あまり難しく考えない方が良いんだよね。
大丈夫。あくまで毎日の食事だから!続かないと意味がないよ。
みなさん、こんにちは。
漢方薬剤師の玄(@gen_kanpo)です。
養生の基本は「食事・睡眠・適度な運動」だと思っています。
この中で一番話題に上がるのが「食事(食養生)」
「どんな食べ物がよい?」
「体に悪い食べ物は?」
こんなネッドやSNSでは話題が常に溢れています。
確かに食材個別の内容も大事ですが、根幹の考え方が間違っていると行きつくゴールが違ってしまします。
そこで今回は「食養生で大事なこと」という内容で解説していこうかと思います。
- 食養生に興味がある
- すぐに話題の食材に飛びついてしまう
- ネット、SNS情報に振り回されている
食養生で大事にすべきこと
ここでは個別の食材の情報ではなく、根本的な考え方を解説してみようかと思います。
個別の食材情報は【食材帳】を随時更新しているので、そちらを確認してみてください。
手に入るものでやる
食養生の本を読むと聞いたとない食材が出てくることがあります。
でも、手に入らない食材を無理に集めることはしなくてOKです。
背伸びしてしまうと続かくなってしまいます。
例えば、
- すっぽん(肝腎陰虚)→黒ごま、鶏レバー、卵など
- 白きくらげ(滋陰)→黒豆、豆乳、エリンギなど
このようにスーパーで手に入る食材で代用することができます。
良い食材も食べ過ぎれば逆効果
「そんなことわかってる!」
こう思っている人も意外と陥りやすい罠。
- 〇〇だからたくさん食べても良い!
- ××だから調子が悪くても食べても良い
こう考えている人多いですよ。
体にとって大事な気・血・津液(水)も余れば、気滞、瘀血、痰湿、となり体に悪さをします。
食材も同じで食べすぎると胃腸の負担、食滞となり体に定着して悪影響です。
また、一定の性質の食材だけを食べ続けると陰陽のバランスが崩れます。
バランスを大事にしましょう!
バランスをとる
上記の通り、どんなに体に良い食材でも1つの食材に偏るのは避けましょう。
いくら胃腸に良い食材といっても豆やイモ類ばっかり食べていたら栄養のバランスを崩します。
「じゃあ、どうしたらいいの?」と困ったら彩りを鮮やかにしましょう。
五行説にはそれぞれ対応した「色」があり作用が異なります。
- 青(緑):木に属する色 肝が弱った時に 気をめぐらす食材が多い
- 赤:火に属する色 心が弱った時に 補血の作用を持つ食材が多い
- 黄:土に属する色 脾胃(≒胃腸)が弱った時に 補気の作用を持つ食材が多い
- 白:金に属する色 肺が弱った時に 潤す性質の食材が多い
- 黒:水に属する色 腎が弱った時に 補腎、補血の作用を持つ食材が多い
※絶対ではないので目安です
バランスに悩んだら、食卓の色を鮮やかにするよう心がけてみましょう。
食卓を鮮やかにすると自然と栄養のバランスが整うものです。
昔から食べられている食材を選ぶ
今、話題の△△という食材!
スーパーフード☆☆!
このような食材に飛びつくのは悪くはないと思います。
ただ、話題の食材は危険性もわかっていないことも多いです。
その点、昔から食べれている食材、良いとされる食材は経験的に安心感があります。
漢方薬も同じですが、注意点や副作用などもわかっていることが多いです。
いつも行っているスーパーの食材でも十分に食養生出来ます。
困ったら昔から食べられているものを選んでみましょう。
季節のものを選ぶ
食材には旬があります。
旬というのは季節のエネルギーをたくさん含んでいるので、狙って選んでみましょう。
現代では旬に関係なく様々な食材が手に張ります。
しかし、味や栄養価は旬ものの方が圧倒的に優位です。
旬の食材は自然とその季節に合ったものが多いです。
【例】
- 春先:春のイライラを抑える苦味の山菜
- 夏:体の熱を去るスイカやキュウリ
- 秋:夏の疲れ、冬に栄養をため込むための補気の食材カボチャ、サツマイモ
- 冬:腎が敏感になる冬は牡蛎や昆布
食材選びに困ったら旬のものを選んでみましょう。
嫌いなものは選ばなくてOK
嫌いな食材を選ばなくてもOKです。
「〇〇が体に良い」という情報得ても、食べたくない、テンションが上がらないとストレスになってしまいます。
当然、慣れてくる可能性があるのでチャレンジすることはOK
ただ、食事のたびに嫌な気分になるくらいなら、他の食材を選ぶようにしましょう。
大体の食材には代替え品のようなものが存在します。
【例】
- レバー苦手→ほかの部位に肉でもOK
- ショウガが苦手→ネギや紫蘇などでもOK
このように自分が美味しい、楽しいと感じる食材をチョイスしましょう。
現代の食事には栄養補給と娯楽の二面性があります。
どちらに傾きすぎてもいけませんよ。
- 娯楽に偏る→体が弱る、体調不良になる
- 栄養に偏る→楽しくない、食べるのがストレス
食養生も「娯楽」の部分を大切にしましょう。
頑張らない
上記のポイントをまとめると「頑張らない」の一言にまとまってしまうかもせしれません。
食事は毎日するものです。
頑張りすぎると息切れしてしまいますよ。
マラソンと同じでスタートダッシュを決めても無理をすればすぐにリタイアになります。
自分のペースを守り頑張りすぎないことも重要です。
ステップアップ
ここからはステップアップ!
