疲れているのかしら?
どうしたの?
疲れてるみたいだから精のつく物でも食べようかしら?
でも、その重だるさの原因は「湿」かもね!
栄養ある食事も気をつけないと逆効果になるかから注意してね。
みなさん、こんにちは!
漢方薬剤師の玄(@gen_kanpo)です。
梅雨から夏の時期に「体が重だるい」こんな経験はありませんか?
漢方薬局では1年中この様な相談ががあります。
単純に「疲れている」人もいれば「湿」が原因のこともあります。
この2つのはとても症状が似ています。
そして、厄介なのは混在もすること。
そこで、今回は「体が重だるいのは疲れ?湿?」こんなテーマで解説していこうかと思います。
- 体が重だるい
- 寝てるけど疲れが取れない
- 湿度が高いと体調が悪い
疲れからくる重だるさ
まずは単純に疲れからくる「重だるさ」
原因としては精神的、肉体的に来る疲労です。
特徴としては
- 寝ると回復する
- 午後、夕方から悪化する
- 動くと悪化する
これらが顕著な場合は「疲労」からくる「重だるさ」の可能性が高いです。
体を機能させるエネルギー(気血など)不足の状態です。
養生法としてはエネルギーの確保!
やるべきことはエネルギーの確保。
エネルギーを作る胃腸と睡眠を大事にしましょう。
具体的には
- 休息を多めにする
- 暴飲暴食をしない
- 睡眠時間を長めに早く寝る
- 運動は軽めに
過度な運動は避けた方が良いですが、ストレッチなどの軽い運動などは大事になります。
補うだけだと滞りが発生しやすくなるので、疲れない程度に巡らすように心がけましょう。
漢方薬を治療する場合は「補」がメイン。
湿が原因の重だるさ
こちらは「湿」が原因の重だるさ。
- 朝が調子悪い
- 寝ても回復しない
- 動き出すと楽になる
これらが顕著なら重だるさの原因は湿かもしれません。
体が「湿」にやられている状態です。
湿には下記の2つがあります。
- 外からやってくる「外湿」→梅雨時期、高温多湿な気候
- 内側にできる「内湿」→暴飲暴食、運動不足
外邪の湿には「沈重性(重い)」「定着性(取り除きにくい)」「粘膩性(べたべた))」という特徴があります。
水って重いものね!
そのため、同じ姿勢が多くなると「体は重く、動き出しが悪くなり、動き出すと楽になる」という特徴があります。
内湿とは内生五邪の一つ。
暴飲暴食や運動不足によって体内に湿が溜まった状態です。
気血津液(水)や臓腑の生理機能の失調により外湿と似たような性質を持っています。
内湿は外湿を呼び込む
内側に湿があると外気の湿に影響しやすくなります。
湿度が高い時に顕著に体調が悪い人は内湿が溜まっているのかもしれません。
養生としては「湿」の排除
外湿については天気などに影響されるため、画期的な方法は難しいですが「部屋の除湿」は非常に有効です。
養生として注力すべきは内湿の排除。
具体的には内湿は飲食物を注意する!
「水分過多にならない甘い物、脂っこい物を避ける」
などを心がけましょう。
漢方薬で治療する場合は「瀉」がメイン。
体の水はけを良くするような漢方薬を体調に合わせて選択していきます。
疲れと湿は混在する
厄介なところで「疲れ」と「湿」は混在タイプも存在します。
特に体のエネルギーをつくる脾胃(≒胃腸)は湿に弱い臓です。
内湿、外湿で脾胃の機能が低下すると体は疲れていきます。
そして、「疲れた脾胃には湿が入り込みやすい」です。
この悪循環を断ち切るには胃腸に優しい食事を心がけ暴飲暴食をしないことが挙げられます。
夏場はよく「精のつくものを食べよう」「夏バテ予防に気合を入れてトンカツ」などというフレーズを耳にしますが、無理に食べると逆効果になることが多いです。
脾胃(≒胃腸)の機能が落ちれば
- エネルギー(気血など)不足
- 体の水はけ(水分代謝)が落ちる
「疲労」「湿」どちらのタイプにも良いことはありません。
これじゃ逆効果ね。
漢方薬で治療する場合は「補」と「瀉」をバランスよく。
どちらかに偏ると逆効果のこともあります。
このバランスを取るのは難しいので気になる方は専門家に相談しましょう。
まとめ
「体の重ダルさ」には様々な要因があります。
特に梅雨から夏に多い「疲労」と「湿」の違いについて解説していきました。
今回の内容を簡単にまとめると
重ダルイ原因は「疲労タイプ」「湿タイプ」「混在タイプ」がある
【疲労タイプ】
- 朝は調子が良い
- 動くと悪くなっていく
→補う、休息を多めに、消化の良い食事、激しい運動はNG
【湿タイプ】
- 朝調子が悪い
- 動き出すと楽になる
→瀉す、暴飲暴食しない、除湿、運動する
【混在タイプ】
- 湿と疲労の混合タイプ
- 胃腸に負担をかけると悪い循環になる
→補と瀉をバランスよく
どちらの場合でも食事が乱れると体調が悪化するから気をつけましょう。