
みなさん、こんにちは!
漢方薬剤師の玄(@gen_kanpo)です。
薬局の棚を見ていると「大正漢方胃腸薬」と「大正漢方胃腸薬K」の2種類が並んでいることがあります。
ハッキリ言って見た目はソックリです!
そのおかげで
「何が違うの?」
「どっちを選べばいいの?」
と迷う方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、その大正漢方胃腸薬(オリジナル)と「K」の違い、選び方を漢方薬剤師の視点からわかりやすく解説していきます。
- 大正漢方胃腸薬を飲んでる
- 胃腸の調子が悪い
- 漢方薬局・薬店に行く時間がない
そもそも大正漢方胃腸薬ってどんな市販薬?


まずはベースとなる「大正漢方胃腸薬」について簡単におさらいしておきましょう。
この製品は、漢方処方「安中散(あんちゅうさん)」と「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」を組み合わせた胃腸薬です。
【各処方をザックリ解説】
- 安中散 … 胃腸を温めることでシクシク痛むようなときに使われる処方
- 芍薬甘草湯 …こむら返りで有名!筋肉のけいれんや急な痛みによく使われる処方
つまり、胃の冷えや不快感に加えて「急な差し込みやキリキリ痛」にも対応できるように工夫された漢方製剤です。
さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください👇
大正漢方胃腸薬とは?粉末・錠剤・内服液の違いを薬剤師が解説
成分の違い


では、本題です!
通常版と「K」の成分にはとこが違うのでしょうか?
それは 芍薬甘草湯の比率 です。
- 通常版 → 安中散(700mg)+芍薬甘草湯(140mg)
- K → 安中散(700mg←同じ)+芍薬甘草湯(170mg←やや多い)
安中散の量は同じだけど、「K」の方が芍薬甘草湯の量が多目だね!
なお、内服液タイプの大正漢方胃腸薬は全く別の処方(五苓散などを含む)なので、ここで紹介しているKとは別物です。
価格の違い
成分だけでなく、実際の販売価格にも差があります。
- 通常版 … 価格がやや安めで入手しやすい
12包 1174円(1包/97.833円) - 「K」 … 芍薬甘草湯の分だけコストがかかっているのか、やや高め
16包 1670円(1包/104.375円)
※最小単位の希望小売価格
同じ大正製薬ブランドなので大きな差ではありませんが、「継続的に買う」というときには価格差が気になる方もいるでしょう。
どう考える?漢方薬剤師の視点


ここまでの違いを整理すると、大正漢方胃腸薬Kはオリジナルより芍薬甘草湯が多めに配合されています。
一方で、安中散の量は通常版と同じです。
どちらも「冷えからくる胃腸の痛み」に使われる処方ですが、Kの方が 急性「キリッとした痛み」や「つっぱり感」 に対応しやすい設計と考えることができます。
値段は「K」の方が少しだけ高めに設定されています。
この点を踏まえると、
【選び方の目安】
- 急に胃が痛くなった・突っ張る感じがある → Kがオススメ
- 常備しておきたい・長めに飲む可能性がある → 通常版でOK
注意点
Kに多く含まれる芍薬甘草湯の「甘草(かんぞう)」は、量が増えると 偽アルドステロン症(むくみ・血圧上昇など) のリスクにつながることがあります。
そのため 長期間の連用には向かず、短期的な症状対応向け と考えましょう。
つまり、短期的な使用であればKは頼もしい存在になります。
もし「数週間以上ずっと胃が弱い」「すぐに胃が重くなる」といった慢性的な症状がある場合は、オリジナル!という選択もできるかもしれません。
ただ、慢性疾患の場合は、市販薬では対応が難しいケースもあります。
その際は自己判断せず、漢方薬局や医療機関に相談するのが安心です。
まとめ


最後にポイントを整理しておきましょう。
- 大正漢方胃腸薬Kは、通常版より芍薬甘草湯が多めに含まれている
- 安中散の部分は大差なし、内服液は全く別処方なので注意
- 価格はKの方がやや高め
- 短期的な胃痛対応ならK、長く飲むなら通常版が無難
芍薬甘草湯の量が違うだけなんだね!
選択肢が多いことは良い事だから、上手に使いわけましょうね。
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