養生訓とは?江戸時代の健康法をわかりやすく解説|名言より活かす生活の知恵

みなさん、こんにちは!
漢方薬剤師の玄(@gen_kanpo)です。
「養生訓(ようじょうくん)」というワードを聞いたことはありますか?
健康や長生きに関する本として知られていますが、これは江戸時代に生まれた「ベストセラー健康書」です。
書いたのは、儒学者であり医学、薬学など幅広い学問に精通した貝原益軒(かいばら えきけん)。
1713年に出版され、多くの人に読まれました。
その内容は、特別な治療法や薬ではなく、
日々の生活習慣を整えることに重点が置かれています。
そして驚くべきことに、その教えは現代にもそのまま通じるものばかりです。
今回はこの、現代でも活かせる江戸のベストセラー健康書『養生訓』について、わかりやすく解説していきます。
- 色々な健康法を試している
- 情報過多で困惑してる
- 体調が優れない
貝原益軒(かいばら えきけん)とは?養生訓が書かれた背景


養生訓を書いた貝原益軒は、江戸時代を代表する儒学者であり、本草学者(植物や薬を研究する学問の専門家)でもあります。
福岡藩に仕えながら、多くの書物を残し、教育や医学の分野にも大きな影響を与えました。
養生訓が書かれた当時は、現代のように医療が発達していたわけではありません。
そのため「病気になってから治す」のではなく、
日々の生活でいかに健康を保つかが非常に重要でした。
養生訓は、そうした時代背景の中で生まれた、
「未病を防ぐための生活の知恵」をまとめた書物です。
※一般的に未病とは、病気とまではいかないけれど、放っておくと病気になってしまう可能性もある状態
養生訓の本質は「当たり前を丁寧に」
養生訓は、江戸時代の儒学者であり、医学、薬学にも精通した貝原益軒によって、健康で長生きするための知恵がまとめられた書物です。
貝原益軒は83歳のときにこの本を書き上げ、85歳まで生きたといわれています。
当時の平均寿命が40歳に満たないといわれた時代に、最期まで大きく体調を崩すことなく生涯を全うした、まさに健康長寿を体現した人物です。
難しいことが書いてありそうな養生訓。
でも、中に書いてあることをピックアップすると内容はとてもシンプルです。
- 食べすぎない(このようなときは、コレを食べない方が良いなど)
- 心身ともに無理をしない
- 規則正しく生活する
書かれていることはこのようなことが多いです。
どれも現代でも言われることですが、これを体系的にまとめているのが養生訓です。
つまり、「特別なことをする」のではなく「当たり前を整える」
これが養生訓の本質だと考えられます。
さらに養生訓は、単なる健康法ではなく、
「日々をどう生きるか?」「どう在るべきか」という視点まで含まれています。
与えられた命と身体に感謝し、慎みを持って日々を過ごすこと。
そうした積み重ねが、結果として心と体の健康につながるという考え方です。
現代は便利になった一方で、
- 飽食の時代による暴飲暴食
- 情報過多による疲れ
- 生活リズムの乱れ
といった問題が増えています。
【各論】養生訓の主なポイント


では、具体的な養生訓の考え方の部分を見ていきましょう。
ここでは、私が実際の相談でよく使うフレーズを紹介していきます。
良かったら参考にしてみてくださいね。
養生の四寡(しか):減らすことで整える


養生訓の中でも象徴的なのが「養生の四寡」という考え方です。
- 思いを少なくして神を養う
- 欲を少なくして精を養う
- 飲食を少なくして胃を養う
- 言を少なくして気を養う
これは、健康のために何かを足すのではなく、
余分なものを減らすことで整えるという発想です。
現代は、
- 考えすぎる環境
- 欲望を刺激する情報
- 食べ物があふれている
という、あらゆるものが「過剰」の時代です。
特に「思いを少なくする」という視点は重要で、考えすぎは心の消耗につながります。
また「言を少なくする」という考え方は、SNS時代にも通じます。
発信が簡単になったからこそ、余計な一言で気を消耗することもあります。
足す養生だけでなく、減らす養生。
これが現代において、とても大切な視点です。
詳しい記事はコチラから↓
感覚の養生:あえて目を閉じる


