なにごとも激しすぎると身を滅ぼすな!
みなさん、こんにちは!
漢方薬剤師の玄(@gen_kanpo)です!
今回は【美文字DE健康プロジェクト】のまとめ第二弾!
激しい感情は体に悪影響を与えます。
このことについて中医学の基礎理論にある言葉を交えて説明していこうかと思います。
今回も、ちえさん(@Suisen_555)の協力していただき字を書いてもらいました!
ありがとう~!!
感情について
中医学では感情は『七情』といって七つの感情に分けることができます。
通常ではこの感情の変化では発病に至ることはありません。
ところが
- 急に強い感情の刺激
- 長期的な感情の刺激
この様な刺激を受け、許容範囲を超えると気血の流れが悪くなり臓腑の機能が失われ発病してしまいます。
これらは中医学では病気の原因の1つ『内因(ないいん)』に属します。
ちなみに外からくる六気
風・寒・暑・湿・燥・火
は過剰になると六淫(ろくいん)と呼ばれ『外因(がいいん)』に属し、こちらも病気の原因になるとされています。
ってことですよ!
怒則気上(どそくきじょう)
怒りの感情が過ぎると『気が上る』という意味です。
怒りの感情は五臓の『肝』に属します。
実際の現場で多い症状は
- 顔が真っ赤になる
- 頭痛
- めまい
- 目が充血する
アニメや漫画で怒っている人の顔が真っ赤になる描写がありますよね!
まさにあんな感じです!
バッカも~ん!!
って感じね(笑)
この様なタイプは薄荷(ミント)がオススメです!
中医学で薄荷は
- 体を冷やす
- 肝の気を流す
まさに、ピッタリの生薬です。
↓薄荷(ミント)を含む代表【加味逍遥散】の記事です。
喜則気緩(きそくきかん)
喜べば『気が緩む』という意味です。
喜びの感情は五臓の心に属します。
喜びの感情は心の緊張を和らげ、気血の流れをゆったりとさせます。
何かと気を張りすぎる現代では、心をホッコリさせるために
- 喜び
- 楽しい
- 嬉しい
この様な感情がとても重要です。
本来、良い感情の『喜び』ですが、緩みっぱなしや急な喜びはちょっと問題!
「喜」が過ぎると
- 不眠
- 動機
- 集中力の低下
- 情緒不安定
この様な原因になります!
毎日喜びがあるのは良い事ですが、それだけだとダメという事です。
メリハリのある生活を心がけましょうね!
悲則気消(ひそくきしょう)
悲しめば『気が消える』という意味です。
悲しみに臓器は五臓の『肺』に属します。
過度な悲しみは肺の気を抑鬱し、熱を帯び、肺の気を消耗させてしまします。
悲しみが続くと
- 息切れ
- 疲労感
- 皮膚病
- 花粉症や鼻炎
この様な症状が悪化します!
特にこの感情は秋に多くなるとされています。
秋は夏の疲れで体も弱りやすい時期です!
恐則気下(きょうそくきか)
恐れると『気が下がる』という意味です。
恐れの感情は五臓の『腎』に属します。
『恐』と『驚』は似ている感情です。
- 『驚き』は予測していないことが突然発生した時の感情
- 『恐れ』は予測しているものに対しての感情
恐れの感情が過ぎると
- 失禁(二便)
- 流産
- 脱毛
- 手足の無力感
- 閉経がはやまる
- 記憶力低下
この様な症状が悪化すると言われています。
これは腎が二陰(排尿器官、生殖器官、肛門)を統括すると言われ、これらから漏れるの防いるためです。
また脳や髪の毛や骨も腎が統括しています。
驚則気乱(きょうそくきらん)
驚けば『気が乱れる』という意味です。
驚きの感情も五臓の『腎』に属します。
ただ驚きの感情は『心』にも影響をあたえます。
そのため驚きの感情が過ぎると
- 気持ちが静まらない
- 冷静な判断ができない
- 精神不安(パニック)
- ひどいと失神
この様に心の乱れが強く出てしまいます。
詐欺の手口などこの『驚き』を利用しています。
急に驚くような言葉を使い心を乱すのです。
もともと心や体が弱っていると急な『驚き』に耐えられなくなります。
https://gen-kanpo.com/seisin
思則気結(しそくきけつ)
思いは『気を結する』という意味です。
思いの感情は五臓の脾(胃腸)に属します。
ここでの『思』というのは
- 考えすぎる
- 思い悩む
『結』というのは
- 停滞する
- 詰まる
- 動きが悪くなる
実際の現場ではよくある症例です。
思いの感情が過ぎると
- 食欲不振
- お腹が張る
- 軟便
この様な胃腸の障害が現れます。
またこのタイプは胃腸が弱り、体の気血が足りなくなることがあります。
そうすると『心』にも悪影響がでて
- 不眠
- 夢が多い
- 物忘れ
- 動悸
この様な症状が出てきます。
まとめ
今回は過度の感情がもたらす悪影響についてまとめてみました。
- 怒り→気が上がる(顔が赤くなる、目の充血など)
- 喜び→気が緩む(ホッコリ、集中力低下など)
- 悲しみ→気を消す(疲労感、息切れなど)
- 恐れ→気を下げる(失禁、手足の無力感など)
- 驚き→気を乱す(精神不安、パニックなど)
- 思い→気を結する(食欲不振、お腹の張りなど)
適度な喜びは大事ですよ!