養生法

子午流注(しごるちゅう)とはなんだろう?【時間別養生】

黄老師
黄老師
子午流注(しごるちゅう)って知っとるか?
玄先生
玄先生
はい!
(この前覚えたから)知ってます!
黄老師
黄老師
流石じゃ!
今日は子午流注を紹介していくぞ!
玄先生
玄先生
(この前覚えたばっかりだから)任せてください!

みなさん、こんにちは!
漢方薬剤師の玄(@gen_kanpo)です。

子午流注(しごるちゅう)って知ってますか?

漢方薬局に勤めていると…

「どんな生活をしたらいいですか?」
「いつ寝たらいいですか?」

こんな質問をされます。
そんな時に参考にしたいのが子午流注(しごるちゅう)という考え方。

今回はこの子午流注(しごるちゅう)について解説していこうかと思います。

玄先生
玄先生
この記事がオススメの人
  • 東洋医学を学びたい
  • 体調が悪い
  • 生活リズムが狂っている

子午流注(しごるちゅう)って何?

どういう漢方?

中国の古典によると1日の中で各臓器の経絡が活発に働く時間があるとされています。

その各臓器が活発に働く時間に合わせた養生を心掛けると良いとされています。

この臓器と時間の関係を表したのが「子午流注(しごるちゅう)」です。

玄先生
玄先生
24時間を12分割して2時間ごとに十二支の名前がついてるよ!

子(ね)の刻(23時~1時)→胆

玄先生
玄先生
しっかり寝る時間ですよ!

『胆(胆のう)』は胆汁をためておく場所です。

この時間は胆汁の分泌が盛んになるとされています。

また、この時間は新陳代謝が活発になるとされているので、『ニキビ』や『皮膚疾患』でお悩みの人は方はこの時間には寝ているようにしましょう。

また、『胆は決断を主る』とされています。
この時間にしっかり睡眠をとっておかないと胆に負担がかかり決断力が低下するかもしれません。
その他にも胆石、胆のう炎など胆の病気がが多くなるとも考えられています。

最近の研究でも22時~2時は、

  • 成長ホルモンが分泌される
  • 脂肪の代謝⇔合成

時間とされています。

この時間に食事をするのは西洋医学的、東洋医学的にもNGです。

丑(うし)の刻(1時~3時)→肝

黄老師
黄老師
熟睡タイム!

将軍の臓・剛臓と呼ばれる『肝』が活発になる時間です。

肝は…

  • 解毒
  • 胆汁の生成
  • 血を蓄える
  • 疏泄作用(≒自律神経の調整)

この時間にしっかり深い睡眠になっていないと体に老廃物が溜まり、消化力も低下します。
肝に負担がかかるとイライラや生理不順の原因になると考えられています。

体調不良の人はまずは絶対この時間は寝ているように!

オールでお酒を飲むなんてのは肝にメチャクチャ負担かかります。

子の時間でも書きましたがこの時間は脂肪の合成、代謝に関係しているとされています。
この時間に食事、あるいは食べたものが消化されていないと肝臓に脂肪が蓄えられてしまう考えられています。

 寅(とら)の刻(3時~5時)→肺

玄先生
玄先生
窓を開けて深呼吸!

少し早いですが1日のスタートの時間帯です。
きれいな空気から体のエネルギー(清気)を作る場所『肺』が活発になる時間です。

1日の始めなので新鮮な空気を取り込めると良いです。

肺が皮毛(皮膚)や鼻を管轄しています。
モーニングアタックと呼ばれるアレルギー症状(鼻水や喘息など)が起こりやすいのもこの時間帯です。

卯(う)の刻(5時~7時)→大腸

黄老師
黄老師
トイレ(大便)に行くのに適した時間じゃ!

『大腸』が活発になる時間です。
この時間に大便に行けるのが理想とされています。

大便はご存知の通り食べ物のカスを体から排出するために起こります。
体は良いものをいくら取り入れても『不要なもの』が体内に残っていると効果は半減します。

肺⇔大腸は表裏の関係。
肺・大腸に負担がかかると皮膚にも負担がかかります。
※肺は皮膚を主る

朝の排便は大事にしましょうね。

辰(たつ)の刻(7時~9時)→胃

玄先生
玄先生
レッツ!朝ごはん!

『胃』が一番活発になる時間です。

この時間に朝ご飯を食べるようにしましょう!
卯の時間でしっかり排泄をした後は朝食でエネルギー補給をするのが良いです。

エネルギー補給とはいえ胃に負担にかかるものは好ましくありません。
温かく、消化の良い食事を心掛けましょう。

この時間に胃に負担(食事を抜く、消化の悪い食事をする)かけると胃の病気になりやすくなると言われています。

巳(み)の刻(9時~11時)→脾

黄老師
黄老師
お腹を温め午前のスタートダッシュ!

