外側の乾燥対策も大事だけど、内側からの対策も大事だよ。
秋ってどんな食べ物がいいんだろう?
みなさん、こんんちは!
漢方薬剤師の玄(@gen_kanpo)です。
最近の秋は中頃まで暑かったり、急に寒くなったり気候の変動が激しいですね。
「秋バテ」という言葉が流行るように体調を崩す人が多いです。
「病院に行くまででもないんだけど…」
こんな人ほど日々の養生が大事になります。
養生の基本は睡眠と食事。
睡眠はシンプルに10秒でも早く寝る←鉄則
みなさんが悩む問題は食事の方ですよね。
そこで、今回は「秋に食べたい食材」をご紹介します。
秋バテや乾燥が気になる人は参考にしてみて下さいね。
- 秋に体調が悪い
- 乾燥する
- 食養生したい
秋という季節について
まずは、秋という季節をおさらいしておきましょう。
秋は容平(ものの形が安定する)といわれるの季節です。
また、寒い冬にむけて栄養を蓄える時期とも考えられます。
野菜や魚は養分をため込むため、栄養価がたかく、味も非常に美味しくなる季節です。
「食欲の秋」といわれるように、食事からの栄養補給に適した季節ですね。
体調面では夏の疲れが出やすい季節です。
秋は陽から陰に移り変わる季節(夏:陽 冬:陰)
朝晩の寒暖差があり、徐々に寒くなる秋は免疫機能が下がりやすい時期でもあります。
東洋医学で免疫機能に関係してくるのが五臓の肺。
肺は外邪から体を守る働きをしています。
秋はこの肺が敏感になる季節でもあります。
漢方薬局ではヘルペスや蕁麻疹、口内炎などの相談が多くなります。
これらは主に免疫機能が低下した時に起こる症状。
特に最近は夏の暑さが猛烈です。
そこから一気に気温が下がると体にとって負担が大きいです。
睡眠や食養生をして体が疲れないようにコントロールしましょうね。
秋の邪気は「燥邪(そうじゃ)」
秋は燥邪が強くなり季節です。
燥邪は名前の通り乾燥の邪気です。
燥邪は肺を痛めやすく、咳などの肺の症状や皮膚(肺と同じ五行説の金に属する)の症状に影響を及ぼします。
秋の食養生
秋の特徴である「寒暖差で疲れやすい+乾燥しやすい(燥邪)」を考慮しましょう。
秋の食養生は「補気(元気を付ける)+潤す」中心になってくると思います。
また、初秋で夏の余気がある時期を【温燥】
晩秋で冬の足跡が聞こえる時期を【涼燥】といいます。
秋は陽から陰に移り変わる季節です。
一つの季節の中でも体調に合わせて「ほてる?」「冷える?」で食材を選べると良いと思います。
秋の色は白
五行説で秋は金に属します。
同じ金に属する色は「白」です。
秋は白い食材がオススメです。
乾燥対策(潤し系)の食材
まずは秋の邪気「燥邪」に対抗するように潤う食材。
前述のように白い食材は潤す性質の食材が多いです。
「白くて潤す」秋に適した食材を紹介していきます。
梨(なし)
秋に美味しいフルーツ【梨】
- 体の熱を清め、潤す
- 肺を潤し咳を止める
- 酒毒を去る
甘くて美味しい梨は「涼性」で潤す性質です。
残暑が厳しく汗をかきやすい初秋や乾燥する秋にもオススメです。
少し冷やす性質なので胃腸が弱い方は食べすぎ無いようにしましょう。
ちなみに‥
梨の栄養素が皮の部分に多いとされます。
皮ごと食べても大丈夫です。
梨の皮は生薬として咳の漢方薬に使われます。
白ごま
色々な食材との相性が良い【白ごま】
- 肌を潤す(潤膚)
- 便通をつける(潤腸)
- 抗酸化物質が豊富
乾燥しやすい人は積極的に取りたい食材です。
抗酸化作用が強いため夏場の紫外線が気になる人もオススメ。
ご飯やおかずにかけると子供でも食べやすいです。
油分が「黒ごま」より多いためゴマ油の原料は白ごまが使われます。
消風散という漢方薬のに使われる「ゴマ」は黒ごまです。
