何か漢方薬は無い?
それなら柿蒂湯(していとう)がいいかもね!
興味あるーー。
みなさん、こんにちは!
漢方薬剤師の玄(@gen_kanpo)です。
しゃっくりが止まらないとビックリしますよね。
「悪い病気の前触れ?」
「脳に疾患?」
インターネット上にはこんな情報もあります。
少し心配になっちゃいますよね!
でも、一般的には短期で治まることがほとんどで
- アルコール
- 暴飲暴食・早食い
- 刺激物の食べ過ぎ
- ストレス
これらが原因とされています。
大体は時間の経過で改善されますが煩わしいのは間違いありません。
西洋薬には「しゃっくり」で使うものは少ないですが、漢方薬には明確に「しゃっくり」で効能効果があるものがあります。
その一つが今回紹介する「柿蒂湯(していとう)」です。
自身、周りの方で「しゃっくり」でお悩みの方がいたら検討してみてください。
- しゃっくりが出る
- しゃっくりの薬が欲しい
- 体が冷える
柿蒂湯ってどんな漢方薬?
簡単に説明すると
ずばり!しゃっくりを止める漢方薬です。
出典の済生方にも
胸が苦しく、しゃっくりが止まらない時に治療する
※超意訳
と書いてあります。
「しゃっくり」は横隔膜の痙攣で起こるとされます。
中医学では本来、下向きの胃の気が何らかの原因で逆流することで起こる症状と考えます。
構成生薬
≪生薬名≫ | ≪効能・効果≫ |
---|---|
柿蒂 | 胃を温め しゃっくりを止める |
丁子 | 胃腸を温め 気の巡りを良くする |
生姜 | 胃腸を温める 上の2つをサポート |
メインの生薬は漢方名からわかるように柿蔕(してい)
これは柿の蔕(へた)
果実の上についてるあの部分です。
丁子とは、よく肉料理に使うスパイス「グローブ」です。
3味からなるとてもシンプルな処方です。
全て温性の生薬で「温める」漢方薬になります。
胃が冷えることにより本来、下向きの胃の気が逆流することで「しゃっくり」が出ると考えられています。
柿蒂湯はその逆流を改善する漢方薬です。
ココで間違っちゃいけないのは胃の気が逆流するのは冷えだけが原因じゃないということ。
- 熱
- 食べ過ぎ
- ストレス
これらでも逆流してくるからあります。
似た処方に丁香柿蒂湯(ちょうこうしていとう)というのがありますが、こちらには人参が含まれます。
人参が入ることで「補」の力が強くなるので慢性的にはこちらが良いとされます。
手に入りやすい処方としては呉茱萸湯にも同じような力があると考えることができます。
よくつかう症状
しゃっくり
厚生労働省 薬局製剤指針 柿蔕湯 効能効果より
今回はそのまんまだね(笑)
しゃっくり
この使い方がほとんどだと思います。
本来はしゃっくりにも寒熱があり柿蒂湯は「寒」のしゃっくりが対象。
熱からくるタイプで効能効果が「しゃっくり」の漢方薬は無いので柿蒂湯で治らな場合は、漢方の専門家に相談しましょう。
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注意すべき点
温める処方
構成生薬の3味は全て温性の生薬です。
体質に的には冷えの人が向いていると思います。
長期で使う場合
長期で使う場合は少し注意。
構成生薬の部分でも書きましたが体を補う生薬が含まれません。
また、多い事ではないですが長期でしゃっくりが出る場合は重大な病気が隠れているかもしれません。
まとめ
今回は「しゃっくり」で効能効果がある柿蒂湯について解説していきました。
今回の内容を簡単にまとめると
柿蒂湯(していとう)はしゃっくりに効く漢方薬
【よく使う症状】
- しゃっくり
【注意点】
- 温める漢方薬
- 長期で使う(効かない)場合は注意が必要
最初に言ったけど早食いや暴飲暴食が原因のことがあるから胃腸を大事にしましょう。