『脾』が活発になる時間です。
東洋医学の『脾』は西洋医学の脾臓とは違い。消化器官の機能全般を指します。

詳しくはこちら↓

漢方治療において胃腸が大事な理由 みなさん、こんにちは! 漢方薬剤師の玄(@gen_kanpo)です。 漢方治療に...

脾は胃で消化した食べ物から栄養を取り出し、生命活動に必要な気・血・水(津液)を作り出す臓。
この時間を大事にすると1日が活動的になります。

逆に脾は『湿気』と『冷え』嫌うので、この時間に冷たい飲食をすると体の活動量は低下すると言われています。

午(うま)の刻(11時~13時)→心

黄老師
黄老師
お昼ごはん時々お昼寝じゃ。

陽中の陽といわれる『心』が一番活発になる時間です。

心は西洋医学と同じように血を全身に循環させる臓です。
それに加え東洋医学では精神活動の中心が『心』です。

この時間に負担がかかると精神不安や動悸などに繋がりやすいです。
昼食前後はゆっくりリラックスを心掛けましょう。

15分程度のお昼寝は夜の睡眠の妨げにならないのでオススメです。

未(ひつじ)の刻(13時~15時)→小腸

玄先生
玄先生
お昼ごはんからエネルギー摂取!

精濁(食べ物からの栄養とカス)を分別する『小腸』が活発になる時間です。

小腸は胃で消化した食べ物から…

  • 必要な栄養・水分→脾へ
  • 不必要なカス→大腸
  • 不必要な水分→膀胱

この様に分別します。

栄養を分別する時間なので、この時間に負担がかかると栄養をうまく吸収できなくなるとされています。

体力をつけたい、体重を増やしたい人はこの時間にゆっくり過ごすようにしましょう。

15時~17時 申(さる)の刻(15時~17時)→膀胱

黄老師
黄老師
おしっこに行く時間じゃよ~!

膀胱が活発になる時間帯です。
この時間にはなるべくトイレ(おしっこ)に行きましょう!

膀胱は尿として不要な水分と熱を排泄させる器官です。
また膀胱の経絡は大脳につながっているとされているので、仕事や勉強など集中したいことはこの時間に行うと良いです!

酉(とり)の刻(17時~19時)→腎

玄先生
玄先生
腎に栄養になる黒い食材&消化の良い夕食を食べよう!

五臓で一番深く陰中の陰とされる『腎』が活発になる時間です。

腎は

  • 水分代謝
  • 呼吸の吸気(吸う)
  • 生命エネルギーの蓄える

この様な働きをしています。

腎に蓄えられるエネルギーは腎精(先天の精)といわれ親から受け継いだエネルギーです。
この精は後天的に食事からも補うことができます→後天の精

そのため夕食には腎を補う食事(例:黒い食べ物)などを食べることがオススメ。
そして、消化の良い食事をすることで精を蓄えることができます。

戌(いぬ)の刻(19時~21時)→心包(しんぽう)

黄老師
黄老師
夕食後の軽い運動、ストレッチがオススメじゃ!

心臓の外側を包む(とされている)『心包』が活発になる時間です。

心包は君主の臓である心を邪気から守り、気血の循環をコントロールしていると言わています。
この時間は軽い運動などで心の機能を高めると良いとされています。

ただ、心は陽の臓です。
あまり激しくしてしまうと不眠などにつながるので、リラックスできるような運動にしましょう。

亥(い)の刻(21時~23時)→三焦(さんしょう)

玄先生
玄先生
寝る準備を始めましょう。

全身の体液の通路『三焦』が活発になる時間です。

この時間は1日の疲れ、ストレスをゼロクリアするのに大事な時間です。
なるべく内臓を休めるために食事や喜怒哀楽が過剰になるような行為(テレビ、インターネットなど)は控えておきましょう。
リラックスできる音楽、本などがオススメです。

まとめ

どうでしたか?

今回紹介した「子午流注(しごるちゅう)」は「絶対にしなくてはいけない!」というものではありません。
でも結構、理にかなっていると思いませんか?

玄先生
玄先生
どんな生活をしたらいいのか分からない人はぜひ参考にしてみて下さいね。

今回の絵は知り合い(@tsunaruga)に書いてもらいました!

参考文献↓

【玄さん推薦図書】~体とココロが喜ぶごほうび漢方~田中友也先生の「体とココロが喜ぶごほうび漢方」についての評判、評価、レビュー、個人的な感想をまとめてみました。...
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漢方薬剤師 玄
✅資格:国際中医師 | 薬剤師 |健康運動実践指導者 ✅漢方相談歴10年以上✅胃腸を中心とした漢方相談が特徴。✅健康や中医学の情報を『楽しく面白く』発信中。 お気に入りにするとあなたの生活の質がちょっぴり向上するかも!