ストレスとの向き合い方|ストレスコーピングと中医学で考えるセルフケア・養生法

みなさん、こんにちは!
漢方薬剤師の玄(@gen_kanpo)です。
現代社会で避けて通れないのが「ストレス」。
- イライラする
- 気分が落ち込む
- 眠れない
- 胃腸の調子が悪い
- 疲れが取れない
- 肩こりや頭痛が増える
普段からこんな不調を感じることはありませんか?
実はストレスは気持ちだけの問題ではありません。
慢性的なストレスは脳・自律神経・ホルモン・免疫など、全身に影響を与えることが知られています。
さらに中医学でも、ストレスは「気の巡り」や五臓の「肝」の働きに大きく関係すると考えます。
ストレスはどのように心身へ影響する?


私たちは仕事や人間関係、病気、環境の変化など、さまざまなストレッサー(ストレスの原因)にさらされています。
ストレッサーを受けると、脳は過去の経験や記憶と照らし合わせて状況を評価します。
その結果、不安や怒り、恐れなどの感情が生じ、視床下部を介してストレス反応が始まります。
↓
脳で評価
↓
感情が生じる
↓
視床下部
↓
ストレス反応
ストレス反応は主に、
- 自律神経系
- 内分泌系(ホルモン)
- 免疫系
に影響します。
自律神経系では動悸や不眠、胃腸の不調など、内分泌系では血糖値の上昇や疲労感など、免疫系では感染症にかかりやすくなるなどの影響が現れることがあります。
短期間なら問題ありませんが、慢性的に続くと心身の不調やさまざまな病気につながることがあります。
ストレスコーピングとは?


ストレス反応に対して、うまく対処するための行動や考え方のことをストレスコーピングといいます。
ストレスは受けた瞬間に全てが決まるわけではありません。
途中で介入することで、心身への負担を減らすことができます。
①認知の修正
考え方を整える方法です。
- 完璧主義を手放す
- 失敗しても経験ととらえる
- 物事を別の視点で見る
- 「まあいいか」を増やす
②ストレッサーの除去
ストレスの原因そのものを減らす方法です。
- 苦手な人との距離を取る
- 仕事量を調整する
- 転職・異動をする
- 生活環境を整える
- 生活リズムを整える
ただし全てのストレッサーを取り除けるわけではありません。
仕事や家庭など、避けられないストレスには他のコーピングを組み合わせることも大切です。
③リラックス
感情の高ぶりを落ち着かせる方法です。
- 深呼吸
- 入浴
- 音楽
- 趣味
④エクササイズ
身体の緊張を発散する方法です。
- 散歩
- ストレッチ
- 筋トレ
- スポーツ
中医学で考えるストレス


中医学ではストレスは特に「肝(かん)」と深く関係すると考えます。
中医学の肝は、西洋医学の肝臓そのものではなく、
気や血の巡り、精神状態などを統括する機能単位として考えます。
五臓の肝は「将軍の官」と呼ばれ、外敵から体を守る役割を担います。
この外敵には外邪や感染症だけでなく、ストレスも含まれると考えます。
そのため、過剰や慢性的なストレスは五臓の肝の機能に負担をかけ、様々な不調の原因となります。
肝の疏泄(そせつ)
肝の重要な働きの一つが疏泄です。
疏泄とは、体や心の流れをスムーズにする働き。
- 気を巡らせる
- 精神を安定させる
- 消化を助ける
この働きが低下すると、気が滞りやすくなります。
- イライラ
- 怒りっぽい
- ため息が増える
- お腹が張る
- 食欲不振
などが現れやすくなります。
肝の蔵血(ぞうけつ)
もう一つの重要な働きが蔵血です。
肝は必要以上の血を蓄え、必要な時に各組織へ送り出す役割を持つと考えます。
読書では目に、運動では筋肉に血が必要になります。
ストレスや環境変化が多いと、血の消耗も増えやすくなります。
特に睡眠不足は血を消耗しやすい要因の一つと考えます。
中医学では、血は「陰」に属し、体を潤したり落ち着かせたりする働きを持つと考えます。
一方で、活動性や興奮は「陽」に属します。
そのため血(陰)が不足すると、陽気を十分に抑えられなくなり、イライラや怒りっぽさ、不眠などが現れやすくなります。
ストレスによって肝の働きが乱れたり、血を消耗したりすると、心身のバランスが崩れやすくなるのです。
ストレスに対する中医学的養生法


のびのび過ごす
疏泄を保つためには「のびのび」が基本です。
- 深呼吸
- 散歩
- ストレッチ
- 人との会話
などで気の巡りを整えましょう。
睡眠を大切にする
血を補う養生で最も重要なのは睡眠です。
まずは睡眠時間を確保し、生活リズムを整えましょう。
特に寝不足が続くと、気血の回復が追いつかず、
ストレスへの抵抗力も低下しやすくなります。
胃腸を整える
中医学では気血は胃腸から作られると考えます。
- 暴飲暴食を避ける
- よく噛む
- 冷たい物を摂りすぎない
- 規則正しく食べる
香りを活用する
香りのある食材は気の巡りを助けます。
- しそ
- みょうが
- 柑橘類
- ハーブ類
まとめ


ストレスは脳で評価され、自律神経・ホルモン・免疫へ影響します。
しかし、ストレスは途中で介入できます。
- 認知の修正
- ストレッサーの除去
- リラックス
- エクササイズ
中医学では、ストレスは主に肝の疏泄や蔵血に影響すると考えます。
睡眠・胃腸・運動・深呼吸を意識しながら、自分に合ったストレスコーピングを見つけていきましょう。
なお、気分の落ち込みや不眠が長期間続く場合、日常生活に支障が出ている場合は医療機関への相談も検討しましょう。
体質や養生について相談したい場合は漢方薬局、薬店に相談してみるのも1つの方法です。











