養生法

酒は百薬の長?酒(アルコール)の東洋医学的効能効果

黄老師
黄老師
ヒック!お酒は身体に良いんじゃよ~
ヒック!いっぱい飲んで良いんじゃよ~
玄先生
玄先生
(うわっ!酒臭い・・)
老師!飲み過ぎです!!
身体に悪いですよ!!
黄老師
黄老師
いいか!玄!
酒は陽気をめぐらせ、瘀血(おけつ)を去るんじゃ~
しかも調胃作用で・・・(くどくど)
玄先生
玄先生
下手に知識あると超めんどくせー

老師のおっしゃる通り酒には東洋医学的効能が存在します。

「酒は百薬の長」有名な言葉ですね!
ですが飲み過ぎは身体に毒!

今回は「酒」について東洋医学的、西洋学的の視点でご紹介していきます。

西洋学的の酒(アルコール)の効能

適量のアルコールは西洋学的にも認められた効能があります。

リラックス効果

お酒にはアロマ効果があります。お酒の楽しみは味だけでなくニオイも一つ!
ソムリエの人が大きいワイングラスでニオイをかいでいるの見たことありませんか?

ビールの原料・ホップも香りづけの一つ
自分の好みのニオイはリラックスすることができます。

またアルコールは大脳新皮質の働き、気分を高揚させたり、コミュニケーションを円滑に働かせます。
今はあまり使いませんが「飲みにケーション」なんて言ったりもしますよね!

食欲増進

適量ののアルコールは食欲を増進させます。
食前酒って聞いたことありませんか?
結婚式の食事などによく出ますね?
あの食前酒は会話を弾ませるという意味もあるのですが、
これから出てくる食事を美味しく食べる為に出されています。

心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患の予防

少量のアルコールには心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患を予防する効果が認められています。
脳梗塞も少量のアルコールで予防効果が期待でします。

ですが共に少量!量が増えたり、慢性的に飲み続けるとリスクの方が上回ります。

東洋医学的効果

酒は東洋医学でも良く使われます。
生薬を酒で加工したり、漢方薬を酒で服用したりなど様々な使い方をします。

酒の種類によって多少効能が異なります。

【共通の効能】としては

散寒活血

寒さを散らし血流を改善する
古典にはあえて血行改善の効果を増加させるために漢方薬を酒で飲ませる記載もあります。

調胃

適量の酒は食欲増進します。

玄先生
玄先生
西洋医学的効果と同じですね。

止痛

冷えからくる痛みを去る。
特に薬酒にすると効果が良い。
薬酒にすると生薬に血流改善の効能が加わるため効果的。

薬の効能を上部に引き上げる

引薬と言われ薬を特定の部位にとどける役目があります。
酒は上部に薬効を届ける役割があります。

玄先生
玄先生
特定の生薬の効能を上部に届けたい場合は酒で加工(修治)します。

個々の効能効果

「お酒」といっても原料、製造法などが違えば効能も変わっていきます。
代表的なお酒の西洋学、東洋医学的効能効果を解説していきます。

ビール

麦から作られる醸造酒。
実はミネラル、ビタミンが豊富で「飲むパン」という別名がつくビール
冷やして飲むお酒の代表ですね。

他のお酒に比べると糖質、カロリーは高め。
特にスタウトビールは栄養分も高いが、糖質、カロリーも高くなっています。

性質は涼(ちょっと冷やす)か平。

身体を冷やす作用があるお酒になります。
冷え性、頻尿の人は控えめの方が良いでしょう。

健胃消食

胃腸の動かしを助け消化を良くします。
食欲増進。

清熱解暑

身体にこもった余分な熱を去る。
暑気あたりを解消します。

清熱利湿

利尿作用で余分な熱を取り除く。

日本酒

米から作られる醸造酒
発酵食品とも考えれます。

アミノ酸、ビタミン、ミネラルと栄養豊富な日本酒。

特に注目すべきはアミノ酸!
必須アミノ酸を豊富に含みます。

また美肌効果のあるコウジ酸も含まれます。

蒸留酒(焼酎やウイスキー)と比べると糖質が多めに含まれカロリーも高めになります。

性質は温
適量の日本酒は身体を温めます。

血行改善、食欲増進に期待できます。
その一方ビール等に比べるとベタベタした性質で身体に残りやすい。
身体に残ると痰湿となって逆に食欲不振、体の重だるさの原因なります

活血散瘀血

血行を改善して瘀血(オケツ)を去る。

止渇除煩

喉の渇きをおさめ、ストレスを解消する。

ワイン

ブドウより作られる醸造酒

ビタミン、ミネラル、ポリフェノールを含みます。
糖質、カロリーは醸造酒ですが少なめ。

【赤ワイン】


赤ワインはアントシアニンやレスベラトロール、カテキン、タンニンといったポリフェノールが豊富です。

またこれらのポリフェノールはアルコールと一緒だと体に吸収されやすいためより効果的です。

ポリフェノールには

  • 視力回復
  • 認知症予防
  • 動脈硬化予防
  • 口腔内の環境を調える

という効果が期待できます。

【白ワイン】

ポリフェノールはぶどうの果皮や種子に多く含まれます。
白ワインは果皮と種子を除いて醸造・発酵させるので赤ワインに比べポリフェノール低いです。

その代わり有機酸を豊富に含み強い殺菌作用があります。
魚、貝料理には【白ワイン】というのは
味の相性+強い殺菌力
というダブルの意味があります。

東洋医学的はどちらも熱
冷え性などの血行不良の方は適量飲むと効果的。
ただ熱がこもりやすい人は飲み過ぎないようにしましょう。

活血行気

気の流れ血の流れを改善する。

耐寒

寒さに耐える力をつける

焼酎

米、芋、麦、黒糖、そば等が原料の蒸留酒

他のお酒よりも血行改善の力が強いとされており、血栓を溶かす能力が高いです。

焼酎はビールなどに比べてプリン体の含有量が少なく、痛風が気になる人にはオススメ。
また糖質はほとんどなく、カロリーも低いため糖質ダイエットをしている人に向いています。