では具体的に、現代で負担になりやすいものの一つが「情報」です。
養生訓には、
「用がないときは目を閉じる」
という教えがあります。
【目を閉じるメリット】
- 目の休息
- 不要な情報を遮断する
- 心を落ち着ける(一種の瞑想)
といった意味があります。
現代はスマートフォンやパソコンなど、常に目を使い続ける環境です。
【目を使い続けるデメリット】
- 目の疲れ
- 集中力の低下
- 精神的な疲労
といった不調につながりやすくなっています。
さらに、誹謗中傷やネガティブな情報など、視覚からの刺激が心に負担をかけることも少なくありません。
だからこそ、
意識的に「見ない時間」をつくること
が大切です。
数分目を閉じるだけでも、目と心の負担はやわらぎます。
心の養生:静けさの中で整える


さらに内面に目を向けると、「心の状態」も重要です。
養生訓には、
「心を平静にして徳を養う」
という言葉があります。
言葉を控え、物静かに過ごすことで、
心だけでなく体も整っていくという考え方です。
現代は、
- 常に誰かとつながっている
- 何かを発信している
- 刺激を受け続けている
そんな状態になりがちです。
だからこそ、あえて「静けさ」をつくる時間が大切です。
例えば夜は、スマートフォンではなく読書に切り替えてみるのもおすすめです。
運動:食後は軽く動くのが理想


内面を整えたうえで、次は体の使い方です。
適度な運動は養生の基本です。
適度な運動は生活習慣病の予防、睡眠の質を上げるだけでなく、脳の血流を良くして、創造力や記憶力も影響するとされています。
養生訓には、「若い人は食後に弓や槍を習い、身を動かせ。ただし、やりすぎるな。」
という記述があります。(ちょっと誇張)
これは現代でいうと、
「食後は軽く体を動かすとよい」という意味です。
実際に、食後10〜15分の軽い歩行は血糖値の急上昇を抑えるとされています。
最近では、糖尿病の指導などでも食後の運動が推奨されているようです。
ここで大切なのは「強度」です。
- 激しい運動ではない
- ゆるく動く
- 巡りをよくする
このバランスが重要です。
交感神経が優位になりすぎて、胃腸の働きが悪くなるレベルではやりすぎです。
- ゴロゴロしすぎもNG
- 追い込みすぎもNG
「ちょうどよい動き」が養生になるという視点が大切です。
環境と外邪:見えにくい「湿」に注意


さらに、体の外側の環境にも目を向けてみましょう。
東洋医学では、風・寒・暑・湿などの「邪気」が体に影響すると考えます。
この中でも特に注意したいのが「湿(邪)」です。
【湿邪の特徴】
- 変化が遅く深い
- 気づきにくい
- 蓄積する
という特徴があります。
そのため、気づかないうちに体に負担をかけ、
後から「ボディブローのように効いてくる」存在です。
気づきにくいからこそ、意識して対策することが重要です。
季節の養生:夏は冷やしすぎない


最後に、季節ごとの養生についても触れておきます。
現代の夏はとても暑いくて長いですよね。
最近は夏の不調で漢方相談に来る人が多くなりました。
単純に暑さで調子を崩す人もいれば、「夏場の冷え」「胃腸の不調」で来店する方も少なくありません。
養生訓では夏について、
- 涼風に当たりすぎない
- 食べすぎに注意する
- 冷水で体を冷やしすぎない
- 冷たい風にあたって寝ない
といった注意が書かれています。
ポイントは、読んで通り
「暑くても冷やしすぎないこと」です。
なんと、冷房器具が充実していない江戸時代から夏場の冷えについて言及されていたんですね。
暑いからと冷たい飲食物ばかり食べ、冷風に当たれば胃腸の機能が落ち、エネルギー不足に陥ります。
まとめ


養生訓の教えは、とてもシンプルです。
「何を足すか」ではなく「何を減らすか」
この視点が、現代の健康づくりにおいて大切になります。
食べすぎ、考えすぎ、情報の取りすぎ。
こうした「過剰」を少しずつ減らしていくことが、心と体を整えることにつながります。
今回の内容を簡単にまとめると
養生訓は、江戸時代から受け継がれ、現代にも通じる健康の知恵!
- 生活習慣を整えることが基本
- 減らす養生を意識する
- 考えすぎ・情報過多に注意する
- 無理のない範囲で体を動かす
- 環境(湿など)や季節にも気を配る
できることから、日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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