玄先生の言う通り『銀翹散』という漢方薬が『ある事情』で売り場から消えつつあります。
銀翹散は
- 天津感冒片
- 涼解楽
- 銀翹解毒丸
- 金羚感冒錠
などの商品名でも売られている漢方薬です。
そこで今回は優秀な解毒薬である『銀翹散』が消えつつある背景と代わりになる漢方薬についてまとめてみようかと思います!
【追記】2024.7
現在、一部の銀翹散を元にした漢方薬は、構成生薬を変更して販売が再開しております。
記事を消そうかとも思いましたが、今後の問題提起として残して置こうと思います。
そもそも銀翹散ってどんな漢方?
『清熱解毒薬』
簡単に効果を説明すると
- のどの痛み
- 高熱
- 黄色い痰、咳
銀翹散は風熱(ほてり)の風邪
の漢方薬だからね!
喉の痛みなどにとても早く効果があらわれる処方です。
常備薬に持っておくと便利ですよ!
構成生薬・中医学的な効能効果
銀翹散は中国の清・明時代に書かれた『温病条弁』が出典です!
この『温病条弁』には『温熱』が原因のの病についてまとめられた医学書です。
生薬名 | 効能 |
---|---|
金銀花 連翹 | 清熱解毒←化膿、解熱、抗菌作用 |
薄荷、淡豆鼓、牛蒡子 | 辛涼解表←熱の邪気を発散させる。 |
荊芥 | 辛温解表←少し温める事で辛涼解表の効果を高める。 |
芦根 淡竹葉 | 清熱寫火←解熱、消炎。急性の熱を去る |
桔梗、甘草 | 利咽←去痰、消炎 |
何故消えつつあるのか?
先に結論を言っておきます。
- まだ買えます
- 代わりの漢方薬があります
ご安心下さい!
ひとまず安心だね!
でもなんで消えつつあるんだろう?
銀翹散が世の中から消えかけている原因はウシ科サイガカモシカの角の『羚羊角(れいようかく)』という生薬です。
この『羚羊角』が手に入りにくくなった事が直接的な原因なのです。
実は原典に載っている『銀翹散』と日本で売っている物はちょっと内容が違うんだ!
実は原典の銀翹散は『羚羊角』は使わないのです!
本来は芦根(ろこん)という生薬を使うのです!
ただコレがネックで現在『銀翹散』が手に入りにくくなってしまったのです!
絶滅危惧&ワシントン条約
絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約 (ワシントン条約) /
Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora (CITES)
野生動植物の国際取引の規制を輸出国と輸入国とが協力して実施することにより、 採取・捕獲を抑制して絶滅のおそれのある野生動植物の保護をはかることを目的とした国際条約。 1973年にワシントンで採択されたことから単にワシントン条約とも言う。 生薬の中では、麝香、熊胆、虎骨、犀角、羚羊角、石斛などが国際取引禁止となっている。日本漢方生薬製剤協会ホームページより引用
だから今までも扱えるのは一部の製薬会社だけだったんだ。
それが今、乱獲や絶滅危惧の恐れが原因で流通がかなり制限されてしまっているのです。
漢方薬は原料が天然の物なので動物愛護なんかも関係してきます。
これからも使える生薬が減ると言われています!
医薬品の登録
医薬品の申請には国の許可が必要。
医薬品は健康食品と違って
原料が無くなりました!→すぐに変更!
とはできません。
申請を再びしなくてはなりません。
しかも許可されるかは未定。
本当になくなるの?
正直今すぐすべての商品が無くなるわけではありません。
理由として
- 在庫を持っているメーカーがある
- 入手ルートを確保しているメーカーがある
ただ確実に扱うメーカーが減っている現状です。
そして在庫、確保するルートが無くなれば終了とも言われています。
メーカーによっては代用で『水牛の角』を検討しているそうです。
代わりになる漢方薬
では、『銀翹散』が無ければ熱邪の風邪は治せないのか…
代用品があるから大丈夫である!
症状別に解説していきます♪
喉が痛い
駆風解毒湯(くふうげどくとう)
喉に特価した処方。
金銀花、連翹の清熱解毒薬が入っていないですが喉が痛い時には良くききます。
なるべく喉に着く様に服用するのが特徴的なので
『うがいしながらゆっくり飲む』と良いです。
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黄色い痰の咳
麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)
強い咳や黄色い痰、喘息気味な時に有効です!
麻杏甘石湯+桑白皮
ほぼ同じに使えるよ!
じゃな!!
まとめ
熱病の要薬『銀翹散』
生薬の問題で在庫少ない&消えかけています。
メーカーによってはまだ在庫があるようですがいつまでもつかは微妙。
必要な人はあらかじめ用意しておくかもしれません。
限りある資源だから大切にしなきゃね!
特に効能があるとわかると『乱獲』なんかされてしまう。
きちんと管理してほしいね!
【追記2回目】2024.7
現在、一部の銀翹散を元にした漢方薬は、構成生薬を変更して販売が再開しております。
記事を消そうかとも思いましたが、今後の問題提起として残して置こうと思います。