それなら杞菊地黄丸がよく効くかもね!
みなさん、こんにちは!
漢方薬剤師の玄(@gen_kanpo)です。
皆さんは、目が疲れたり、かすんだりすることはありますか?
最近はPCでの仕事が増えているようで目のお悩みの相談が増えています。
そんなドラッグストアで目薬を買って凌いでいる人に朗報!
なんと疲れ目に有効な漢方薬があるのです!!
その名も
『杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)』
外側からの目薬と合わせるとさらに効果的になりますよ!
そこで今回は目に効く漢方薬『杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)』について解説していきます。
- かすみ目、疲れ目が気になる
- PCの作業が多い
- 視力が低下してきた
杞菊地黄丸ってどんな漢方薬?
簡単にいうと
(加齢による)かすみ目、疲れ目によく効く漢方薬です。
でも、若い人には効かないの?
出典は医級という清の時代の医学書で、そこには
「肝腎不足のエネルギーが不足して(肝腎陰虚)かすみ目、物が二重に見える)、目が乾燥して痛む時には杞菊地黄丸を飲もう!」
※超意訳
と書いてあります。
目をつかさどる臓器は『肝』
老化に関係する臓器は『腎』
五臓で目をつかさどるのは『肝』です。
そし肝は血を蔵する臓器でもあります。
そのため肝にたまる血(陰)が足りないと目を栄養できなくなり、正常な働きができなくなります。
また目は加齢でも悪化することがあります。
その場合は老化現象に関係している『腎』を補う必要もあります。
構成生薬
生薬名 | 効能 |
---|---|
菊花 | 平肝明目 目の充血を去り肝の機能を調える |
枸杞子 | 養肝明目 目(肝)に栄養を与える |
熟地黄 | 補腎陰 腎を補い血を潤す(六味丸) |
山茱萸 | 補肝腎 不要な漏れを防ぐ |
山薬 | 胃腸(脾胃)を助ける・補腎 |
茯苓 | 不要な水をさばく 胃腸を助ける(山薬の補助) |
沢瀉 | 利尿 体の不要な熱を去る |
牡丹皮 | 血流改善 体の熱を去る |
六味丸に菊花と枸杞子を加えた処方です。
【六味丸(六味地黄丸)】は
『三補三瀉』といわれる内容で。
腎を補う代表処方です。
- 排尿困難、頻尿などの尿の悩み
- 加齢からくる疲れ、腰膝の重ダルさ
- 子供の発育不全
などの治療に使用する漢方薬です。
この腎を補う六味丸に肝に作用する菊花と枸杞子を加えた処方が杞菊地黄丸になります。
杞菊地黄丸は『肝』『腎』の両方を補うことができるのね!
だから、PCの使い過ぎでも老化現象でも目の症状なら幅広く対応ができる処方なんだよ!
よく効く症状
体力中等度以下で,疲れやすく胃腸障害がなく,尿量減少又は多尿で,
ときに手足のほてりや口渇があるものの次の諸症:かすみ目,つかれ
目,のぼせ,頭重,めまい,排尿困難,頻尿,むくみ,視力低下厚生労働省 薬局製剤指針より引用
疲れ目、かすみ目、視力低下
前述の通り肝腎(の陰)を補う杞菊地黄丸。
老化や慢性疲労などでおこる疲れ目、かすみ目に良く効きます。
ただ、急激に改善する処方ではないので一カ月単位くらいで気長に服用していきましょう。
頭重、めまい
これはどんなめまいや頭重感にも効くわけではありません!
回転性のめまいや激しいめまい(頭痛)ではなく
- なんとなくふらつく
- 疲れてくるとめまい・頭重がする
- 弱々しいめまい・頭重
この様な症状に時に適していると言えます。
六味丸が適応の人
ベースが六味丸なので腎虚(老化現象)の症状に有効です。
具体的には
- 頻尿・夜間尿
- 手足がほてる
- 口が乾く
この様な症状にも有効な漢方薬です。
注意すべき点
便利な漢方薬なんだけど気を付けるべきタイプがいます!
胃腸が弱い
地黄が含まれる漢方薬なので胃腸が弱いタイプには要注意です。
また枸杞子にも便をやわらかくする作用があるので下痢しやすい人は注意が必要です。
スグに効くわけではない
漢方薬の中でも特にゆっくり効くタイプです。
飲んでスグに改善する可能性は少ないです。(無い事はない)
継続して服用することをオススメします。
のんびり飲んでみるわ!
まとめ
加齢などによる目の不具合によく効く漢方薬
『杞菊地黄丸』知っておくととても便利な処方ですよ。
簡単にまとめると
【良く効く】
- 疲れ目、かすみ目、視力低下
- 慢性的な疲れからくるめまい・頭重
- ほてるタイプの頻尿、夜間尿
【注意すべきタイプ】
- 胃腸が弱いタイプ
- スグに効くわけではない
特に青さんみたいなタイプは!
怒りを統括する肝が旺盛なタイプ!
簡単に言うと、すぐに怒るタイプ!