食養生を無理なく継続できるようになったら、東洋医学的な考えも加えて行きましょう。
五味と五性を考える
五味と五性を考慮して食材を選んでみましょう。
食養生(薬膳)では食材の味や性質を五段階に分類しています。
これを五味と五性といいます。
【五味】
- 酸味:血管や皮膚、筋肉を引き締めたり、固めたりする。肝と同じ木に属し春先の疲れや夏の汗をかきすぎたときに有効
- 苦味:体の熱を冷まし、炎症を鎮静させる。排泄を促す。春先のデトックスや夏の暑さで体に熱がこもったときに有効。とりすぎると体が冷え抵抗力が衰える。
- 甘味:滋養強壮、痛みや緊張をやらげる。疲れた時にほしくなる味。食べ過ぎると痰湿を呼び込み体が重だるくなる
- 辛味:滞ったものを発散、発汗のさせる。秋から冬に寒さが入り込むときに有効。カゼの初期によく使う味。とりすぎると炎症を生む。肝にも負担がかかり、筋や目に悪影響。
- 鹹味(かんみ:塩からい):硬いものを柔らかくする(しこりなど)、排泄を促す。とりすぎると血がドロドロして血圧が上がりやすくなる。
【五性】
- 熱:体を温め気血のめぐりをよくし、痛みを止める
- 温:熱よりも温和に温める、寒さからくる胃腸の弱り、疲労回復に
- 平:冷やしも、温めもしないフラットな性質
- 涼:体の余分な熱を去る。微熱や夏の体温調整に
- 寒:涼よりも体の熱を去る。炎症や鎮静などに。便通を良くする。
例えば暑い夏には涼性のスイカやトマトがオススメ。
逆に寒い冬は羊肉やネギ、しょうがなど温性の食材がオススメです。
体に炎症があるのに辛味を食べたり、舌に苔がべったりで不要な水分(痰湿)が溜まってるの甘味を多く食べると体調が悪化します。
このように五味、五性を考慮して、自分の体調に合った味や性質を選べるようになりましょう。
【食医】
古来中国では医師を「食医」「疾医(内科医)」「痬医(外科医)」「獣医」の四階級に分けていたとされます。 この中で最もくらいが高いのが、皇帝の体調管理を「食」で行っていた「食医」です。
このことからも「医食同源」普段の食事は毒にも治療にもなるということがわかります。
家族や自分の食医はあなたかもしれませんよ。
まとめ
今回は「食養生で大事なこと」というテーマで解説していきました。
現代の食事には栄養補給と娯楽の二つの側面があると思っています。
栄養ばかりに偏る→つまらない
娯楽ばかりに偏る→健康を損なう
毎日の食事でうまくバランスをとっていきましょう。
食養生のハードルが下がってくれれば幸いです。
今回の内容を簡単にまとめると
【食養生で大事にすべきこと】
- 手に入るものでやる
- 良い食材も食べ過ぎれば逆効果
- 昔から食べられている食材を選ぶ
- 季節のものを選ぶ
- バランスをとる
- 嫌いなものは選ばなくてOK
- 頑張らない
【慣れてきたらステップアップ】
これなら僕もできそう!
毎日の食事だから「頑張りすぎない」ことは大事だよ。
〇〇って食材を食べると痩せるらしいよ!
毎日食べよーと☆
高いけど健康になるわよー。