イライラした時かな!
対応する『めまい』じゃないからね!
みなさんこんにちは!
漢方薬剤師の玄(@gen_kanpo)です。
「めまい」で有名な「苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)」
病院などでも頻用される「めまい」の良薬です。
ですが、「めまい=苓桂朮甘湯」ではありません!
そこで今回は「めまいの良薬」である苓桂朮甘湯について解説してみようかと思います。
- めまいで悩んでる
- すでに苓桂朮甘湯を飲んでいる
- 低気圧に体調が悪い
苓桂朮甘湯ってどんな漢方?

簡単に説明すると
不要な水を去ることにより上部のふらつき、めまいに対して有効な漢方薬です。
出典の「金匱要略」には
【金匱要略】
「心下痰飲あり,胸脇支満,目眩す,苓桂朮甘湯之を主る」
☆超意訳
「胃腸のあたりに不要な水分がたまって苦しい、めまいがある時には苓桂朮甘湯を飲みましょう。」
という意味です。
苓桂朮甘湯は水分代謝を上げて不要な水分を去る漢方薬です。
余分な水分が溜まっていない人には効きにくいのです!
だから私には効かなかったのね!
構成生薬
生薬名 | 効能 |
---|---|
茯苓 | 健脾利水→体の余分な水分を小水で抜く |
白朮 | 健脾利水、燥湿←茯苓を助けさらに余分な水分を抜く |
桂枝(桂皮) | 桂枝→下からの突き上げを下ろす 桂皮→体を温め水分代謝を助ける |
甘草 | 各生薬の調和 |
☆君薬(メインの生薬)は茯苓、4味からなるシンプルな処方です。
4つの生薬のうち2つは利水の効能を持ちます。
- 胃腸を温め不要な水を抜く
- 胃腸を元気にして不要な水を作らない様にする
漢方薬は一般的に
- 薬味が少ない→シャープ
- 薬味が多い→マイルド
こう考えられています。
苓桂朮甘湯はどちらかというとシャープに効いてくれるタイプの漢方薬です。
よく使う症状

体力中等度以下で,めまい,ふらつきがあり,ときにのぼせや動悸がある
ものの次の諸症:立ちくらみ,めまい,頭痛,耳鳴り,動悸,息切れ,神経症,神経過敏
厚生労働省 薬局製剤指針より引用
めまい・頭痛・立ちくらみ
メインで使う症状です。
これらの症状は原因が様々です。
苓桂朮甘湯がよく効くのは脾胃が冷えて水分代謝が低下しているタイプ。
また体に不要な水がたまっていると、外気の湿気とも連動して不具合をおこします。
悪天候や低気圧で頭痛やめまいが出る人には選択肢に上がります。
動悸、息切れ
苓桂朮甘湯は心下の不要な水分を去る漢方薬。
体に余分な水分が溜まっている人は『心』への血行不良が起きている可能性があります。
心への血行が改善すれば負担は減り動悸、息切れは減ります。
・刺すような痛み→瘀血(おけつ)
・不安感→心血虚 など
タイプがあるよ!
なんでもOKじゃないからね!!
効きにくいタイプ

便利な漢方薬ですがなんでもOKではありません。
間違って使うと逆効果なこともあります。
乾燥がひどいタイプ
前述の通り苓桂朮甘湯は不要な水を抜く漢方薬。
既に乾燥傾向の人はオススメ出来ません!
- 便秘
- 乾燥肌
- 髪がパサつく
- 爪がもろい
この様なタイプは注意が必要です。
体がほてる
体を温める桂皮を含み、体を乾燥させる処方のためほてるタイプには注意が必要。
イライラしためまい
イライラめまいには要注意!
苓桂朮甘湯は水毒を去る漢方薬。
イライラが強いタイプには体を落ち着かせる、冷やす『陰』不足の人がいます。
このタイプは簡単に言えば、体の中で『火事』が起きている状態。
そこに水分を去る処方は『火事』を悪化させてしまう恐れがあります!
すると更に炎上し症状が悪化する恐れがあります。

まとめ

苓桂朮甘湯はめまいの代表処方な漢方薬です。
ただどんな『めまい』にも効くわけではありません。
苓桂朮甘湯について簡単にまとめると
体の余分な水分(水毒)を去る漢方薬で
- 胃腸が弱く水がたまるタイプ
- 悪天候(低気圧)で体調が悪い人
- 動悸、息切れ
この様なタイプに有効。
私は乾燥タイプだから苓桂朮甘湯は合ってないのね!
イライラ&メラメラタイプの青さんが飲んだら大火事なるよ!!