性質は温
のぼせる、熱がこもる人は飲み過ぎないように。

和血通経

血行を改善し、生理痛、生理不順を解消

散寒止痛

冷えからくる痛みを改善

紹興酒(黄酒)

餅米と麦麹、酒薬を原料とするお酒です。
長期熟成した物を老酒(ラオチュウ)といいます。

カロリーは低めの紹興酒。
栄養価が高いお酒です。
ビタミン、ミネラル、アミノ酸など
特にアミノ酸は日本酒よりも多いです。

プリン体が多いです。
痛風患者さんや高尿酸値の人避けた方がよいお酒です。

ちなみに紹興酒にザラメを入れて飲む事がありますが本来入れません。
質の悪い紹興酒の味を調える為に始まった事なので美味しい紹興酒はそのままがオススメ。

東洋医学的な性質は熱
かなり身体を温めるので冷え性にはオススメ。

ただ火照る人には不向き。
栄養価が高い分身体に残りやすいので「痰湿」傾向の人にも不向きなお酒となります。

安神強心

精神を安定させ、心の機能を強化する。

養血美顔

血を生成して顔色を良くする。

お酒(アルコール)による悪影響

アルコールは長期で大量に服用すれば悪影響が出ます。
またアルコールを代謝する酵素が少ない人は少量でも悪影響が出てしまいます。

肝機能障害

肝臓は消化液の胆汁を作ったり、代謝作用、老廃物の解毒をする臓器です。

アルコールも肝臓で
アルコール→アセトアルデヒド→酢酸の順に代謝され

最終的に水と二酸化炭素に分解され汗や尿、呼気で体外に排出されます!

アルコールを長期で大量に服用すると肝臓が疲労して中性脂肪が蓄積してしまいます。
俗に言う「脂肪肝」です。

「脂肪肝」が更に進むと
肝繊維症、肝硬変、アルコール性肝炎になるおそれがあります。
血液検査でγ‐GTPだけ異様に高い人は要注意!

アルコール依存症

アルコールは依存性のある物質です。
長期で大量にアルコールを摂取すると依存のリスクは高まります。

依存症の人はアルコールが体内に入っているときは陽気で精神も安定していますが、アルコールが抜けると、イライラや神経過敏、不眠、頭痛・吐き気、下痢、手の震え、発汗、頻脈・動悸などの離脱症状が出てきます。
そしてそれを抑えるために、また飲んでしまう悪いスパイラルが生まれてしまいます。

ガンのリスクが上がる

大量のアルコールは口腔・咽頭・喉頭・食道・肝臓・大腸と女性の乳房の癌の原因となるとされています。

脳に影響する

大量のアルコールは脳を委縮させ認知症の危険度を高めると言われています。

またアルコールは睡眠の質を下げ、眠りを浅くします。
利尿作用もありダブルで眠りを妨げます。
寝酒はやめましょう!

未成年の飲酒のリスク

未成年は肝臓の代謝能力がまだ未発達のためアルコールを分解する能力が低いです。
そのため肝臓に加わるダメージが大きく、急性アルコール中毒になりやすいです。

また成長期に飲酒をすると脳細胞が破壊され、若くして脳萎縮が始まるリスクがあります。

適切な量

厚生労働省が推進する国民健康づくり運動「健康日本21」によると、「節度ある適度な飲酒」は1日平均純アルコールにして約20g程度であるとされています。

20gというのは

  • ビール中瓶1本(500ml)
  • 日本酒1合(180ml)
  • 焼酎0.6合(110ml)
  • ウイスキーダブル1杯(60ml)
  • ワイングラス2杯(200ml)
  • 缶酎ハイ大缶1本(500ml)

とされています!

ですが皆さん

  • 肝臓=自分
  • 飲酒=仕事

と考えてみてください。

適量な仕事量とは言え毎日仕事をしているのって耐えられますか?
お休みが欲しくないですか?

そう適量を守っていても「休肝日」は必要です!

玄先生
玄先生
肝臓くんを酷使するブラック企業にならないでね!

まとめ

「酒は百薬の長」と呼ばれるたくさんの効能を持っています。
ですがそれはあくまで適量の範囲。
大量+長期で服用すると逆効果です。

まとめると種類によって多少変わるが適量のお酒は

    • 食欲増進
    • 血行改善
    • リラックス効果
    • 体を温める(ビール以外)

効果が期待できます。

黄老師
黄老師
ううう・・頭が痛い・・気持ち悪い
玄先生
玄先生
何事も適度が大事!
中医学の基本だね☆
黄老師
黄老師
玄・・・何か調合してくれ!!
玄先生
玄先生
お・こ・と・わ・り☆
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漢方薬剤師 玄
漢方薬剤師 玄
✅資格:国際中医師 | 薬剤師 | ✅漢方相談歴10年以上✅胃腸重視の診断が特徴。✅健康や中医学の情報を『楽しく面白く』発信中。 お気に入りにするとあなたの生活の質がちょっぴり向上するかも!