭痛、頭重感、めまい
  • 舌が腫れぼったい

東洋医学では「水滞」「水毒」などの状態として考えます。

五苓散は利水の代表的な漢方薬。

水分代謝が原因の頭痛や頭重感に良く活用されます。

水の偏りを改善する漢方薬「五苓散」について解説したブログのサムネイル画像
水の偏りによる症状に!五苓散(ごれいさん)二日酔い、頭痛・めまい { "@context": "https://schema.org", "@type": "VideoObject",...

苓桂朮甘湯タイプ

「水が上にのぼる」タイプ。

  • ふわふわする
  • 立ちくらみ
  • めまい
  • 動悸感
  • 不安感

処方構成は五苓散に似ていますが、顕著に「めまい」を感じる際は苓桂朮甘湯を使うことが多いです。

めまいの漢方薬なのに苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)が効かない理由とは? みなさん、こんにちは! 漢方薬剤師の玄(@gen_kanpo)です。 漢方薬局で...

補中益気湯タイプ

「頭までエネルギーを持ち上げられない」タイプ。

  • 疲れやすい
  • ぼーっとする
  • 立ちくらみ
  • 横になると楽
  • 胃腸が弱い
  • 慢性的な疲労感

補中益気湯が使われる頭重感は「清陽不昇(せいようふしょう)」タイプ

玄先生
玄先生
補中益気湯は、「気虚」を補い、清陽を持ち上げる方向で考えられる代表的な処方です。
漢方薬で補剤の王様と呼ばれる【補中益気湯】についてRPGゲームの戦闘画面風に解説した画像
胃腸を重視したすごい先生が作った!補気の王様【補中益気湯】 { "@context": "https://schema.org", "@type": "VideoObject", ...

半夏白朮天麻湯タイプ

「痰濁が頭部へ停滞する」タイプ。

  • 頭が重い
  • ぼーっとする
  • 眠い
  • 胃腸虚弱
  • 吐き気

半夏白朮天麻湯は、

  • 胃腸を整える
  • 余分な湿をさばく
  • 痰濁を除く
  • 頭部の巡りを整える

という考え方を持つ処方です。

東洋医学では「脾は生痰の源」とも言われます。

つまり、胃腸が弱ることで痰湿・痰濁が生まれやすくなるという考え方です。

また、現在日本で一般的に使われている半夏白朮天麻湯は、内部に「(ほぼ)六君子湯」を含む構成になっています。

そのため、単純な「痰濁タイプ」だけでなく、

「胃腸虚弱(気虚)」

「湿・痰濁」

のような「虚実夾雑」タイプにも応用されやすい処方です。

梅雨時期に、

  • 疲れやすい
  • 胃腸が弱い
  • 頭が重い
  • ぼーっとする
  • めまいっぽい

など、「気虚」と「湿」の両方を感じるケースでは、半夏白朮天麻湯などを検討しても良いかもしれません。

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梅雨時期の養生法

養生のイメージ画像

胃腸をいたわる

今まで説明した通り、虚実どちらも胃腸(≒脾胃)のケアが大切。

梅雨時期の頭重感対策には、まず胃腸を守ること!

  • 冷たい飲食を控える
  • 暴飲暴食を避ける
  • 甘いものを摂りすぎない

こうした基本が、頭重感から守ることにつながります。

軽く汗をかく

湿邪は「停滞」を起こしやすい邪気。

そのため、

  • ウォーキング
  • ストレッチ
  • 軽い筋トレ
  • 入浴

などで気や水分を動かすことが大切です。

激しい運動である必要はありません。

特にデスクワークが多い人は一時間に一回は立ったり、肩を回したり、「巡らせる養生」を取り入れましょう。

部屋の除湿も重要

湿邪対策は「体の外」も重要。

  • 除湿機
  • エアコンの除湿
  • 換気

などで生活環境の湿気を減らすことも意識したいですね。

玄先生
玄先生
個人的に「除湿器」は現代日本の梅雨を乗り切るマストアイテムだと思っています。

↑マイベストのおすすめ1位の除湿機

まとめ

梅雨時期の「頭が重い」「ぼーっとする」「眠い」といった不調。

中医学では、

  • 清陽不昇
  • 痰濁・痰湿
  • 水滞
  • 湿邪

など、さまざまな要素が関係していると考えます。

特に梅雨は、胃腸が弱りやすく、水分代謝が乱れやすい季節。

そのため、

  • 胃腸を守る
  • 冷たい物を摂りすぎない
  • 軽く体を動かす
  • 湿気をためない

といった養生が大切になります。

玄先生
玄先生
「なんとなく頭が重い…」を放置せず、梅雨時期は湿と胃腸を意識した養生を取り入れてみてくださいね。

養生訓に学ぶ梅雨の養生の記事はコチラ

ABOUT ME
漢方薬剤師 玄
✅資格:国際中医師 | 薬剤師 |健康運動実践指導者 ✅漢方相談歴10年以上✅胃腸を中心とした漢方相談が特徴。✅健康や中医学の情報を『楽しく面白く』発信中。 お気に入りにするとあなたの生活の質がちょっぴり向上するかも!