豆腐
秋の主気は「燥」
初秋で夏の余気が残っているときは「温燥」
この時期は秋に食べたい白い食材の代表【豆腐】です。
良質なタンパク質を含む豆腐は
- 体を潤す
- 母乳の出をよくする
- 体の余分な熱を去る
冷えやすい人は麻婆豆腐や薬味たっぷりなんか良いです。
辛いのが苦手な人は湯豆腐にしてもOK。
スーパーやコンビニにもおいてあり手軽に食べれるのも良いところですね。
不足しがちな植物性タンパク質を豆腐で補いましょう。
牛乳
最近、敬遠されがちですがカルシウムやタンパク質が豊富な【牛乳】
- 気と陰を補う
- 腸を潤す
偏った使い方をしなければ手軽に飲めて優秀な食材です。
身体を気と陰を補い、腸を潤します。
特にホットミルクすると、胃腸の負担が減ります。
心を落ち着かせるとされ、寝付きが悪い、イライラ時におすすめです。
※ピュアココアと合わせると更に良いです。
秋バテ、疲れの人におすすめの食材
気温の変化が大きい季節「秋」は疲れが溜まりやすいです。
体の気を補う「補気」の食材がオススメ。
脾(≒胃腸)と秋の臓である肺は五行で相生(母と子の)関係。
脾が元気になると肺も元気になります。
逆に、夏に冷たいものを暴飲暴食して胃腸が弱ってる人は肺が弱り「秋バテ」になる可能性があります。
山芋
山薬(さんやく)という名前で生薬としても使われる【山芋】
※大和芋や長芋、自然薯を含む
- 気を補う
- 腎陰を補う
- 体を潤す
- 体液の漏れ防ぐ
昔から「精が付く食べ物」として有名な山芋は補気(元気をつける)の作用があります。
夏の疲れを感じてる人はオススメです。
胃腸にも良い食材ですが、胃腸が弱り切っている人はネバネバが負担になるので注意。
※ヌルヌル成分は消化酵素
胃腸に自身がない人は加熱して食べるようにしましょう。
さつまいも
脾胃を元気にする黄色い食材【さつまいも】
- 甘いけど低GI
- 食物繊維豊富⇒便通改善(通便)
- 熱に強いビタミンC
- 脾胃の気を補う
平性で寒熱を気にせず食べれるのも良いです。
焼く、蒸かすなどシンプルな調理でも美味しいですよね。
甘いですが、食物繊維が豊富でGI値が低いので筋トレ家などからも好まれています。
きのこ類
今では一年中食べることができるきのこ類。
美味しい季節は秋です。
個別で薬膳的な効能が違いますが、一般的にキノコ類は
- 低カロリー
- 食物繊維が豊富
- ビタミンB1・B2・D
- カリウム(ナトリウムを体外に出す)
食べごたえがあるのに関わらず食物繊維が豊富で低カロリー。
ダイエットの強力な味方です。
薬膳的には「補気の作用」があるものが多いです。
お疲れの人にオススメです。
優秀な食材ですが、食物繊維が豊富なのでよく噛まないと胃の負担になるので注意しましょう。
きのこ類は様々な生薬に使われます。
【一例】茯苓、猪苓、沢瀉、冬虫夏草など
はちみつ
夏場の冷房をつけて寝ることで「喉がイガイガする人」多いと思います。
こんな時はハチミツがオススメ。
殺菌作用もあり喉の不調には一般薬よりも有効というデータがあります。
ハチミツには以下の使い方ができ、
- 五臓を補う
- 肺を潤し、咳を止める
- 腸を潤し便秘対策
- 体を元気にする
一年を通して食べたい食材です。
また、酸味を足すと酸甘化陰(甘味+酸味=陰)の効果で潤し効果が期待できます。
乾燥しやすい秋にも良いですが、陰を失いやすい夏などにもオススメです。
まとめ
今回は秋にオススメの食材を紹介してみました。
自身の体質に合った食材を選べるようにしましょう。
あ、そうだ、一つ言い忘れた。
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