今日からいっぱい食べるぞ!
急にどうしたの?
いっぱい食べたらそれだけ筋肉増えるでしょ?
でも、過剰に食べると、胃腸に負担がかかり逆効果かもしれないよ。
みなさん、こんにちは!
漢方薬剤師の玄(@gen_kanpo)です。
「筋トレを始めました!」
新生活やダイエットを考えると筋トレを始める人が増えますね。
トレーニングをする場合は前後の栄養補給が大事です。
栄養が足りないと筋肉が分解して逆にやせ細くなってしまうこともあります。
では…
「いっぱい食べればOK」
これはどうでしょう?
筋トレ家の中には
「一回太ってからじゃないと筋肉がつかない!」
こういう説もあるようです。
そこで今回は「筋トレと胃腸」について中医学的観点でと私の筋トレ家からの意見をまとめてみたいと思います。
- 筋トレを始めた
- 胃腸の調子が悪い
- 筋トレをしてるのに筋肉がつかない
脾は肌肉(きにく)・四肢に関係する
中医学では消化器官を統括する脾は肌肉を主るとされています。
肌肉とは主に筋肉(形・量)などを指します。
脾が弱ると筋肉に栄養されず体は痩せてしまうとされています。
「痩せたい!」と考える人がいる一方。
中には「太りたい!」「体重を増やしたい」と考える人がいます。
この様な人たちには脾胃を元気にすることが大事です。
過食やバランスの乱れた食事は結果として筋肉につきにくくなります!
肝は筋を主る
「肝は筋を主る」
中医学ではこうも言われています。
肝が主る筋とは「筋肉」よりも筋膜など関節をつなぐ筋肉組織
- 脾→筋肉の形・量
- 肝→筋肉の働き
こう考えられています。
もちろん肝が弱ってもダメです。
肝の気血が不足すれば筋の機能は不十分になり動きが鈍くなります。
肝が異常があると…
- 筋肉のけいれん
- ふるえ
- しびれ
また、脾と肝は相克関係で、ストレスが強いと脾胃の動きに影響します!
脾は生痰の源
脾胃は飲食物から体に必要なものを作る大切な場所。
その反面、中医学で脾は痰(体の不要なベタベタ)を生む源とされています。
痰湿が溜まると体は重ダルく、体は太りやすくなります。
筋肉ではなく脂肪が増えて体重が増えるイメージですね。
腸内環境と筋肉
現代でも胃腸の調子・腸内環境は重要視されています。
免疫など腸内細菌は様々な体の生理現象に影響しているとされています。
腸内環境で悪玉菌が増えると体調の面で色々影響があるのでは無いかと研究されています。
悪玉菌は、たんぱく質や脂質が中心の食事・不規則な生活・各種のストレス・便秘などが原因で腸内に増えてきます。腸内細菌は肥満、糖尿病、大腸がん、動脈硬化症、炎症性腸疾患などの疾患と密接な関係があり、これらの患者の腸内細菌は健常者と比べて著しく変化していることが知られています。
筋トレをする人も腸内環境を気にする人が多いです。
中医学の考えと似ていますが、腸内環境が乱れると必要な栄養が吸収されません。
食物の消化吸収が低下すれば体内への栄養が減って筋肉を分解してエネルギーを作ろうとしてしまいます。
食べ物は胃腸に直結するもんね!大事にしなきゃ!
タンパク質と腸内環境
筋肉の材料は主にタンパク質です。
タンパク質は三大栄養素(糖質・タンパク質・脂質)の一つ。
生活運動強度や年齢で必要なタンパク質量は違います。
筋トレをする人はプロテインなど基準よりも高タンパクな食事をとります。
ただ、取り過ぎには注意。
一般的にタンパク質はアミノ酸に分解され小腸で吸収されると言われています。
一度に多くタンパク質を摂取すると胃腸の消化吸収能力のキャパオーバー。
大腸にアミノ酸が増え腸内細菌が乱れるとされています。
タンパク質過多の食事になると「オナラが臭くなる」という噂もあります。
一度に消化吸収できるタンパク質の量は個人差がありますが、1回の食事につき20から30gと言われています。
オススメ食材
筋トレ・ダイエットに役立ち脾胃に優しい食材を少しご紹介。
脾は五行説で「土」です。
- 土の色は「黄」
- 土の味は「甘」
これだけ食べれば…
- やせる
- 筋肉がつく
- 胃腸が元気になる
こういう訳ではないので注意しましょう。
ここで紹介するのは一部分です。
もちろん!過食はダメです。
あくまで参考程度に考えて自分にあった食材を見つけましょう!
お米
お米(うるち米)は平性で補中、益気、和胃。
胃腸を元気にして気を作ります。
気の旧字は「氣」中に「米」が入っています。
トレーニングに必要な糖質の補給も出来ます。
運動前後は補気の食材「お米」を食べ気を補いましょう。
【お米は補気の食材だけど…】
湿熱タイプは餅やモチモチ米は控えめに!
炎症や胃腸が重い人はサッパリ米の方が向いています。
具体的にはデンプンの種類でサッパリ米とモチモチ米に分けることが出来ます。
アミロース:インディカ米などサッパリ米に多くふまれる
アミロペクチン:もち米などモチモチ米に多く含まれる(もち米はアミロペクチン100%)
薬膳の世界でも「もち米」は補気の作用は強いですが胃腸に重く熱を持ちやすい性質です。
皮膚炎や胃腸の不具合が多い人はサッパリ米を選ぶようにしましょう。
具体的にはササニシキは高アミロース米です。
大豆
大豆は平性で補気健脾。
脾の機能を高めてくれます。
栄養的にも高たんぱくで筋肉には持って来いの食材です。
潤い不足の人は豆乳・豆腐だとさらにGood!
「大豆は筋肉がつきにくい!」と言う考えがありますが、あくまで動物性タンパク質と比べてだと思っています。
サツマイモ
サツマイモは平性で補中 和胃 益気
胃腸の調子を整え便通の改善も期待できます。
栄養的にはでんぷん・ビタミンC・食物繊維が豊富。
本来ビタミンCは熱に弱いとされていますが、サツマイモのビタミンCはでんぷんによって保護されているため熱に持ち強いとされています。
低脂質・GI値が低い・食物繊維が豊富ということで筋トレ家がダイエットするときに好んで食べる食材の一つ。
工夫次第で食事、おやつにも使えて便利です!
バナナ
バナナは寒性で通便。
消化も良く食物繊維が豊富で腸の調子を整えてくれます。
熱を去る食材なので冷え体質の人は少し注意。
スグに食べれるので朝食にも便利ですね。
スーパー・コンビニどこでも売っているので調達も簡単です。
糖質は悪者にされがちですがしっかり運動する人には必要な栄養。
特に筋トレ(無酸素運動)するためには必須の栄養です。
【主なエネルギー源】
- 糖質→無酸素運動
- 脂質→有酸素運動
まとめ
筋肉と脾胃(≒胃腸)の関係について解説していきました。
今回の内容を簡単にまとめると…
脾胃(≒胃腸)は肌肉(筋肉量)を主る→筋肉つけたいなら胃腸を大事に!
- 脾胃の状態が悪いと肌肉が痩せ細る
- 過食は筋肉(肌肉)よりも脂肪(痰湿)が増える
- 一度の食事でタンパク質過多は腸内環境が乱れる
適正な量と質が大事になってくるよ。