華陀(かだ)ゲット~!!
玄は何を言っておるんじゃ??
う~む、華佗はこんなんじゃないぞ!!
しかもなんで女性??
これは若い子らにしっかりと教えなければ!!
珍しく老師が燃えている!!
みなさん、こんにちは!
漢方薬剤師の玄(@gen_kanpo)です。
華佗(かだ)という人物を知っていますか?
三国志が好きな人はおなじみですね!
最近ではゲームのキャラになったり、名前がアニメのキャラになっているようです。
この華佗(かだ)実はとってもすごい先生なんです。
そのまま薬の名前になったり、みなさんも知っている『あるもの』を開発した人でもあります。
そこで今回は『神医・華佗』について解説していこうかと思います。
- 華佗は知っているけど詳しく知らない!
- そもそも華佗って誰?
- 華佗って美味しいの?
華佗(かだ)ってどんな人?
中国、三国志の時代に活躍したお医者さんです。
薬学、鍼灸にとてもすぐれた腕をもっており民衆から『神医』と呼ばれたお医者さんです。
三国志(演義)での活躍
関羽(かんう)という豪傑を治療するエピソードが印象的です!
この場面は『名医と名患者』という名前で有名です。
毒矢で負傷した関羽(三国志で一番有名な武将)を治療するためにやってきた華佗先生。
毒は骨まで達していて、
華佗:
『右ひじの骨を削らなければならない!』
それに対して関羽:
『ok!やっちゃって!!』
華佗:
『暴れると危ないから、柱に縛りつけてよい?』
関羽(スーパー強い):
『暴れないから、大丈夫!!』
華佗:
『めっちゃ痛いよ~マジで?』
そして麻酔もなしで骨を削られる関羽!
宣言通りピクリとも動かず手術を成功させるというエピソードです。
※かなりデフォルメしています(笑)
治療した華佗もすごいけど、有言実行した関羽もすごい!
というエピソードです。
※横山光輝先生の三国志より
とんでもないな!!
様々な武将を治療してきた華佗先生。
その最期も印象的です。
関羽を治療後、華佗先生は曹操(三国志の英雄の一人)の頭痛を治すために都に行きます。
そこで華佗:
『頭痛の原因は脳みそだから、斧で頭かち割っていい??』
曹操(怒らすと怖い):
『何言ってんの??いいわけないじゃん!』
華佗:
『え~?だって関羽さんは我慢したよ!』
曹操(関羽とは敵対関係):
『あっ!お前!関羽の回しもんだな!』
『はい!死刑!!』
こうして投獄&拷問で死んでしまいます。
※かなりデフォルメしてます
有名なお医者さんは医学書を残すのが一般的です。
華佗も「青嚢書(せいのうしょ)」という本を書いていたそうです。
ただ受け取った人の家族が曹操にバレルのを恐れて燃やしてしまったそうです。
一度見てみたかったわい!
華佗の活躍
医療や健康領域で色々な功績がある華佗先生。
みなさんも知っているものもあるかもしれません!
お屠蘇を考案
お正月に飲む『お屠蘇(とそ)』は華佗先生が考案したものです。
日本には平安時代に入ってきたとされています。
お屠蘇は邪気を払って心身ともに健康にするための薬酒として薬草を調合したお酒を作ったといわれています。
華佗が活躍した時代は『傷寒』という感染症のが流行っていて多くの人が命を落としました。
お屠蘇には温める生薬がたくさん入っています。
中国もお正月は寒い時期です。
『傷寒に負けないでお正月を健康にすごす!』
という思いもあったかもしれませんね。
麻酔を使って切開手術をした?
華佗は『麻沸散(まふつさん)』という麻酔薬を作って腹部の切開手術を行ったとされています。
華佗が活躍していたのは西暦200年あたりです。
日本で初めて全身麻酔で手術を成功させたのは1785年の華岡青洲(はなおかせいしゅう)先生。
また欧米で初めて全身麻酔が行われたのはその40年後とされているので華佗の凄さがわかると思います。
ただ、華岡青洲が麻酔に使ったのも『麻沸散(まふつさん)』という華佗が考案した麻酔薬と同じ名前の薬。
同成分かどうかは定かではありませんが、参考にしたのは間違いないと思います。
ちなみに華岡先生が使った『麻沸散(まふつさん)』は通仙散ともいわれ
- 曼陀羅華(マンダラゲ)
- 烏頭(ウズ)
これらを中心に作られた麻酔薬の様です。
曼陀羅華(マンダラゲ)は日本では使いませんが、烏頭は日本のドクターで使う人がいます。
※劇薬指定
烏頭(ウズ)はトリカブトで毒性が高いですが、鎮痛作用もとても高い生薬です。
慢性の痛みなどに使われます。
健康体操を発案
華佗は五禽戯といわれる健康体操を発案しました。
この五禽戯は日本の無形文化遺産に相当する「非物質文化遺産」に登録されているそうです。
この五禽戯は導引という中国古来の健康体操をもとに虎・鹿・熊・猿・鳥の5種類の動物の動きをヒントにして創作した養生医療功法だそうです。
ちなみに導引(どういん)とは
呼吸法を組み入れた健康体操の様なものです。
古来、中国では治療法の一つにされていました。
特に中国の中央部(都市部)で栄えた地域の人達に有効な治療法とされていました。
これは、中央部に住む人達は町が栄えている為、肉体労働などはあまりしなくても食事をすることができました。
そのため老廃物や邪気をためこみやすい体になりそれを導引や按摩(あんま)取り除いたとされています。
薬の名前になっている
華佗の名前が入った薬に『華佗膏(かだこう)』という軟膏があります。
効能は、なんと水虫の薬!
人物の名前が薬の名前に入るあたりが華佗の認知度の高さをうかがえます。
まとめ
三国時代のスーパードクター・華佗。
その活躍を簡単にまとめると
- お屠蘇を作った
- 西暦200年前後に切開手術をした?
- すごい健康体操を作った
- 薬の名前にもなっちゃう
- 曹操の頭を斧でかち割ろうとした
攻略にかかせません!!!
ダメだこりゃ。