漢方薬にも副作用はあります!
しかも重篤なものもあるからね!
漢方薬には『副作用がない』『薬じゃないから安心』そう思っている人が多いですね。
今回は漢方薬を服用するうえで覚えておきたい副作用を紹介していきます。
重篤な副作用
これからの症状が出たらすぐに服用を中止!
医師、薬剤師に相談すること。
必要に応じて病院を受診してください。
アレルギー症状
軽い症状では蕁麻疹のような皮膚炎が出ることがあります。
重篤になると粘膜の腫れ、呼吸困難、血圧低下等のショック症状が現れます。
これは漢方薬だけではなく、西洋薬や食べ物でも起こる可能性があります。
発生頻度は極稀ですが覚えておきましょう。
食べ物のアレルギーがある人は必ず治療者に伝えましょうね。
偽アルドステロン症
漢方薬の副作用で1番有名です。
原因は漢方薬の多くに含まれる『甘草』という生薬!
この甘草を過剰に摂取してしまうと低カリウム血症を引き起こし
- 血圧上昇
- 脱力感
- 筋肉痛
- ひどい浮腫み
を引き起こします。
甘草1g中にはグリチルリチンが約40mg含まれていると言われているが、1日の上限値はグリチルリチンとして300mg(甘草として7.5g)である。漢方薬に含まれている甘草の1日量はほとんどが3g以下なので問題になることは少ない。しかし、芍薬甘草湯は1日量に6g含まれており、人によりグリチルレチン酸の感受性も異なるので注意が必要である。また、漢方製剤には甘草配合のものが多く、合方されるとグリチルリチン酸の量が増加することもある。
高齢者の女性は副作用の頻度が特に高いといわれており、また、プレドニゾロン、利尿剤との併用では低カリウム血症を起こしやすいので注意する。新潟県薬剤師会のホームページより引用
個人的には『甘草』の1日摂取量は2.5g~3g辺りが上限だと思っています。
ただ代謝には個人差があります。
規定量以内でも気になる症状があればすぐに中止しましょう。
漢方薬を複数服用している人は特に気をつけるべき副作用です。
婦人のヒステリーに使う『甘麦大棗湯』
この2つは特に甘草の量が多いので注意してね。
間質性肺炎
肺炎という名前ですが細菌感染ではなく薬の副作用やアレルギーで起こる肺炎です。
放置すると肺の組織が破壊されていきどんどん症状が悪化していきます。
漢方薬では『小柴胡湯』という処方が原因とされています。
慢性肝炎の治療にインターフェロンと『小柴胡湯』を併用したところ死亡者まで出てしまった副作用です。
今では『柴胡(さいこ)』『黄芩(おうごん)』という生薬が原因ではないか?と言われています。
症状としては
- 空咳
- 息苦しさ
- 体のだるさ
等
『柴胡』『黄芩』を含む漢方を服用の人は注意しましょう!
小柴胡湯+五苓散=柴苓湯
小柴胡湯+半夏厚朴湯=柴朴湯
この様な処方も注意しようね!
小柴胡湯の間質性肺炎の発生はアレルギー作用によると考えられており、他の漢方薬でもおこっていす。報告があるのは大柴胡湯(だいさいことう)、半夏瀉心 湯(はんげしゃしんとう)、辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)、清肺湯、柴苓湯(さいれいとう)などです。また、慢性肝炎に効くからと証に関係なく誰にで も小柴胡湯を使いすぎていることも原因のひとつであると主張する漢方医もいます。小柴胡湯による間質性肺炎を生じるのは2万5千人に1人であり、他の西洋 薬にくらべ頻度は少ないものです。いずれにしても、これらの薬剤服用中に発熱、乾いた咳、呼吸困難が現れたらすぐに医師や薬剤師に相談しましょう。
全日本民医連のサイトより引用
怖がり過ぎることはないけど注意だけはしておこう!!
頻度の高い副作用
比較的よく起こる副作用です。
量の調節、服用法などで改善することが多い症状です。
胃腸障害
『当帰』や『地黄』などを配合する漢方薬で起こりやすい症状です。
胃もたれの場合は食前→食後に変えるだけでも改善します。
あまりに症状がひどい場合は処方を変更してもらいましょう。
冷え、ほてり
寒熱の証を間違えたか、量が多かった場合に起こる副作用。
慣れの部分もあるので多少であれば様子を見ましょう。
寒気がする、急な多汗などの強い症状の場合はすぐに中止しましょう。
その他、服用すると調子が悪い
漢方薬を服用すると色々な症状がでます。
基本は『心地よい症状』なら続けてください。
逆に不快な症状が出る場合は一度お休みするか中止しましょう。
瞑眩めんげん)
症状が好転する前に一時的に症状が悪化すること
最後に
『漢方薬に副作用がない!』というのは偽りです。
特に重複してしまったり、自分に合っていない漢方薬を服用すると副作用の可能性は高まります。
基本的にはきちんと『証』を診ていれば副作用は少ないです。
これから漢方薬を服用したいと考えている人はきちんと診断してもらうことをオススメします。
気を付けなきゃ。
でも気になる症状がある人は中止して治療者に相談しましょうね。