みなさん、こんにちは!
漢方薬剤師の玄(@gen_kanpo)です。
七草粥(ななくさがゆ)は知っていますか?
正月明けに食べる『薬草入りのおかゆ』ですね。
ではなぜ正月明けに野草を入れた特別なおかゆを食べるかも知っていますか?
そんなことで今回のテーマは『七草粥』!
また苦手な人向けの代わりになる食べ物を紹介していきます。
- 年末年始に暴飲暴食をした
- 胃腸が弱い
- 七草粥の由来を知りたい
七草粥とは?
一般的には無病息災を祈って1月7日の朝に食べる、春の七草を入れたお粥を指します。
(地方によっては入れるもの、日付は異なります。)
無病息災の以外にも『正月で疲れた胃腸を回復させる』意味合いがあるといわれています。
そのため味はシンプルに薄い塩味で召し上がります。
用意するのは1月6日の夜。食べるのは1月7日
七草を用意するのはを1月6日の夜。
恵方の方角を向きながら包丁で細かく刻みます。
この時、薬草1種類につき7回ずつたたき、計49回たたいて刻むと良いとされています。
また刻みながら七草囃子という歌を歌います。
そして無病息災を願って1月7日の朝に食べます。
春の七草とは?
では『春の七草』にはどんなものがあるのでしょうか?
個別に解説していきます。
芹(せり)
独特な香りなセリは生薬で「水芹(すいきん)」と呼ばれています。
芳香性が高く
- 食欲増進
- 気の流れを改善(ストレス予防)
- 解毒
- 高血圧、動脈硬化
などに効果があるとされます。
『競り勝つ』という意味があるんじゃな。
薺(なずな)
ぺんぺん草っと言ったほうがわかりやすいかもしれませんね。
『なでて汚れをはらう』という意味がります。
薺(なずな)は生薬では『薺菜(せいさい)』と呼ばれており
・体を冷やし出血を止める
- 利尿効果、むくみに
- めまい、ふらつきに
- 目に充血、痛みに
御形(ごぎょう)
母子草(ハハコグサ)とも言いますね。
名前の由来は雛祭りの古い風習が由来とされています。
- 咳止め
- 利尿作用
繁縷(はこべら)
『ハコベ』とも言います。
食用にするほか鳥や家畜のえさにもされてます。
- 血流改善
- 歯槽膿漏の予防
- 胃腸動きを助ける
仏(ほとけ)の座(ホトケノザ)
花のかたちが『座禅をくんだ仏様』のような形をしている為、このような名前で呼ばれるようになったとされています。
- 健胃
- 整腸作用
- 高血圧予防
菘(すずな)
野菜の蕪(カブ)の事です。
見た目から「神を呼ぶ鈴」として縁起物とされてきました。
- 胃もたれ、嘔気に
- 消化を助ける
- 咳を止める
- 解毒作用
蘿蔔(すずしろ)
野菜の大根(ダイコン)の事です。
根っこが「汚れのない純白さ」とされ蘿蔔(すずしろ)と呼ばれるようになったとされます。
- 消化を助ける
- 咳を止める
- 痰を去る(特に黄色い痰)
- 血行促進
七草粥を食べるメリット
では『七草粥』を食べるとどんなメリットがあるのでしょうか?
メリット①消化が良くなり元気に
上記の通り七草粥の胃腸の動きを改善する薬草が豊富に含んでいます。
またお粥にすることで消化も良く効率よくエネルギー摂取ができます。
年末年始で疲れて動きの悪くなった胃腸にはもってこいです。
中医学では気(エネルギー)を作るのは五臓の脾(≒胃腸)。
胃腸が弱っていれば気(エネルギー)は作れません。
仕事はじめのうちに七草粥を食べてエネルギー補給と胃腸を調えましょう!
メリット②軽い風邪症状の改善
七草粥には『咳、痰を去る』『解毒作用』の生薬を含みます。
またビタミンCを中心に栄養も豊富です。
- 軽い咳、痰
- 風邪のひき始め
この様なときに有効です。
乾燥して風邪がはやる冬にはもってこい!
メリット③むくみ対策
七草粥には利尿作用がある薬草も多く含みます。
冬は汗をかきにくいので浮腫む人が多い季節でもあります。
寒くて水分代謝が低下している人にはオススメです。
もし七草粥が苦手だった場合は?
好みのもよりますが正直あまり美味しい物とは言いにくい七草粥。
(好きな人がいたらごめんなさい!)
もし七草粥が苦手だった場合どんなものを食せばよいのでしょうか?
無病息災の観点からすると代用は効かなさそうですが
『胃腸の回復食』という点からすると代用できるものはあります!
卵粥
シンプルに卵入りのお粥です。
【卵(鶏卵)】
- 気血を補う
- 体を潤す
- 精神を安定させる
- 体の不要な熱を去る
- 良質なたんぱく質
- ビタミン、ミネラルが豊富
まさに総合栄養食。
疲れた体と胃腸にはもってこいです。
特にお酒をたくさん飲んで『胃』『肝臓』をダメージがある人には良質かつ消化吸収の良いたんぱく質は必須アイテムです。
味付けはなるべく『胃腸』『肝臓』の事を考えシンプル&薄味がオススメ。
野菜はお好みで!(なるべく入れよう)
くたくたおうどん
これは『卵粥』の米→うどんにしただけ!
お好みの野菜とうどんを煮込み、卵でとじて完成!!
ポイントは『うどん』を良く煮込むこと
うどんは『消化が良い!』『消化が良くない!』と意見が分かれる食材。
ただ煮込んでしまえば確実に消化は良いです!!
最後に
日本の代表的な行事食『七草粥』食べることで様々なメリットがあります。
作るタイミングや食べる時期などをきちんとチェックしておきましょう。
簡単にまとめると
- 用意するのは1月6日の夜
- 食べるのは1月7日の朝
- 1年間の無病息災を祈って食べる
- 年末年始で疲れた胃腸に
- 軽い風邪症状に
- 浮腫み対策に
- 苦手な人は代用品でOK
お休みも必要じゃよ!